小さな頃から実家のお寺を継ぎたいと思ってきた高嶋さんは、その夢を叶えるべく真宗学科に入学を果たしました。周りにはお寺出身の人も多くて楽しく過ごせる半面、クラスメイトの多くが元々お寺を継ぐことは考えていなかったということを知り、自分との違いに驚きます。
いずれお寺を継ぐ日のために、寮の仲間に助けられながら、親鸞聖人や法然上人についてじっくり学び、研鑽を積んでいます。

02 すごすぎて笑っちゃうほどの「正信偈」

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本明:高校では何か部活を?
 
高嶋:中高の6年間、吹奏楽をやってました。高校の記憶は全部部活です。青春でしたね(笑)。
 
本明:大学では続けてないの?
 
高嶋:やってないです。
 
本明:じゃあサークルとかでもいいけど、今興味があることは?
 
高嶋:まだ見いだせてないですね。でも大学の早い段階で見つけたいなと思ってます。サークルには入ってないですけど、オープンキャンパスのスタッフには最初から参加してます。私自身、オープンキャンパスに参加したことがなくて。行こうと思ってもコロナで中止になっちゃったりとかしたので、尚更やってみたいと思いました。スタッフになってみたら結構高校生がいっぱい来て、いい子いっぱいいるなって思いました。来年が楽しみだなって。
 
本明:高校生にとっても先輩が身近に感じられると思うので、スタッフはやってくれてありがたいですね。今は寮?
 
高嶋:はい。寮、最高です。友達もできますし、一緒に観光に行ったりします。この前は、東本願寺の報恩講に。あと、近くの渉成園に行きました。初めて行ったんですけど、紅葉が池に反射して綺麗でした。
 
本明:充実してるね。今はコロナ禍でなかなか人とも会いにくいから、なおさらね。本山(東本願寺)の報恩講に参加してどうでしたか?
高嶋:本山は凄いですね。最後のお参りだけを聞きに行ったんですけど、なんか雰囲気がもう、……飲まれました、完璧に(笑)。みんなすごい高い声で、普段知っている「正信偈(しょうしんげ)」のはずなのに全然知らない事を言っている感じで、あれを全員が出来るのはすごいなって思いました。
 
本明:本山の報恩講でお勤めする「正信偈」は私たちの日常の勤行とは、読み方が違うんですよ。本山のは音の上げ下げの抑揚もあって、とても高音だしね。「正信偈」には何種類もの読み方があるんですけど、本山の堂衆という声明(しょうみょう)の専門の人たちと、声明の勉強をずっとされている方が全国から集まってお勤めされるんです。お勤めできる人は、出仕してもいいよということになってるけど、私なんかはとてもじゃないけどできないです。本山の報恩講は迫力ありますよね。
 
高嶋:途中すごすぎて、すごさの域を超えて笑っちゃいそうになりました。
 
本明:そういうのを感じるのも勉強になりますよね。

PROFILEプロフィール

  • 本明 義樹

    文学部 真宗学科 講師



    1972年京都府生まれ。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。大谷大学任期制助手、大谷大学聖教編纂室嘱託研究員、真宗大谷派教学研究所研究員、真宗大谷派聖教編纂室主任編纂研究員を経て、2021年大谷大学文学部着任。
    親鸞の思想形成の解明に取り組んでいる。特に親鸞が曇鸞浄土教をどのように受容し展開したのかを確かめるため、親鸞加点本や『教行信証』に引用される『浄土論註』の文を精読している。また『教行信証』の自筆本である「坂東本」を書誌的な視点からもアプローチし、最晩年に至るまでの思想深化の意義を明らかにしたいと考えている。



  • 実家のお寺を継ぐことが夢で、中学生の頃には大谷大学を受験することを決めていた。真宗学科はお寺出身の人も多いため楽しく過ごせる一方で、お寺を継ぐことは考えていなかったクラスメイトも多く、自分との違いに驚いた。
    入学する前は少し不安を抱いていた寮生活は、他の寮生ともすぐに仲良くなり、京都観光へ出かけたりする間柄。美味しいご飯に有り難さを感じながら、日々充実した大学生活を送っている。いずれお寺を継ぐ日のために、親鸞聖人や法然上人についてじっくり学び、研鑽を積んでいる。