お寺に生まれ、なんとなく自分が家を継ぐものだと思って真宗学を学びにやって来た佐々木君を迎えたのは、アメリカで仏教に出会ったConway先生です。仏教の教えによって救われた経験を持つ先生は、英語でもっと真宗を広めていきたいと考えています。以前から英語に興味があった佐々木君も、将来はそういう方面で働きたいと思うようになりました。毎日がとても楽しい寮生活を送りながら、さらに英語力を磨いていく予定です。

09 谷大にいながら研究をするのが一番いい

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佐々木:先生が日本に来て、イメージと違ったことはありましたか?
 
Conway:アメリカ人は日本に対して、固いというイメージがあるんですよ。何につけても。教育もものすごいカチカチの中で厳しくやるというイメージでしたから、ゆとりのある教育空間に少しびっくりしましたね。先生方が上から押し付けるような指導をせずに、わりとのびのびとやっているのを見て、イメージと違うなと思いました。みんながおとなしく行儀よくやっているというイメージがありましたけど、そうではない人もそこそこいますね(笑)。大学の中でも、日本社会の中でもね。
佐々木:アメリカには帰らないんですか?実家とか。
 
Conway:年に1回は帰ろうとしていますね。末っ子なので、母に帰って来て欲しいと言われるのでね。でも最近は仕事が忙しくて、帰っても3日とか。アメリカはクリスマス休暇がメインなんですけど、最近の日本の大学は12月24日まで授業があったりするので、なかなか帰れないですよね。
 
佐々木:先生はこれからも日本で生活していくんですか?
 
Conway:一応専任のポストですから、この大学にいながら研究をするのが一番いいですし、真宗について英語で語れる人を増やしたいということを考えると、ここで仕事をし続けることがベストなんだろうと考えます。まあ退職後のことは全然考えつかないですけど、職がある間はこちらにいると思いますね。妻も日本人ですから。今さら英語を習いなさいって言うのも結構酷ですよね。
佐々木:奥さんは英語はできるわけじゃないんですか?
 
Conway:ある程度はできますけど、不自由なくアメリカで過ごせるほどではないですね。でも僕も、いまだにお箸も操れないですし。もっと頑張らないといけないですね。
 
佐々木:はい、僕も頑張ります。

PROFILEプロフィール

  • マイケル コンウェイ

    文学部 真宗学科 講師



    1976年アメリカ合衆国イリノイ州生まれ。1997年ノースウェスタン大学卒業(歴史学専攻)。2009年大谷大学大学院博士後期課程満期退学。2009年大谷大学文学部任期制助教着任(2011年まで)。2011年博士号取得、東方仏教徒協会(The Eastern Buddhist Society)編集者着任(2015年まで)。現在、大谷大学文学部専任講師(真宗学)。
    親鸞の思想の背景を知るために、中国浄土教の祖師、とりわけ隋・唐代に活躍した道綽を中心に研究を進めてきた。また、親鸞の思想が現代にまでどのように展開されてきたかということを視野に入れ、曽我量深、金子大栄、安田理深に代表される真宗大谷派の近代教学者の研究にも取り組んできた。更に近年では真宗の教義と教学をいかに英語で表現すべきかという問題について考えており、鈴木大拙が英訳された『教行信証』を始めとして、親鸞の書物の英訳を比較し考察している。



  • お寺に生まれ、なんとなく自分が家を継ぐものだと思って真宗学を学ぶため大谷大学を受験。苦手な正座の訓練も兼ねて入った茶道部の活動に、毎晩が修学旅行の夜みたいと思えるほど楽しい寮生活に、充実した毎日を送っている。
    洋楽好きの親の影響で小さい頃から海外のバンド音楽をよく耳にしていたことをきっかけに英語に興味を持ち、将来は英語で真宗を広められる仕事をめざすことも視野に入れ、英語力を磨いていく予定。