学術研究

真宗総合研究所

真宗総合研究所は、真宗あるいは仏教の立場から諸学問を総合することと、仏教を通した国際的な学術交流を推進することを基本的なテーマとしています。
 
特殊化・細分化され、拡散していく学問研究が、ともすると非人間化しかねない現代にあって、真宗総合研究所は、人間のための学問、人間を成就する研究の実現を使命としています。そして、真宗あるいは仏教の立場から諸学問を総合し、学術研究を「人間のこと」として成立させることを目指します。
 
本学の教育・研究の基盤は浄土真宗にあり、各学部各学科や短期大学部などの各分野においても、真宗を基盤とした教育・研究がなされています。そうした現状の上に、さらに本研究所が設置され研究活動を展開するのは、各分野ごとの垣根や枠組みを取り払い、本当の意味での真宗による諸学問の総合化を果たすためです。各学部各学科の教員がプロジェクトごとに集まって共同研究することにより、真宗を基盤とする学問研究がより明確な形となって具体化されるだけでなく、その研究成果が各学科にフィードバックされることも期待されています。
 
また、海外の研究機関との共同事業も活発で、共同プロジェクトの実施や、共同学会・シンポジウム・公開講演会の開催にも積極的に取り組むほか、客員研究員として研究者を迎えるなど、仏教研究を軸とした、国際的な学術交流を展開しています。
これらの研究成果は、『真宗総合研究所研究紀要』や『研究所報』、研究叢書などの真宗総合研究所の出版物として公開されるほか、出版社を通じての出版も積極的に進めています。

真宗総合研究所東京分室

2016年4月、親鸞仏教センター(東京都文京区湯島)内に、真宗総合研究所東京分室を開室しました。真宗総合研究所東京分室は、本研究所の設置目的にもとづき、本学が社会に対して責任を有する研究分野において、若手研究者に研究機会と環境を提供します。「現代と自分がどうかかわるか」「現代で自分はどう生きていくか」を根幹とした研究テーマを持ち、ともすると専門分野の研究者にしか通じない言葉で語られがちな研究成果を、一般の方々に理解される言葉で語ることのできる次代の研究者の育成をはかります。
真宗総合研究所東京分室では、室長及びPD研究員による研究活動を遂行しています。この研究活動は、PD研究員による個人研究のほか、室長とPD研究員による「宗教と社会」をテーマとした共同研究を行っています。

東方仏教徒協会(EBS)

2017年4月、真宗大谷派が運営を担ってきた東方仏教徒協会(Eastern Buddhist Society/EBS)の全事業を本学に移管しました。東方仏教徒協会は、1921年に、真宗大谷派の全面的な支援のもと、鈴木大拙、佐々木月樵、赤沼智善らにより設立されました。仏教、とりわけ大乗仏教は、当時の西洋ではあまり知られておりませんでした。そのようななか、本協会は仏教本来の意義を欧米に伝えることを主な目的として発足しました。本協会では、設立当初より英文雑誌『The Eastern Buddhist』の出版を、また近年では公開セミナーや公開講演会の開催を通じて、仏教研究の成果の公開を行っています。

学会活動

大谷学会

本学の教員と文学部、大学院、短期大学部の全学生が加入し、本学における学術研究の中心機関として運営されています。また、研究成果を広く公開するために、学術誌として
『大谷學報』(年2回)、『大谷大學研究年報』(年1回)を発行し、春に大谷学会春季公開講演会を、秋に大谷学会研究発表会を開催しています。『大谷學報』は、1920(大正9)年に創刊された『仏教研究』を1928(昭和3)年に改題したものとして発行を続けており、また『大谷大學研究年報』は、1942(昭和17)年の創刊から発行しています。

学内諸学会

 各学科、専攻、コースごと、あるいは専門領域を越えて組織されている学会で、教員、学生が一体となり、研究会、例会、調査、史蹟踏査、一夜研修会、公開講演会など、多彩な活動を行っています。また、学術誌として『親鸞敎學』『佛敎學セミナー』『哲學論集』『宗教学会報』『大谷大学史学論究』『歴史の広場』『文藝論叢』『西洋文学研究』『英文学会会報』などが刊行されています。

学位授与

本学博士後期課程においては、学位授与の円滑化をはかるため、在学中に博士論文を提出し学位を取得できるよう、2009年度入学生から研究指導体制を改訂し、博士論文作成に向けての研究支援を行う様々な体制が整備されています。

研修員制度

特定の研究課題のもとに、本学の専任教員を指導教員として研究指導を受け、一定期間、本学で研究できる研修員制度があります。研修員には、公共団体や、他からの研究機関の委託に基づく「委託研修員」と、個人の希望に基づく「一般研修員」とがあります。