お寺に生まれ、なんとなく自分が家を継ぐものだと思って真宗学を学びにやって来た佐々木君を迎えたのは、アメリカで仏教に出会ったConway先生です。仏教の教えによって救われた経験を持つ先生は、英語でもっと真宗を広めていきたいと考えています。以前から英語に興味があった佐々木君も、将来はそういう方面で働きたいと思うようになりました。毎日がとても楽しい寮生活を送りながら、さらに英語力を磨いていく予定です。

05 他の宗教を知ると、真宗はどう見えるか

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佐々木:僕、オープンキャンパスに来た時に、先生に質問したんですよ。真宗学科の国際コースは、どれくらいの英語力がいりますかって。
 
Conway:本当?で僕は「学ぶ意欲があれば十分」っていうことを言ったんじゃない?
 
佐々木:いや、違います。できたらできるだけいいって(笑)。
 
Conway:そうか(笑)。できたらできるだけいいんだけど、できなくても意欲があればやっていけるんだよ。意欲が大事です。先週コースの説明会がありましたけど、コース選択はどう思ってますか?
 
佐々木:大学入る前から国際コースに入ろうと決めてました。
 
Conway:国際コースのどこが魅力?
 
佐々木:他の宗教を見て、そこからの真宗がどんなものかっていうのを知りたいと思って。他の宗教と比較して浄土真宗が何かっていうのに関心があったので。
 
Conway:そうですか。国際コースの授業の中でも、Domingos先生の授業では真宗と諸宗教をテーマに論じますし、海外研修の時に、イスラムのモスクとか、キリスト教の教会とかに行ったりしますので、そこで面白い話が聞けますよ。
 
国際コースの学びの内容は、演習が中心になりますね。『歎異抄』をメインに読んでいって、発表者を決めて『歎異抄』の現代語訳をして、英語になっているものを和訳して、授業でそれを確かめて、そのうえで考察を展開します。
それに加えて「欧文仏典を読む」っていう授業が2クラスありまして、僕が担当している授業では、真宗についての簡単な英語のエッセイを読んで、それについて僕が講義を加えたりします。井上先生が担当している方は、『正信偈』の英訳をいくつか並べて、それを確かめながら意味を読み解く授業になってます。
 
フィールドワークは、海外研修ですね。君たちはおそらく、4年生の時に3年生と一緒に行くことになるんですけど、今年の2月に試験的に4年生とカリフォルニアに行ってきました。開教寺院に行って、開教現場の在り方と課題を把握するためのプログラムを2週間くらいでやります。他は真宗学科共通で、親鸞の思想とか経典を読んだり、親鸞に影響を及ぼした人のものを読んだり。なので、皆さんはずっと学び続けることになりますよ。

PROFILEプロフィール

  • マイケル コンウェイ

    文学部 真宗学科 講師



    1976年アメリカ合衆国イリノイ州生まれ。1997年ノースウェスタン大学卒業(歴史学専攻)。2009年大谷大学大学院博士後期課程満期退学。2009年大谷大学文学部任期制助教着任(2011年まで)。2011年博士号取得、東方仏教徒協会(The Eastern Buddhist Society)編集者着任(2015年まで)。現在、大谷大学文学部専任講師(真宗学)。
    親鸞の思想の背景を知るために、中国浄土教の祖師、とりわけ隋・唐代に活躍した道綽を中心に研究を進めてきた。また、親鸞の思想が現代にまでどのように展開されてきたかということを視野に入れ、曽我量深、金子大栄、安田理深に代表される真宗大谷派の近代教学者の研究にも取り組んできた。更に近年では真宗の教義と教学をいかに英語で表現すべきかという問題について考えており、鈴木大拙が英訳された『教行信証』を始めとして、親鸞の書物の英訳を比較し考察している。



  • お寺に生まれ、なんとなく自分が家を継ぐものだと思って真宗学を学ぶため大谷大学を受験。苦手な正座の訓練も兼ねて入った茶道部の活動に、毎晩が修学旅行の夜みたいと思えるほど楽しい寮生活に、充実した毎日を送っている。
    洋楽好きの親の影響で小さい頃から海外のバンド音楽をよく耳にしていたことをきっかけに英語に興味を持ち、将来は英語で真宗を広められる仕事をめざすことも視野に入れ、英語力を磨いていく予定。