お寺の息子に生まれたという「きっかけ」を生かして谷大にやってきた岡田君は、友達や先生にも恵まれ、楽しい毎日を過ごしています。先生と話していても、即座に自分の言葉で返答ができるのは、普段からいろいろ考えている証。コロナ禍の中でも「得られるもの」に喜びを見出し、価値あるものへと認識を変えていく姿勢は、先生をして「偉い」と言わしめるほどです。岡田君が、「学ぶと人に優しくなれる」という真宗学をどう追究していくのか、今後の探究に注目です。

02 オンライン授業でも友達ができた

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一楽:入試の前に大学に来たことは?
 
岡田:いえ、入試の時が初めてでした。思ってたよりきれいだなって思いました。父も通ってた大学なので、すごく古いのかなっていうイメージがあって(笑)。きれいな大学って、大学に来たんだって思いが強くなるので良いですね。
 
一楽:入試の時は、コロナで学生は誰もいなかったでしょ?今年は大変だったと思うよ。入学式もなかったしね。4月になってからは京都に来てた?
 
岡田:僕はギリギリまで実家にいました。説明会もあったんですけど、コロナだから新幹線に乗るのも怖いし、でも島根県の津和野なので、車でも片道6時間かかるから、結局説明会には出なかったんですよ。そうしたら学校から電話が来て、この授業は取っておいて、っていうふうに履修登録の仕方を教えてもらって。こういうことをしてくれるんだなって、すごくありがたかったです。
 
結局京都に来たのは、演習が始まる6月ごろです。その時にクラスの人にも初めて会いました。半分くらいでしたけど、1人でも友達と会えるっていうのは安心するなって思いました。4月からは実家にいたので実感がなくて。
一楽:大学生活の印象は?
 
岡田:前期がほとんどオンラインだったので、友達ができるかなとか、自分が勉強から取り残されているんじゃないかっていう不安はありましたね。でもオンラインの授業が終わった後に、他の人たちから「ちょっと話そうよ」みたいなことを言われて、オンライン上でも友達ができました。後期になって対面式の授業が始まるようになって初めて会った友達もいるんですけど、前期から一緒にやって来た仲間感がありました。
 
一楽:そういうふうに何人も友達ができたんだね。
 
岡田:そうなんです。おかげさまで、英語のクラスが同じ人とかは、学科が違っても知り合いになれたりして。
 
一楽:じゃあ大学は居心地がいい?居場所がある?
 
岡田:そうですね。オンラインの時は友達が作れなかったっていう人もいましたけど、僕はわりと最初から楽しませていただいています。みんなフレンドリーで良かったなって。

PROFILEプロフィール

  • 一楽 真

    文学部真宗学科 教授



    1957年石川県生まれ。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、大谷大学教授。
    研究のテーマは「親鸞の仏弟子論」。仏教はどのような生き方を人間に開くのか、それを親鸞の生涯と思想を通して尋ねることを目的としている。方法としては、親鸞がどのようにこの世を見つめ、どのように人間の問題を捉えていたかを、『教行信証』をはじめとする親鸞の著作を通して明らかにしていく。あわせて、親鸞を生み出した歴史と、その時代についても考察を加えていく。



  • お寺の息子に生まれたが、元々好きな分野は理系だったため、大谷大学を受験するつもりはなかった。しかし将来自分にしかできないことを考えると、自分の境遇を生かしてやってみようかと思うようになり、ギリギリまで考えた末、受験を決意した。
    先生と話していても、即座に自分の言葉で返答ができるのは、普段からいろいろ考えている証。コロナ禍の中でも「得られるもの」に喜びを見出し、価値あるものへと認識を変えていく姿勢で、「学ぶと人に優しくなれる」という真宗学をどう追究していくのか、今後の探究に注目。