小さな頃から実家のお寺を継ぎたいと思ってきた高嶋さんは、その夢を叶えるべく真宗学科に入学を果たしました。周りにはお寺出身の人も多くて楽しく過ごせる半面、クラスメイトの多くが元々お寺を継ぐことは考えていなかったということを知り、自分との違いに驚きます。
いずれお寺を継ぐ日のために、寮の仲間に助けられながら、親鸞聖人や法然上人についてじっくり学び、研鑽を積んでいます。

05 早く実家の手伝いをして親孝行したい

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本明:担任の先生はコンウェイ先生ですね。どうですか?最初はびっくりしたんじゃない?
高嶋:私はアドミッション・オフィス入試だったんですけど、その時の面接の先生がコンウェイ先生で、「真宗学なのに外国人の先生がいる!」ってめっちゃびっくりしました。そうしたら担任もコンウェイ先生だったので、外国人の先生から真宗学を教わるのってなんか気持ち的に新鮮だなと最初は思いました。
 
本明:本当やね。アメリカで真宗に触れた先生だから、もともとお寺に育って下地がある中で勉強をする人とはまた全然違うから、コンウェイ先生の話を聞くことはすごく新鮮で大切だと思いますよ。
 
高嶋:コンウェイ先生はすごく優しくて、テスト前も「分からなかったら僕はこの時間この教室にいるから聞きに来てください」って言って親切に教えてくれるので、すごく行きやすいなと思いました。
 
本明:そうだよね。そういう機会を利用して関係を築いていってもらえるといいね。お父さんから、大学ではこういうことを学んだ方が良いというようなアドバイスはもらった?
 
高嶋:全然聞いたことがないです。本当に勉強したのかなと思うほどです(笑)。
 
本明:まあ、あんまり細かく言われるよりは、本を読んだりして自分で学ぶ方が良いと思うから(笑)。大学で勉強を頑張った後は、お寺に帰ってお手伝いをするって感じ?
 
高嶋:はい。4年間が終わったら地元に帰ります。今は実家のお寺をお父さんと叔父さんの2人でやってるんですけど、叔父さんも結構歳なので、早く実家に帰って手伝いをして親孝行したいなと思います。この前も、うちの方では報恩講が9月なので、ギリギリ参加できる日にちだったので手伝いました。
本明:何とすばらしい!お勤めの練習とかはお父さんに教えてもらったりしたの?
 
高嶋:寮で作法を教わってたので、寮でやってるなら家でもやってみな、ということでやってみました。お父さんが調声(ちょうしょう)なので、ずっとお父さんの顔を見ながらタイミングを計るような感じでしたね。でも最後に良かったなってほめてくれました。
 
本明:それは良かった。寮での成果が出たんだね。

PROFILEプロフィール

  • 本明 義樹

    文学部 真宗学科 講師



    1972年京都府生まれ。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。大谷大学任期制助手、大谷大学聖教編纂室嘱託研究員、真宗大谷派教学研究所研究員、真宗大谷派聖教編纂室主任編纂研究員を経て、2021年大谷大学文学部着任。
    親鸞の思想形成の解明に取り組んでいる。特に親鸞が曇鸞浄土教をどのように受容し展開したのかを確かめるため、親鸞加点本や『教行信証』に引用される『浄土論註』の文を精読している。また『教行信証』の自筆本である「坂東本」を書誌的な視点からもアプローチし、最晩年に至るまでの思想深化の意義を明らかにしたいと考えている。



  • 実家のお寺を継ぐことが夢で、中学生の頃には大谷大学を受験することを決めていた。真宗学科はお寺出身の人も多いため楽しく過ごせる一方で、お寺を継ぐことは考えていなかったクラスメイトも多く、自分との違いに驚いた。
    入学する前は少し不安を抱いていた寮生活は、他の寮生ともすぐに仲良くなり、京都観光へ出かけたりする間柄。美味しいご飯に有り難さを感じながら、日々充実した大学生活を送っている。いずれお寺を継ぐ日のために、親鸞聖人や法然上人についてじっくり学び、研鑽を積んでいる。