専攻の特徴

  • 研究することがそのまま伝統を味わうこと

    POINT01

    本学の博物館と図書館には仏教関連の典籍や書画が多数収蔵されており、その中には日本の史料はもちろん、中国の漢代以降の歴史・思想・芸術等を語る上では欠かせない、世界的にも貴重な文化財が含まれています。仏教文化専攻では、こうした東アジア古来の史料を直接活用して研究を行い、伝統文化の豊潤さを存分に堪能することができます。

  • 仲良く対立——歴史と文学のふしぎな関係

    POINT02

    〈聖と俗〉は一見明解な二項対立のようですが、実は混沌とした流動的な関係にあります。どの時代・どの地域にも見出すことのできる〈聖と俗〉。しかし両者は競合・協働・融和をくりかえし、そのことで自ら変化しつつ自己証明もしている不思議な存在です。この不思議な存在の不思議な関係は、〈事実と物語〉にも〈歴史と文学〉にも重なりそうだ。そう気づいた人は、一足飛びに仏教文化専攻の核心に肉薄しているといえます。

  • 京都の立地と環境をフル活用

    POINT03

    仏教文化専攻の研究は多様な文献の精密な読解を基盤としますが、それに終始するわけではありません。寺社仏閣を訪れてその建築・庭園・仏像仏具を調査したり、文学作品成立の背景を実地に踏査したりする作業も、時に研究には必要です。古くから政治の中心に位置し文化の第一線に立ってきた京都は、こうした研究環境の点でも多くの利点を擁しています。奈良・大阪・滋賀へのアクセスの良さ、伝統と前衛との共存共栄、国際交流の意欲的な試み等、いずれもこの利点といえるでしょう。

修士課程

日本文化・東洋文化・西洋文化の3領域に分かれ、歴史学と文学の手法による文献読解を中心に、総合的な研究に取り組む。

日本文化・東洋文化・西洋文化の3領域からなる仏教文化専攻では、アジア諸地域の仏教に関わるさまざまな事象からテーマを見出し、歴史学研究と文学研究の手法を用いて、古代から近代にわたる文献読解を中心に据えて総合的な研究に取り組んでいます。
本学は、日本と東洋の歴史・仏教史・文学等を対象とする特色ある個別研究を展開してきた長い伝統を持っています。また現在は、「専攻交流演習」といった専門の異なる者同士が相互に学術的刺激を与え合う機会を設けています。こうした個の〈学〉や交流の〈学〉によって、学生たちは広い視野を獲得するとともに自らの資質や適性を客観的に認識するようになり、研究者としての能力を向上させるばかりでなく、優れた社会人に必要な幅広い教養・しなやかなバランス感覚・鋭い洞察力等をも身につけていくのです。
グローバルな視点からの研究も必要とされる現代であるからこそ、日本人が基盤とするアジアの文化を、仏教の視座から改めて問い直していくことも重要です。そのため西洋文化との比較研究や、異文化交流を対象とする研究にも積極的に取り組んでいます。

博士後期課程

より高度な知識と豊かな教養を身につけ、研究者としての資質の活性化を図り、高度専門業務に必要な技能と思考力を養う。

博士後期課程では、自己の研究方法や研究態勢をさらに確かなものにすることが求められます。研究方法とは、いうまでもなく修士課程で培った精密な文献読解に基づくものです。学生はより広範な知識と強靱な思考力を身につけ、自立した研究者に必要な能力はもちろん、高度な専門業務に携わる者に必要な研究能力も修得しなければなりません。その上で、博士論文を作成することが最終の目標となります。
博士論文には、課題究明の独創性と研究水準の高さとが求められます。仏教文化という非常に広い視野に立脚しての自らの研究態勢の確立は、困難な課題と思われるかもしれません。
しかし、本専攻には古代から近代にわたる歴史学と文学の教授陣が揃っていますから、学生は個別の演習(ゼミ)で教授から真摯かつ細緻な指導を受けることができ、また本学の特徴の1つでもある合同の演習では、歴史学の研究者と文学の研究者が一堂に会して自由に討論を行うので、さまざまな視点からの発想や思考を存分に吸収することができます。
博士後期課程では、学会や研究会等への参加によって本学以外の研究者との交流も生じます。特に多くの大学の集中する京都では大学間の人的交流が盛んです。本専攻に関していえば、仏教系大学との連携に大きな可能性が認められます。研究発表、討論、共同研究といった経験を積み重ね、他の研究者との切磋琢磨の日々を通して、学生は自ずと成長し、博士論文完成へ着実な歩みを進めることになるのです。

 

