お寺の息子に生まれたという「きっかけ」を生かして谷大にやってきた岡田君は、友達や先生にも恵まれ、楽しい毎日を過ごしています。先生と話していても、即座に自分の言葉で返答ができるのは、普段からいろいろ考えている証。コロナ禍の中でも「得られるもの」に喜びを見出し、価値あるものへと認識を変えていく姿勢は、先生をして「偉い」と言わしめるほどです。岡田君が、「学ぶと人に優しくなれる」という真宗学をどう追究していくのか、今後の探究に注目です。

07 気軽に仏教の話ができる場所がある

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一楽:仏教教育センターは利用したことある?
 
岡田:はい、何回も。加来先生のクラスとか、藤元先生のクラスでも使いました。辞書をひいて調べなさいっていう課題で。携帯ならすぐにでも調べられるんですけど、長い時間をかけて調べたことって、結構定着するなと思って。こういう所に来て辞書で調べるっていうのが記憶に定着しやすいなら、もっと利用しようかなって思います。東本願寺のホームページとかにも大抵の言葉は載ってるんですけど、困ったときにここに来ればいいっていう所があるのは心強いです。
 
一楽:本というのは、僕らに先立って悩んでくださった結晶やからね。ここには先生もいてくださるし。
 
岡田:はい。「こういう調べ方をすると出てくるよ」とか気軽に教えてくださるんで、勉強する人は、ぜひ利用してほしいですね。仏教学科や真宗学科はもちろん、「人間学」の授業とかでも仏教の学びをするので、他学科の人も。すごく有意義な時間になると思います。
一楽:大学では領域を越えた学びができるので、いろいろなところに顔を出してほしいと思います。まあ、勉強の用途としては総合研究室もあるけどね。総合研究室は学科を越えて出会える場所として開かれているんだよね。助教の先生がいて、専門のことを聞ける。仏教教育センターは仏教教育に特化してて、仏教関係のことに興味を持って勉強する人が来る。うちは僧侶の資格を取る人もたくさんいるから、それ関係の資料もたくさんあるんですよね。儀式のこととか。
 
岡田:僕は総合研究室にはあんまり行ってないです。「センター」っていうのは「研究室」っていうより入りやすいような気がします(笑)。ここは物理的にも距離が近くて、学生と先生の距離が近いっていうのは本当にいいですね。
 
一楽:ここは気楽に入れるかもね。あと、みんなが帰省した際のお土産とかも置いてってくれるんですよね。お弁当とかも食べていいんですよ。携帯電話の使用はダメだけど。みんなが気楽に寄り集まって仏教の話ができると良いなあと思ってるのでね。ぜひ使ってください。

PROFILEプロフィール

  • 一楽 真

    文学部真宗学科 教授



    1957年石川県生まれ。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、大谷大学教授。
    研究のテーマは「親鸞の仏弟子論」。仏教はどのような生き方を人間に開くのか、それを親鸞の生涯と思想を通して尋ねることを目的としている。方法としては、親鸞がどのようにこの世を見つめ、どのように人間の問題を捉えていたかを、『教行信証』をはじめとする親鸞の著作を通して明らかにしていく。あわせて、親鸞を生み出した歴史と、その時代についても考察を加えていく。



  • お寺の息子に生まれたが、元々好きな分野は理系だったため、大谷大学を受験するつもりはなかった。しかし将来自分にしかできないことを考えると、自分の境遇を生かしてやってみようかと思うようになり、ギリギリまで考えた末、受験を決意した。
    先生と話していても、即座に自分の言葉で返答ができるのは、普段からいろいろ考えている証。コロナ禍の中でも「得られるもの」に喜びを見出し、価値あるものへと認識を変えていく姿勢で、「学ぶと人に優しくなれる」という真宗学をどう追究していくのか、今後の探究に注目。