教員紹介
先生のA面・B面
何を学ぶか。そして、志を持つ「だれ」と学ぶか
仲間や先生との出あいが、本当の意味で人の生き方を「自由」にする

ドイツ帝国海軍を題材に、現代の紛争や社会問題のルーツを探ります。歴史研究の醍醐味や、「非日常」を演出する旅と音楽、「今いる場所」を愛する大切さなど、主体的な成長を支える教育への思いとともに、前田先生の研究観・人生観に迫りました。

A.約150年前に誕生したドイツ帝国の海軍を研究しています。当時のドイツは海軍の強化に向けて、新しい人物の登用や法律の整備など、さまざまな政策を行いました。中でも海軍が、技術不足を補うために民間企業や大学の力を借りて、高品質な部品を集めようとした試みに注目しています。
A.実は、こうした軍隊と企業や科学機関の関係は、現代の戦争や紛争のニュースでも話題になっています。今も社会問題となっている軍隊を取り巻く社会や科学の状況がなぜ、どのように生まれ、変化したのかを、私はドイツ帝国を題材にして研究しています。
A.一番のおもしろさは、まだ誰も手をつけていない史料から「自分しか知らない過去の事実」をつかんだ瞬間です。そこから新たなつながりを見いだしたり、これまでの説とは違う別の解釈を文章に起こしたりする時間が歴史研究はおもしろいと思える瞬間です。全国から研究者が集まる研究会に出席して、お互いの成果をもとに刺激的な意見交換をするのも楽しさの1つですね。
A.そうですね、研究成果は日頃の授業にも反映して、常に最新の知見を伝えるよう心がけています。学生たちに新鮮な驚きを与えられますし、そこから返ってくるリアクションを見るのも、研究を続けているからこその楽しみと言えますね。
A.学生たちの成長を感じるのは、彼・彼女らが自発的に何かに取り組み、向きあうことができるようになったときです。大学の学びは、自ら進んで調べ、考えることが必要で、卒業論文はその集大成と言えます。私たち教員はあくまで相談役です。学生たちに研究の方法を指導することはできますが、自分の関心に向きあえるのは学生本人しかいません。学生たちがそれを自覚し、自ずと図書館やフィールドワークへ向かう姿を見ると、「もう大丈夫だなあ」と本当にうれしくなりますね。
A.歴史学を学ぶと、「長い文脈を把握する力」や「社会を深く洞察する力」を身につけることができると考えています。自分の関心を土台に、過去のある時代と場所を設定し、史料から事実を明らかにしたうえで、再解釈していくのが歴史学です。史料と粘り強く対峙するために、何度も図書館へ足を運び、同時代の政治や経済、社会、文化に関するさまざまな情報を得て多角的に史料を検証するという、地道なプロセスの繰り返しこそが、社会を見通す確かな力を育ててくれます。
A.こうした作業で得られる知識は、教員や学芸員をめざすうえで直接役立ちます。しかし、先ほど述べた研究のプロセスで身につく力はどんな職業にも通じるものです。特定の場所と時代、物ごとの特徴を理解し、史料(データ)に基づいて徹底的に考え、洞察する能力は現代社会のどんな業種や企業でも求められる力です。歴史学の学びは、将来どこに行っても生きてきますよ。
A.今のテーマに関心を持ったのは、大学第2学年のときに受講した授業がきっかけです。当時は軍隊を、何だか社会と切り離された特殊な機関だと思っていました。しかしその授業の中で描かれていたのは、社会や経済、文化と深く関わる軍隊の姿でした。当時の私にはそれが新鮮で、「軍隊と社会」の歴史が持つおもしろさに、すっかり魅せられてしまいました。
A.音楽が仕事の合間のリフレッシュに欠かせません。今でもよくポップスから流行りのデスコア(※)まで幅広いジャンルの音楽を聴いています。他には旅行や、美術館・博物館などへもよく出かけます。少し前にはマルタ共和国に行き、騎士団長の宮殿を訪れました。音楽も旅行も、自分にとって「非日常」の空間に身をおくことで、日々の鋭気を養っている気がします。
※デスメタルとメタルコアを融合させた、非常に重く激しい音楽ジャンルの一つ
A.「置かれた場所で咲く」が、座右の銘です。これまでさまざまな場に身を置いてきましたが、全てが第1希望だったわけではありません。でも、希望がかなうまで場所を変えるより「今いる場所」という事実を大事にして、そこで何ができるかをじっくり考える方が、私の性にあっていると思います。人の先頭に立つか、裏方に徹するかなど、自分にあった「咲き方」を探しながら、置かれた環境でベストを尽くしていくスタイルが私にはあっていますね。


前田 充洋 講師
文学部 歴史学科
【専門分野】
近代ドイツ史/日独関係史/ドイツ企業史/広義の軍事史
【研究領域・テーマ】
交渉史/対日事業/グローバリゼーション/軍産複合体
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