コロナによる活動制限のために、例年に比べて現場に出るのが遅かった坪田さんは、現在、それを取り戻すかのように充実した実習体験を重ねています。保育園、幼稚園、助産院など、多様な保育の場に赴いて、授業で習ったことを目の前で体感し、足りなかったことに気づき、反省をして次の機会に生かすという学びのサイクルを上手に活用しています。子どもと保護者に安心してもらえる保育ができるよう、着実に力をつけています。

04 実習で自分を成長させていく

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川北:実習先で受け持った園児さんは何人でしたか?
 
坪田:20人のクラスだったんですけど、休む子もいたので、17人くらいでした。
 
川北:17人を1人ひとりを見ていくのはなかなか大変だね。
 
坪田:はい。すごく難しかったです。
 
川北:実習に行って、保育の仕事ってやっぱりいいなって思ったことはありますか?
 
坪田:子どもの、前できなかったことが何かのきっかけでできるようになる瞬間を見られるのは、やりがいがある仕事だなって思います。例えば、給食で好き嫌いがある子がいて、私が実習に行った時も嫌がるものがあったんですけど、保育者の方に聞いたら、4月はもっと食べられないものが多かったって言ってて。だんだん食べられるようになってきてるんだなって思いました。周りの環境の違いで成長していく姿を身近で見られる、っていうのが保育者になりたいなって思う理由ですね。
川北:子どもたちが、昨日できなかったことが今日はできるっていう姿を、親より先に知れたりするからね。でも保育の仕事って命を預かってる仕事だし、やりがいもあるけど学んでおかなきゃいけないこともたくさんあって。世間の人が思うほど簡単な仕事じゃないよね。坪田さんはコロナの影響で延期になった施設実習がまだ残ってますよね。
 
坪田:はい。次は5月です。
 
川北:実習では、現場で実際に先生たちの動きを見せてもらえることはもちろん、挨拶にしても、昼になっても「おはようございます」とか、バイトの時に使う言葉を使っちゃいけないとか、そういう社会的マナーも学べるというのはすごく大きいと思います。机の上の勉強も大事だけど、幼児教育や保育は実際に子どもと関わったりするところに大きな意味があるので、残りの実習を有効に使って、自分を成長させていく機会にしてくれたらいいなあ。仲良い友達はいる?
 
坪田:はい。実習で不安だったこととか、うまくできたことも共有したりしています。
 
川北:学生時代の友達って大事だよ。幼教の子たちは特に目指しているところが同じだし。本当はもうちょっと上下の学年とも一緒にできたら良かったんだけど、これからでもできればいいなと思っています。大学でネットワークを作っておくと、現場に出たときに「あそこの園にあの先輩がいる」っていうのが力になる時があるんですよ。幼教の人たちはほとんどが現場で働くので、そういうネットワークを学生のうちに作っておくといいと思います。そこをもっと強いパイプにしていくことを、私たちも考えています。

PROFILEプロフィール

  • 川北 典子

    教育学部 教育学科 教授



    京都府生まれ。1985年京都女子大学大学院家政学研究科児童学専攻修了。龍谷大学短期大学部社会福祉科講師、関西保育福祉専門学校講師、平安女学院大学短期大学部教授を経て、2018年大谷大学教育学部教授。
    研究内容については、次の2つ。
    (1)関西圏の児童文化財について、主に明治以降の歴史を辿り、現代の子どもの文化に活かす方法を考えてきた。具体的には、絵本・児童文学・玩具・紙芝居・人形劇を研究領域としている。
    (2)絵本や玩具等の児童文化財を有効的に活用した子育て支援学の構築を考えている。子どもや若者も含めて、現在支援される人々が、今後支援する側に廻っていけるような循環型の支援の仕組みをつくっていきたいと思っている。



  • 幼児教育の現場に出られる体験学習の多さに惹かれ大谷大学を受検したが、1年生の時はコロナ禍による活動制限のため、実際に現場に出られたのは例年よりも遅かった。その遅れを取り戻すかのように、現在、充実した実習体験を重ねている。
    保育園、幼稚園、助産院など、多様な保育の場に赴いて、授業で習ったことを目の前で体感し、足りなかったことに気づき、反省をして次の機会に生かすという学びのサイクルを上手に活用している。将来は、子どもと保護者に安心してもらえる保育士をめざす。