研究内容

ドイツ連邦共和国の文書館に所蔵されている軍隊や企業の史料を読み、19世紀末から第一次世界大戦に至るドイツの社会経済について研究しています。史料からは、「こんな製品がほしい」「価格を下げてほしい」「うちの製品も検討してほしい」等、互いの主張を読み取ることができます。このような交渉をのぞき穴にして、軍隊と社会経済の間に生じる関係のでき方を研究しています。ドイツ企業の対外輸出にも関心があり、特に日本への製品の売り込みについても研究しています。

ゼミ紹介

ドイツを中心に、特にヨーロッパ大陸における歴史を学びます。ヨーロッパにおける政治・経済・文化の歴史に加えて、非ヨーロッパ圏との交流についても考えていきたいと思います。
授業では、ヨーロッパ史に関する文献を読み解き、その上で自らテーマを決め、史資料を読み解いて、自ら研究を進めていく力を参加者の皆さんに身に付けていただきたいと思います。これが卒業論文を執筆するための力になります。 

主な担当授業科目

歴史学演習/西洋史講義/史学概論

所属学会

日本西洋史学会/社会経済史学会/クラウゼヴィッツ学会/世界史研究会/ドイツ現代史研究会

経歴・活動歴

経歴

奈良県生まれ。大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位修得退学。在学中、ビーレフェルト大学(ドイツ連邦共和国)に留学。博士(文学)。大阪市立大学大学院文学研究科都市文化研究センター(UCRC)で研究員として研鑽を積みつつ、大阪市立大学、福井県立大学、神戸学院大学で教える。

活動歴

ドイツ現代史研究会 事務局長 など。 

主要著書・論文

共著

  • 『はじめて学ぶドイツの歴史と文化』(ミネルヴァ書房、2020年、「第12章担当」)

論文

  • “Public Relations Exercises of Firma Krupp in Japan at the End of the 19th Century: The Shooting test and Nichi-Doku-Kōgyō-Kōkoku”
  • 「駐日軍事技術代理A. シンツィンガーの活動——クルップ社の対日事業の一側面——」
  • 「19-20世紀転換期における対日製品供給をめぐるドイツ企業間の交渉——装甲巡洋艦「八雲」をめぐるドイツ企業間の交渉——」
  • 「ドイツ海軍への製品供給遅延をめぐるクルップ社の奔走——1898~1900年における大砲管轄部の応対から——」
  • 「ヴィルヘルム二世治世下ドイツにおける海軍とクルップ社の関係——装甲板価格の設定交渉過程の分析から——」