コロナによる活動制限のために、例年に比べて現場に出るのが遅かった坪田さんは、現在、それを取り戻すかのように充実した実習体験を重ねています。保育園、幼稚園、助産院など、多様な保育の場に赴いて、授業で習ったことを目の前で体感し、足りなかったことに気づき、反省をして次の機会に生かすという学びのサイクルを上手に活用しています。子どもと保護者に安心してもらえる保育ができるよう、着実に力をつけています。

02 保育者になりたい気持ちは変わらない

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川北:授業はどうですか?
 
坪田:2年生の図画工作(幼)の授業で、乳児用のおもちゃを作ったのが楽しかったです。手作りのおもちゃに興味があって、実習に行った時も、実際に園で使われているおもちゃを、授業で学んだことをふまえて見るようになりました。
 
川北:それは成長やね。幼児教育コースの強みは、1年生から現場に出られるっていうことだけど、坪田さんたちはコロナでそれができなかった学年なんだよね。でも今は、それを取り戻すような学びができていると思います。今は実習にも行き始めているので、実際の授業と現場での体験がリンクするっていうのがだんだんわかってきているんじゃないかな。もちろん子どもは可愛いけど、それだけじゃなく理論でも子どものことがわかってくるっていう時期だと思います。実習は保育園に2回、幼稚園に1回行ったわけだけど、どうでした?
 
坪田:保育園と幼稚園は全然違うなって感じました。幼稚園の方が学校っぽいなって思いました。
川北:いろんな園があるからね。小学校はどこの学校に行っても同じようなことをやるけど、保育や幼児教育は本当に園によってさまざまなので、まだ3つくらいの園にしか行ってないけど、それでも違いは分かったよね。今まで実習に行って、こういう保育をしたいなっていうのはあった?
 
坪田:保育者同士が子どものことを報告し合ってる様子を見て、子どもとの関わりだけじゃなくて、環境とか周りのことも考えられる保育者になりたいなって思いました。
 
川北:1年生のときに漠然と思っていた保育者の姿が具体的になってきたって感じかな。保育者になろうと思う気持ちは変わらなかった?
 
坪田:はい、ずっと変わらないです。保育者になりたいって思ったのは、中学校で3日間の職場体験に行ってからです。そこで保育士の魅力を感じて、それからずっと将来の夢になっています。
 
川北:そうなんだね。保育実習は、京都と、坪田さんの地元の福井でやったけど、違いはあった?
 
坪田:京都の時は乳児のクラスで、福井では幼児のクラスだったので、その違いはありました。福井では家から通ってたので、その楽さはあったんですけど、地域の違いっていうのはあんまり感じませんでしたね。でも福井の自然は良いなって感じてて、実習でも、園庭が大きいところが多くて、自然との触れ合いは結構あったかなって思います。
 
川北:京都の街中の園だと、園庭がないようなところもありますからね。就職は、地元で考えてる?
 
坪田:まだ悩んでます。どうやって決めていこうかと思って。
 
川北:保育の就職は一般の企業に比べたら遅く始まるので、4年生になってから決めていっても良いよ。キャリアセンターでしっかりサポートはしてくれるだろうけど、地元の情報はこの冬くらいから頑張って集めるといいかもしれないですね。まあ妹さんもいるから、もう少し京都にいてもいいかもしれないね。
坪田:そうですね。妹はまだいて欲しいって言いますけど。1人暮らしは無理って(笑)。
 
川北:福井にするのか京都にするのか、幼稚園にするのか保育園にするのか、これから考えることはいっぱいだね。

PROFILEプロフィール

  • 川北 典子

    教育学部 教育学科 教授



    京都府生まれ。1985年京都女子大学大学院家政学研究科児童学専攻修了。龍谷大学短期大学部社会福祉科講師、関西保育福祉専門学校講師、平安女学院大学短期大学部教授を経て、2018年大谷大学教育学部教授。
    研究内容については、次の2つ。
    (1)関西圏の児童文化財について、主に明治以降の歴史を辿り、現代の子どもの文化に活かす方法を考えてきた。具体的には、絵本・児童文学・玩具・紙芝居・人形劇を研究領域としている。
    (2)絵本や玩具等の児童文化財を有効的に活用した子育て支援学の構築を考えている。子どもや若者も含めて、現在支援される人々が、今後支援する側に廻っていけるような循環型の支援の仕組みをつくっていきたいと思っている。



  • 幼児教育の現場に出られる体験学習の多さに惹かれ大谷大学を受検したが、1年生の時はコロナ禍による活動制限のため、実際に現場に出られたのは例年よりも遅かった。その遅れを取り戻すかのように、現在、充実した実習体験を重ねている。
    保育園、幼稚園、助産院など、多様な保育の場に赴いて、授業で習ったことを目の前で体感し、足りなかったことに気づき、反省をして次の機会に生かすという学びのサイクルを上手に活用している。将来は、子どもと保護者に安心してもらえる保育士をめざす。