領域紹介

  • 日本文化領域

    仏教は〈日本〉や〈日本人〉の成立と不可分の関係にありますが、この関係の内実や仕組みは多様かつ複雑です。本領域では、仏教が日本文化の形成にどのように関わってきたかを、古代から近代までの文献読解を基盤として、歴史学研究と文学研究の両面から探究します。

  • 東洋文化領域

    本領域では、過去も現在も日本と深く結びついている東アジアの諸相を、広く研究対象とします。なかんずく仏教が東洋文化の形成にどのような影響を与えてきたかを、古代から近代にわたる文献読解を基盤として、歴史学研究と文学研究の手法を用いて考究します。

  • 西洋文化領域

    本領域では、グローバルな観点から物事を考えることが求められる現代の特性に鑑み、種々の比較文化研究や異文化交流等も活用しながら、仏教がアジア文化と西洋文化の形成にどのような影響を与えてきたかを、歴史学研究と文学研究の手法を用いて追究します。

最近の修士論文題目(抜粋)

  • 平安時代の法隆寺の動向
    —「夢殿」と道詮をめぐって—
  • 奈良時代の阿弥陀信仰
    —宮廷女性をめぐって—
  • 仏舎利納入の生身仏像
    —五輪塔型舎利容器を中心に—
  • 在地社会における民衆と宗教儀礼
    —『今昔物語集』を素材として—
  • 平安貴族邸第論
  • 日本古代における天文観
    —国史を通して—
  • 聖武朝の宮都と仏教
  • 日本古代・中世前期における人身売買
  • 平氏政権末期における政治と宗教
    —平宗盛の動向を中心に—
  • 明治初期の真宗大谷派と琉球処分
  • 大逆事件と神戸平民倶楽部
  • 真宗大谷派の台湾布教の研究
  • 三重県水平運動史論
    —『愛国新聞』を中心に—
  • 真宗大谷派における朝鮮布教の変遷
  • 勅撰和歌集の修辞技法についての一考察
    —『古今和歌集』と『千載和歌集』を中心に—
  • 『栄花物語』における宮廷女性の死の考察
    —死の様相と哀傷歌—
  • 中国古代思想における天と人の関係
    —董仲舒の災異思想を中心に—
  • 17~18世紀における清朝の海上交通管理


最近の課程博士論文題目(抜粋)

  • 中世権門寺院における正統性の構築と神
    —13世紀高野山における学侶の神祇思想を中心に—
  • 奈良時代の官人社会と仏教
  • 日本古代在地社会の研究
  • 戦国期美濃地域本願寺教団史の研究
  • 災害宗教史研究序説
    —近代日本の地震と宗教—
  • 明治期仏教と初期社会主義
    —大逆事件に関係した五人の仏教者たちを中心に—
  • 『鈴鹿の物語』の編集と変容
  • 『発心集』構成研究
  • 奈良・平安期における始祖顕彰とその背景
    —藤原氏始祖鎌足を中心に—
  • 『今昔物語集』震旦部の出典研究
    —『三宝感応要略録』、『孝子伝』、『冥報記』を中心に—
  • 明初無祀鬼神祭祀政策の研究
  • 魏晋南北朝期の尼僧と仏教受容の研究
  • 西晋楽府歌辞研究
  • 先秦墨家集団研究

仏教文化専攻 教員一覧(2021年度)

日本文化コース

  • 國中 治 教授

    【研究領域・テーマ】
    日本の近現代詩/大正・昭和の文学

  • 東舘 紹見 教授

    【研究領域・テーマ】
    日本仏教史(古代・中世)/「国風文化」/社会と仏教/浄土教史/講会

  • 福島 栄寿 教授

    【研究領域・テーマ】
    日本近現代史/思想史/宗教史

  • 宮﨑 健司 教授

    【研究領域・テーマ】
    日本古代史/日本古代宗教史/正倉院/正倉院文書/写経/光明子/聖武天皇/大学博物館

  • 佐藤 愛弓 准教授

    【研究領域・テーマ】
    日本中世文学/説話文学/仏教文学

  • 中川 眞二 教授

    【研究領域・テーマ】
    近世国文学/仮名草子/国語教育

  • 平野 寿則 教授

    【研究領域・テーマ】
    日本近世史/仏教史

東洋文化コース

  • 乾 源俊 教授

    【研究領域・テーマ】
    中国文学/中国古典詩/唐詩/李白

  • 浦山 あゆみ 教授

    【研究領域・テーマ】
    中国語・中国文学/漢語音韻/字書

  • 松浦 典弘 教授

    【研究領域・テーマ】
    中国史/仏教/石刻史料