お寺の息子に生まれたという「きっかけ」を生かして谷大にやってきた岡田君は、友達や先生にも恵まれ、楽しい毎日を過ごしています。先生と話していても、即座に自分の言葉で返答ができるのは、普段からいろいろ考えている証。コロナ禍の中でも「得られるもの」に喜びを見出し、価値あるものへと認識を変えていく姿勢は、先生をして「偉い」と言わしめるほどです。岡田君が、「学ぶと人に優しくなれる」という真宗学をどう追究していくのか、今後の探究に注目です。

04 コーヒーを飲みながら相談に乗ってもらえる

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一楽:リモートで授業を受けて、課題をやるっていうのはどうだった?
 
岡田:ものによるんですけど、どのクラスでも課題が出るので大変でした。先生方も少なくしてるとは思うんですよ。今回は400字、とか。でもそれが10クラス分あると大変で。リモートの時は、資料を読んで感想書いて終わりっていう授業もあれば、すごく面白い授業もありました。
 
一楽:仏教関係の授業は初めてってことだけど、面白いと思ったのは?
 
岡田:法然上人の生い立ちとかを習って、「大変な人生」って言ったら語弊があるかもしれませんけど、法然上人の大変な生き方を知って、すごく真宗学を学びたいなって思いました。
 
一楽:親鸞聖人のお師匠さんとしての法然上人の話だね。
 
岡田:はい。親鸞聖人の言葉は『歎異抄』とか『教行信証』でやるんですけど、その大元となるところから全部学んでいきたいなっていう気持ちが出ました。授業で、五木寛之さんの『親鸞』っていう本を薦められたんですけど、それを読んで、真宗学、仏教を学びたいなって思いました。親鸞の生涯を小説にしたもので、入りとしてはすごい、物語を読んでる気分になるので、入りやすいです。史実とは少し違うところもあるんですけど。
 
一楽:本は好き?
 
岡田:そうですね。1日1冊とまではいかないですけど、好きです。真宗系の本は大学に入ってから初めて読んだんですけど、今までは東野圭吾さんとか葉室麟さんとかをよく読んでました。本を読むのが、他の人にとってのゲームみたいな感じで。読書は、趣味の時間なのに勉強にもなってるみたいな感じです。
 
一楽:法然上人のところからやりたいっていうのは、やっぱり知りたいっていう気持ちに火がついたんやね。どんどんやって欲しいと思います。来年のコース選択についてはどう?
岡田:ちょうどさっき、加来先生とお話する機会があって、「コース選択で悩んでます」って言ったら、コーヒーおごってもらいながら、いろいろ伺えたんですよ。自分に合ったところのアドバイスをもらえたのも有難かったんですが、コーヒーを飲みながら一緒に話してもらえる、相談に乗ってもらえるっていうので、一気に気が楽になりました。この大学ならではと言うか、そんなことができるなんて思ってなかったので。大谷大学は学生を育てることを大事にしてるんだなってすごく思いました。
 
結局コースはまだ決めてないんですけど、判断材料を教えていただいたので、絞りやすくなりました。今は「思想探究コース」が気になっています。先生方も、僕の知りたいことに合ってるって仰ってくださってて。
 
一楽:まあ入り口が異なるだけだからね。聖教を読むことは同じです。

PROFILEプロフィール

  • 一楽 真

    文学部真宗学科 教授



    1957年石川県生まれ。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、大谷大学教授。
    研究のテーマは「親鸞の仏弟子論」。仏教はどのような生き方を人間に開くのか、それを親鸞の生涯と思想を通して尋ねることを目的としている。方法としては、親鸞がどのようにこの世を見つめ、どのように人間の問題を捉えていたかを、『教行信証』をはじめとする親鸞の著作を通して明らかにしていく。あわせて、親鸞を生み出した歴史と、その時代についても考察を加えていく。



  • お寺の息子に生まれたが、元々好きな分野は理系だったため、大谷大学を受験するつもりはなかった。しかし将来自分にしかできないことを考えると、自分の境遇を生かしてやってみようかと思うようになり、ギリギリまで考えた末、受験を決意した。
    先生と話していても、即座に自分の言葉で返答ができるのは、普段からいろいろ考えている証。コロナ禍の中でも「得られるもの」に喜びを見出し、価値あるものへと認識を変えていく姿勢で、「学ぶと人に優しくなれる」という真宗学をどう追究していくのか、今後の探究に注目。