国際コースを選択し、順調に英語の勉強を進めている佐々木君ですが、真宗学の授業は全部難しいと言います。なかなか自分の意見がまとめられないと嘆く佐々木君に、長年真宗学を学んできたConway先生は、真宗の勉強には時間がかかると理解を示します。その上で、さらに上を目指してほしいと、大学院や開教使の仕事についても紹介してくれます。卒業後はまずワーキングホリデーに行って世界を見ようと考えている佐々木君の未来は、限りなく広がっています。

04 真宗の勉強は時間がかかる

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Conway:大学の入構禁止期間中のオンライン授業はどうでしたか?
 
佐々木:授業はやっぱり対面で受けた方がいいなって思いましたね。
Conway:圧倒的に対面の方が良いですよね。僕もオンラインで授業をやったんですけど、誰もビデオカメラをオンにしてくれなくて、オンラインで同じ場にいるのに顔が見えなくて、すごい寂しかったですよ(笑)。でも後期になって、じっくり授業ができるようになって良かったです。今はゼミで井上先生と『歎異抄』を読んでますよね?ゼミはどんな感じですか?
 
佐々木:役割を分けられて、それをレジュメにして発表してディスカッション。それと先生の講義っていう感じです。
 
Conway:レジュメには何を書くの?
 
佐々木:まずは原文を書いて、それから語句調べと現代文を書きます。次は英訳された文を書いた後、考察です。
 
Conway:1人でやるの?
 
佐々木:章にもよるんですけど、分量で分けたりします。
 
Conway:ディスカッションはどんな感じ?盛り上がる?
 
佐々木:あんまり(笑)。あまりにも手が挙がらないからか、最近は、1人ずつ順番に話していく感じです。積極的に自分の意見を言うところまでは、なかなか意見がまとめられていなくて。
 
Conway:真宗の勉強はなかなか時間がかかるから、勉強を始めて2〜3年でまとまった意見を言うっていうのは難しいですね。でも少しずつ他の皆さんと関係が出来上がっていくと、4年生からは少し語り合えるようになると思いますよ。
 
佐々木:そうなればいいですね。
 
Conway:佐々木君には積極的に頑張ってもらわないといけないですね。真宗学の中で、この授業は面白い、っていうのはあった?
 
佐々木:「これめっちゃ面白い」っていうのは特になくて、全部難しいです(笑)。最近、やっと講義を受けてて、理解できてるなって思う部分が出てきましたね。
Conway:2年生の勉強も結構難しいよね。『教行信証』の講義、聞いてる?
 
佐々木:聞いてます。
 
Conway:そこが、3年生、4年生の大きな課題だよね。まあじっくり腰を据えていくのが大事ですね。将来を考えたとき、大学院に行ってもう少し真宗学の勉強をするという考えはない?
 
佐々木:そういう考えも、一応あります。
 
Conway:修士まで勉強するのもいいと思うよ。さっき修士論文の中間発表会があったんですけど、皆さん修士課程の2年間で伸びますよ。集中して勉強できるのでおススメです。まあ、将来のことはまたそのうちに聞きますね。

PROFILEプロフィール

  • マイケル コンウェイ

    文学部 真宗学科 准教授



    1976年アメリカ合衆国イリノイ州生まれ。1997年ノースウェスタン大学卒業(歴史学専攻)。2003年大谷大学大学院修士課程(真宗学専攻)入学。2005年大谷大学大学院修士課程修了。2006年大谷大学大学院博士後期課程(真宗学専攻)入学。2009年大谷大学大学院博士後期課程満期退学。2009年大谷大学文学部任期制助教着任(2011年まで)。2011年博士号取得、東方仏教徒協会(The Eastern Buddhist Society)編集者着任(2015年まで)。現在、大谷大学文学部准教授(真宗学)。
    親鸞の思想の背景を知るために、中国浄土教の祖師、とりわけ隋・唐代に活躍した道綽を中心に研究を進めてきた。また、親鸞の思想が現代にまでどのように展開されてきたかということを視野に入れ、曽我量深、金子大栄、安田理深に代表される真宗大谷派の近代教学者の研究にも取り組んできた。更に近年では真宗の教義と教学をいかに英語で表現すべきかという問題について考えており、鈴木大拙が英訳された『教行信証』を始めとして、親鸞の書物の英訳を比較し考察している。



  • 国際コースを選択し、カナダでのホームステイも経験した。国外に出て全く違う文化や生活を見たり体験したことで、これまでの自分の環境がとても恵まれていたのだと気づかされた。
    日本に戻ってからも海外の人とチャットができるアプリを活用したり、スピーキングの練習をしたりと、順調に英語の勉強を進めている。卒業後は、まずワーキングホリデーに行ってもっと世界を見ようと考えている。