文学科での勉強に加え、アルバイトにサークル活動、さらには教職課程の勉強もこなす山本さんは、常に多忙です。大学生活にかかる費用を自分で賄うためのバイトはキツイものの、学ぶことも多くあり、時間のやりくりの能力も磨かれています。学生の多くが苦手とする国文法に関する授業を面白く感じ、将来は高校の国語の先生になることを希望しています。日々、古典嫌いの学生に悩まされている先生も、山本さんには大きな期待を寄せています。

03 多忙な生活を乗り切るカギは、メンタル的な体力

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佐藤:どんな高校時代でした?
 
山本:吹奏楽部でチューバをやってました。
 
佐藤:なんでチューバを?
 
山本:直感と言うか……。
 
佐藤:待って待って(笑)。高校生は普通、直感でチューバを選ばないでしょう?
山本:そうですか(笑)?でも吹奏楽には興味があって、何かやりたいなって思ってて。最初に一通り楽器を触らせてもらう機会があって、一番人気はトランペットとサックスで、チューバは全然人気がなかったんですけど、音が低いのがいいなと。正直、全然目立たないし、間違えてもわからないんじゃないかってくらい地味なんですけど。
 
佐藤:でも音に厚みを持たせるしね。だけど生徒会長もやってて、目立つのが嫌いってわけでもないでしょ?
 
山本:そうですね。最初は前に立つのは苦手なくらいだったんですけど、生徒会の中で慣れていったって感じです。
 
佐藤:そうなんだ。チューバって、イメージ的にはゾウさんだよね、音と言い、形と言い。今はやってないの?
 
山本:はい。高校に顔を出したときにちょっと触らせてもらったりするくらいです。
 
佐藤:高校に行くと先生は喜ぶでしょ?
 
山本:はい。ちょうど昨日も電話があって、今度高校のオープンスクールで卒業生として何か話してほしいって依頼を受けました。まだ何を話すかは考えてないんですけど、高校生の時も保護者の前で話すっていう機会はあったので、何とかなるかなと。
 
佐藤:教員っていうのは日ごろから人の前で話す職業だけど、保護者の前って、難易度が激上がりだよね。高校生の時は何を話したの?
 
山本:当時からバイトをしてたので、部活とどう両立させるのかとかですね。
 
佐藤:そうか、両立歴長いんや。どうやって両立させてるの?体力か、工夫?
 
山本:多分、メンタル的な体力かなと思います。
 
佐藤:切り替えるってこと?
 
山本:そうですね、意識して切り替えてるってわけじゃないんですけど。
 
佐藤:でも疲れるよね?
 
山本:疲れますね(苦笑)。
 
佐藤:だよね……。それをやってたっていうのは、本当にえらいですね。

PROFILEプロフィール

  • 佐藤 愛弓

    文学部 文学科 准教授



    2000年 名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。2003年 名古屋大学文学研究科COE研究員。2004年 日本学術振興会特別研究員(PD)。2007年 大谷大学文学部任期制助教。2013年 天理大学文学部准教授。2020年大谷大学文学部准教授。
    高校生の時に芥川龍之介の『羅生門』を読み、大学生になってからその元になった『今昔物語集』の説話を読んだ。当初は、「芥川の主張が魅力的だなあ」と思っていたが、そのうちふと『今昔』の簡潔な表現がもたらす強い印象が気になりはじめた。以来、説話の持つ、簡潔な文体と、はやい物語展開に興味を持ち、それがどのような場で醸成されたのかを追求している。その場の一つとして寺院に注目し、資料調査を行っている。



  • 高校時代に仲の良かった先輩のすすめで大谷大学を受験した。人と話したり人の話を聞いたりする中で、特に表現方法としての言葉に興味があり、多くの学生が苦手とする国文法に関する授業も面白いと感じている。
    将来は、高校の国語の先生になることが目標。アルバイトにサークル活動、さらには教職課程の勉強もこなす多忙な毎日は疲れるが、うまく切り替えながら、忙しい生活からもさまざまなことを学んでいる。