小さな頃から実家のお寺を継ぎたいと思ってきた高嶋さんは、その夢を叶えるべく真宗学科に入学を果たしました。周りにはお寺出身の人も多くて楽しく過ごせる半面、クラスメイトの多くが元々お寺を継ぐことは考えていなかったということを知り、自分との違いに驚きます。
いずれお寺を継ぐ日のために、寮の仲間に助けられながら、親鸞聖人や法然上人についてじっくり学び、研鑽を積んでいます。

01 小さい頃からブレることなく真宗学科一択

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本明:北海道の出身なんだよね?京都の気候には慣れましたか?
 
高嶋:京都の冬も寒いですけど、北海道と比べると、京都の方が全然ましだなって思います。でも夏は本当に暑くて死んでました。北海道では30度までいくことが滅多にないので。
 
本明:大谷大学に進学しようっていうのはいつ決めたの?
 
高嶋:中学の頃からずっと、大学は大谷だって決めてました。家がお寺で私は三女なんですけど、小さい頃からずっと私がお寺を継ぎたいって言ってたので、親も応援してくれてて。父も大谷出身なので、大谷に行くぞって思ってました。学科も真宗学科一択でした。
本明:それはすごいですね。大学に入る前と入った後と、イメージはどう?
 
高嶋:結構イメージ通りですね。真宗学科はお寺の子が多いので、クラスメイトもお寺の子っていうのが珍しくて楽しいです。
 
本明:三女なのにお寺を継ぎたいっていうのは、何かいいなって思ったことがあったの?
 
高嶋:何なんでしょうね。将来の夢が、幼稚園から一貫して「お坊さんになる」だったんです。きっかけは分からないんですけど、お父さんに憧れてとか、お経を読む空間が好きとか、そういう漠然としたものだと思うんですけど。でもブレたことはないですね。
 
本明:すごいね、それは。尊敬します。私の家もお寺なんだけど、将来の夢がお坊さんっていうことは一度もなかったから。私の場合は父親が早くに亡くなってるから、住職になるのも早くて。そうなるとご門徒さんとの関わりとか、良かったなって思うことはいっぱいあるけど、若い時は他のことをしたいなっていう思いが強くてね。
 
高嶋:私はずっとお寺でやっていきたいっていう気持ちだったんですけど、周りの子は先生のようにお寺を継ぐことを考えてなかったって言ってて、そういうもんなんだって逆にびっくりしました。
本明:お姉さんが2人おられるということだけど、どちらも継ぐとは言わなかったの?
 
高嶋:姉たちがお寺の行事に積極的に参加してるのを見たことがなくて。私は家にいるときは絶対に参加してましたから、なおさら私が継ぐ、って思うようになったのかもしれないですね。
 
本明:それはすごいね。実家のお寺は忙しいの?
 
高嶋:今年の夏のお盆は、毎日1軒とかだけなんですけど、昔から知ってるご門徒さんだけをお参りさせてもらいました。
 
本明:北海道だと、家と家の間隔も広いよね?
 
高嶋:そうですね。私は高校を卒業した時に車の免許を取ったので、車を貸してもらって、1人で運転してご門徒さんのお家にお参りに行ってました。
 
本明:そうか~。感心するわ。目標もはっきりしてるし、きっと学科の勉強にも身が入るね。

PROFILEプロフィール

  • 本明 義樹

    文学部 真宗学科 講師



    1972年京都府生まれ。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。大谷大学任期制助手、大谷大学聖教編纂室嘱託研究員、真宗大谷派教学研究所研究員、真宗大谷派聖教編纂室主任編纂研究員を経て、2021年大谷大学文学部着任。
    親鸞の思想形成の解明に取り組んでいる。特に親鸞が曇鸞浄土教をどのように受容し展開したのかを確かめるため、親鸞加点本や『教行信証』に引用される『浄土論註』の文を精読している。また『教行信証』の自筆本である「坂東本」を書誌的な視点からもアプローチし、最晩年に至るまでの思想深化の意義を明らかにしたいと考えている。



  • 実家のお寺を継ぐことが夢で、中学生の頃には大谷大学を受験することを決めていた。真宗学科はお寺出身の人も多いため楽しく過ごせる一方で、お寺を継ぐことは考えていなかったクラスメイトも多く、自分との違いに驚いた。
    入学する前は少し不安を抱いていた寮生活は、他の寮生ともすぐに仲良くなり、京都観光へ出かけたりする間柄。美味しいご飯に有り難さを感じながら、日々充実した大学生活を送っている。いずれお寺を継ぐ日のために、親鸞聖人や法然上人についてじっくり学び、研鑽を積んでいる。