仏教学科
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Faculty of Letters
文学部
仏教の考え方を現代の問題解決に活かし、
「知恵と行動力」として培う。
釈尊は、何をよりどころにして、いかに生きるべきかと問いました。私たちもまた、そうした釈尊の問いについて考えてみましょう。仏教学科では、仏典の読み解き方を基礎から学びます。あるいは、自分が抱えている問題について立ち止まって考えたり、さまざまな社会問題にふれることで、そこから立ちあがってきた問いをもって、仏教の考え方を学びます。力強く、豊かに人生を築いてゆける人物の育成をめざします。
POINT01
大谷大学の特徴の一つは、少人数制教育により、一人ひとりの顔が見える充実した教育環境を提供していること。仏教学科では、高校を卒業したばかりの学生だけでなく、「死生観を学びたい」という現役看護師や定年退職した元会社員、日本で仏教を学びたいと考える外国人留学生など、さまざまな経歴や個性をもつ仲間と机を並べて学ぶことができます。
POINT02
インド発祥の仏教は、広くアジア諸国に伝播され、その国ごとに多様に発展してきました。仏教学科には、インド、中国、日本など、さまざまな地域の専門の仏教研究者が在籍。地域ごとに釈尊の教えがどのように定着してきたのかなど、独自の成り立ちについてくわしく学べるほか、サンスクリット語や古典チベット語など古典語学にもふれられます。
POINT03
仏教では「一切皆苦」(世の中の全てのものは苦しみであり、思い通りにならない)、「諸行無常」(世の中の全てのものは移ろいゆく)という考え方をします。人生で何らかの出来事に遭遇したとき、これら釈尊の教えを知っている人と知らない人では、感じ方が大きく違ってきます。特に辛いとき、苦しいときは仏教が救いになることもあるのです。
POINT04
基礎力を身につけていく授業では、漢文やサンスクリット語、チベット語、日本語で書かれた仏教関連の文献を読みこみ、それについての要約文を作成したり討論します。「読んで」「聞いて」「書いて」「話す」を徹底し、読解力や表現力を修得していくのがねらいです。こうした読解トレーニングを通して、学びの基本姿勢はもちろん、社会人としての基礎力を身につけることができます。
こんなテーマの問いを追求できます!
私たちのあり方が根底から揺さぶられるような経験にこそ仏教徒としての歩みの出発点があり、仏教学という学問の出発点があります。戦争・環境問題・人権問題など現代社会の諸問題を眺め、苦悩の現場の声を聞くことから始め、問うべき問題を発見し、釈尊の問いの意味を学んでみましょう。
釈尊は何を問い、何を明らかにしようとしたのでしょうか。古代インドから日本に至るまで、さまざまに伝承されてきた古典の書物をじっくり読み解くことを大事にして、釈尊の問いについて基礎から学んでみましょう。初期仏教から大乗仏教に至るまで、仏教の思想史を学びます。
仏教学を研究する術を演習で修得
「演習I」と「仏教文献基礎演習」を中心に、研究方法の修得をめざします。「人間学」では、現代と仏教というテーマの中で、混沌とした現代をどのように生きればよいのかということや、仏教精神に基づく建学の理念などを学びます。また、仏教学科では第1学年からサンスクリット文法など、仏教学を学ぶうえで必須の語学を学ぶことができます。
仏教学の基本を学び、卒業論文の作成を見据える
「大乗仏教入門」や「インド・中国・日本仏教思想論」などの講義の授業を中心に、仏教学の基本を学びます。基本的な専門用語を理解し、さまざまな授業で仏教に対する理解を進め、卒業論文作成に備えます。教職課程や図書館司書、博物館学芸員などの資格を取得する人は、他学科の授業を受講することも可能で幅広い学びを展開します。
参考文献の探し方や扱い方を修得
第3学年の学びは、卒業論文の作成にあたり演習クラスでのゼミ発表が中心となります。指導教員と相談しながらテーマを決定し、図書館や研究室での参考文献の探し方や使い方、資料作成の方法を修得します。ゼミ発表では自分の考えをしっかりと伝えることを学び、質疑応答を通して社会で必要とされるコミュニケーション能力を高めます。
卒業論文の発表会を実施し、学びの集大成を披露
学びの集大成となる卒業論文を作成するため、指導教員と相談しながら研究テーマを決定します。テーマに関連する資料・文献を図書館や研究室で探し、指導教員や助教といった先生方のサポートを受けつつ、試行錯誤を繰り返しながら卒業論文をまとめます。仏教学科では、卒業論文の発表会が毎年開催されており、そこで成果を発表します。
インドをはじめあらゆる国・地域の仏教を学ぶ中で、特に“女性と仏教” を巡る問題をテーマに論じます。たとえば、女性は男性に生まれ変わることで成仏できる「変成男子」は、仏典に残る差別的な思想の一つといわれています。大事なのは、当時の社会的背景を踏まえ、なぜこのような考えが生まれ、浸透したのかについて自分で仮説を立てること。情報があふれる現代社会においても、偏りなく物事を見つめる力を養うことができます。
サンスクリット語やパーリ語の初期経典を精読して、釈尊の思想にふれる授業です。仏教学の研究は、数少ない文献を手がかりに謎解きするようなおもしろさも。長年にわたる人文学の蓄積を感じられるのも魅力です。