国文学概論

前期では、和歌から連歌、俳諧、そしてドラマ(小説)へと展開していく文学の主流について、文化やその担い手、政治との関わり、宗教や思想といった、それらの文学作品が生み出した土壌(時代背景)とともに、体系的に考えます。
後期では、江戸時代の文化の担い手である庶民が求めた文学の主流となったドラマ(小説や戯曲)について、「笑い」・「恐怖」・「恋愛」といったテーマに分けて概観していきます。また、現代に受け継がれるさまざまな古典芸能についても触れます。

中国文学概論

前期では、詩歌の歴史的展開について学びます。詩歌の発生と展開のあとを、それを可能にした条件とともに理解し、それらがどのように整理されて現在のわれわれに伝わっているのか知識を得ます。以上をとおして、文化遺産の発生と伝播の過程について考えます。
後期では、文語文、及び口語文の歴史的展開について学びます。文語文、及び口語文の発生と展開のあとを、それを可能にした条件とともに理解し、それらがどのように整理されて現在のわれわれに伝わっているのか知識を得ます。以上をとおして、文化遺産の発生と伝播の過程について考えます。

現代文芸概論

この授業では、詩と小説を中心として文学のさまざまな面について考えます。現代日本の文学だけではなく、外国文学や古典文学も取り上げ、文学を多角的に理解することを目指します。
外国文学で特に重点を置くのは、19世紀のロシア文学と20世紀のラテンアメリカ文学です。これらは日本の近現代文学(詩と小説とを問わず)に大きな影響を与えているからです。
小説の方法としては、意識の流れ・マジックリアリズム・メタフィクションなどの理論を学ぶとともに、それらの実践例を通して文学表現の多様性と可能性を考えます。書簡体小説や枠物語などの意味と役割についても考えます。
日本の近現代詩については、日本語の特質との関連において、また短歌・俳句との関連において、さらに小説・紀行・私記との関連において、理解と考察を深めます。

文藝塾講義

この授業では基本的な文章力があることを前提として、言葉を広く効果的に伝える実践的な方法を各分野の専門家より学びます。読者に選ばれる文章を作り上げる際に何を意識すべきか、何が必要なのかについて、プロの現場からの意見を聞きます。
講義はリレー形式により、外部講師の招聘も予定しています。
前期開講の「文藝塾講義1」では主に出版・編集・ライターなどの仕事について学び、後期開講の「文藝塾講義2」では主に作家をゲストとして招き、文藝作品執筆のノウハウを学びます。
講義科目ですが、一部演習も含まれます。

国語学概論

言葉をめぐる多様な課題を考究するために必要な基本的学識を教授し国語研究の共時的・通時的方法を理解することが本講の目的です。国語研究の着眼点として国語体系の諸単位を意識し、基本的単位を文と捉えることから分節的に細分化された単位を導き出し、それらを各項目として基礎的な術語と概念を説明するとともに、今日に至るまで受け継がれてきた国語の変遷を視野におさめ、そのような研究の結果、すなわち学説の意義について考察します。取り扱う諸単位(項目)は、音韻すなわち単音・音節(拍)・アクセント、文字、意義すなわち形態素・語、文、です。