「善き人々」とは法(ダルマ)を聞く意欲を持ち、実際に聞いて実践する人々のことです。さらに、信心のある人、気持ちのよい人、素行のよい人、知識のある人です。善き人々の説く正しい法を実践すれば、すべての苦しみから脱して涅槃を体得できるとブッダは言います。法はブッダの教えであり、苦集滅道という四聖諦や八正道など涅槃(ねはん)に至る実践方法です。
「居る」とは、仏教教団(サンガ)のなかで生活するということです。ブッダの教えを実践し、戒律を守り、托鉢によって食生活を維持し、瞑想し、涅槃を目指します。
「交わる」とは、一緒に修行に励むということです。一人ではなかなか修行に専念することはできません。師から教えを受け、同じ志を持つ仲間と一緒なら、うまく修行できるでしょう。修行はインドでは瞑想することです。瞑想によって、自らの内にある煩悩や業を減らしなくしていくことができます。煩悩と業がすべてなくなった状態が涅槃です。涅槃を体得した修行者が覚者ブッダと呼ばれます。瞑想は日本では禅ですが、インドではヨーガです。ヨーガの実践によって健康になりますが、本来の目的は涅槃です。仏教は涅槃を目指す宗教です。
われわれの日常生活でも、善き人々と関わる方がいいでしょう。煩悩(ぼんのう)が少なく意欲や向上心のある人と一緒に居るとやる気が起きます。そういう気持ちを持続させてくれる人 が善き人々です。そしてそういう人になれとブッダは言っているようです。善き人々に助けてもらっていた自分が善き人となって他者を助ける。この循環が法輪(ダルマ・チャクラ)です。ブッダの教え(法)が輪となって世の中でまわります。その最初の人がブッダであり、現代に生きるわれわれはそれを 2500 年にわたって引き継いでいます。