小さな頃から実家のお寺を継ぎたいと思ってきた高嶋さんは、その夢を叶えるべく真宗学科に入学を果たしました。周りにはお寺出身の人も多くて楽しく過ごせる半面、クラスメイトの多くが元々お寺を継ぐことは考えていなかったということを知り、自分との違いに驚きます。
いずれお寺を継ぐ日のために、寮の仲間に助けられながら、親鸞聖人や法然上人についてじっくり学び、研鑽を積んでいます。

03 寮生活最高!

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本明:寮生活はどう?大谷大学の寮だからお勤めもあるの?
 
高嶋:はい。「お朝事(おあさじ)」と「お夕事(おゆうじ)」は毎日みんなで交代でやります。
 
本明:じゃあ基本的に寮に入っているのはお寺出身の学生?
 
高嶋:いや、意外とそうでもないんですよね。今は寮生が3人しかいないんですけど、1人は一般のお宅からです。1つ上の学年は4人いたそうで、4人ともお寺出身じゃないって聞きました。意外と寮生でもお寺出身ではない人って多いみたいです。
 
本明:お寺出身じゃなくてもお勤めをするんだよね?
 
高嶋:はい。でも今はもうベテランで、積極的にそういう行事をやってますね。東本願寺の報恩講に行きたいって言ったのもその子で。
本明:なかなかそういう経験ってできないから、いいよね。何かを一緒にやる感覚を共有できるっていうのも良いしね。
 
高嶋:寮に住めるのは基本1年生だけなんですけど、2年生が2人だけスタッフとして残ってくれているので、先輩からいろいろと教えてもらってます。寮に入って一番良かったと思ったのが、履修登録についてです。高校だと決められた時間割があったんですけど、大学は必修以外は自分で選んで好きな授業を取ったり、卒業単位に必要な授業を決めていかなきゃいけないんですけど、入学したばかりだとそういうことが全然分からなくて。周りも迷ってる人が多かったんですけど、寮だと先輩がマンツーマンで「卒業単位がこれで、この学年はこうだからこの授業は絶対ここで取ったほうがいい」みたいなアドバイスをしてくれて本当に助かりました。
 
あとご飯も、朝と夜に寮母さんが作ってくれるのがすごく美味しくて。関西は味が薄いって聞いてたので、私は濃いめが好きだから合わないかなと思っていたんですけど全然そんなことなくて。ご飯が美味しくて毎日元気に学校に行こうって気になります。バランスも良いし、料理に関しては本当に大助かりです。寮のイベントは今年はあまりやれなかったんですけど、男子寮との交流会では、体育館を使ってみんなで運動して楽しかったです。男子寮はほぼ満員らしいですけど、女子寮は人数が少ないのが残念ですね。
 
本明:話を聞いているとすごく楽しそうだね。
 
高嶋:本当に入って良かったと思っています。今、時代の流れ的に一人暮らしをしたい子が多いと思うんですけど 一人暮らしは将来でもできるし、寮だって基本的には1年しかいれなくて、何年かは一人暮らしをするわけなので、それだったらぜひ寮に入ると良いなと思います。京都の土地柄も何もわからない入学したてのときは、寮っていう存在はすごく有難いなって思いました。
本明:逆にこれはちょっとしんどいなということはある?
 
高嶋:……朝起きること(笑)。
 
本明:それはどこに住んでも……(笑)。
 
高嶋:でも一人暮らしだったら、1限や2限の授業がなかったら遅くに起きてもいいんだけど、寮生活だとご飯の時間があるので、絶対にその時間に起きなければいけないっていうのがちょっときついです。
 
本明:でも健康的やね。寝る時間も起きる時間も、一人暮らしだとどうしても乱れがちだからね。
 
高嶋:そうですね。寮にいると健康でいられるし、4年間いたいぐらいです。団体生活は私も初めてだったので、人がずっと一緒に居る空間ってどうなんだろう、面倒くさいこと起こらないかなって不安だったんですけど、全然そんなことなかったです。寮っていう空間は本当に大好きです。
(※2023年度は、自灯学寮(女子寮)の寮生募集休止)

PROFILEプロフィール

  • 本明 義樹

    文学部 真宗学科 講師



    1972年京都府生まれ。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。大谷大学任期制助手、大谷大学聖教編纂室嘱託研究員、真宗大谷派教学研究所研究員、真宗大谷派聖教編纂室主任編纂研究員を経て、2021年大谷大学文学部着任。
    親鸞の思想形成の解明に取り組んでいる。特に親鸞が曇鸞浄土教をどのように受容し展開したのかを確かめるため、親鸞加点本や『教行信証』に引用される『浄土論註』の文を精読している。また『教行信証』の自筆本である「坂東本」を書誌的な視点からもアプローチし、最晩年に至るまでの思想深化の意義を明らかにしたいと考えている。



  • 実家のお寺を継ぐことが夢で、中学生の頃には大谷大学を受験することを決めていた。真宗学科はお寺出身の人も多いため楽しく過ごせる一方で、お寺を継ぐことは考えていなかったクラスメイトも多く、自分との違いに驚いた。
    入学する前は少し不安を抱いていた寮生活は、他の寮生ともすぐに仲良くなり、京都観光へ出かけたりする間柄。美味しいご飯に有り難さを感じながら、日々充実した大学生活を送っている。いずれお寺を継ぐ日のために、親鸞聖人や法然上人についてじっくり学び、研鑽を積んでいる。