自らの執筆に生かすために、これまで手を出して来なかったジャンルの小説も読むようになった西本君は、リアリズムを基本にして書いていくことの難しさを痛感しています。自分が考えるストーリーに合う形で病気を作り出したり、盛り上がる場面を書きたいから登場人物を死なせるという安易な書き方は卒業して、書き手として一歩踏み出してほしいという先生からのアドバイスを受け、卒業制作に向けて気を引き締めています。

01 学食が一番思い出深い場所

OTANI'S VIEW

更新日:
國中:前回の対談時と比べてどんなふうに成長したかを聞きたいんだけど、あの頃は、こんなにコロナが続くとは思わなかったよね。
西本:そうですね。でもコロナ禍の影響で学外の飲食店に行けなかったので、学食で食べることが多くなって、逆に友達と仲良くなったっていうことはありましたね。
 
國中:ウチの大学の人たちは、学食が好きだよね。今までの卒業生にも、学食が一番思い出深い場所だっていう人がいるんですよ。卒業式の後にゼミのメンバーが集まったときも、最後だから私が何か御馳走しようと思ってたんだけど、みんな学食が良いって言ってね。大学が好きで良かったなと思いましたけど。やっぱり学食の質は大学生活にも影響するからね。朝ご飯はどうしてる?
 
西本:食べてないです。起きて準備したらすぐに大学に来て授業って感じです。
 
國中:ウチの大学では、時期によっては学食で朝食も提供してる時もあるけど、それは利用しないの?
 
西本:はい、朝が苦手なので。お昼にガッツリ食べる方が好きです。
 
國中:でも、お昼は混むでしょ?
 
西本:今は3限目に授業を入れることが少なくなったので、お昼をずらせるからそんなに不自由はしてないですね。
 
國中:それはいいね。部活はどう?
 
西本:3年生になってから就活とかで忙しくなってきて、部活に行けないことが多くなってます。今は陸上競技部の主将をやってるので、顔を出したいなとは思っているんですけど。
國中:ちょっと失礼な質問なんだけど、ウチの大学の陸上部って、強いの?
 
西本:個々で力がある選手はいます。強くなりたい人がちゃんとやってるので、みんなが強い人の練習方法を共有しながらやってる感じです。
 
國中:もうちょっと専門性の高いコーチに練習メニューを組んでもらって、教えてもらった方がいいってことはない?
 
西本:呼べたらいいんですけど、今は週2日みんなで集まって軽くウォーミングアップして、その後に専門種目をやるので、全員をまとめて見れるコーチはあまりいないですし、呼べないんですよね。中高の時と比べて、大学の部活への義務感はあんまりなくて、授業が終わる時間がそれぞれ違うので、全員が集まれる日はきちんとやるっていう方が、モチベーションが向上していいのかなと思います。今は長時間練習っていうのもあんまり推奨されなくて、1日の練習時間も2時間半くらいです。そうやって効率を求めてやった方が強くなるっていう考えでやっています。

PROFILEプロフィール

  • 國中 治

    文学部 文学科 教授



    早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程(日本近代文学専攻)単位取得満期退学。韓国大田広域市大田実業専門大学専任講師(日本語および日本事情を担当)、神戸松蔭女子学院大学文学部総合文芸学科教授などを経て、現職。
    昭和前期を代表する詩誌「四季」の文学者たち、特に三好達治と立原道造と杉山平一を中心に研究している。この3人は資質も志向も異なるが、詩形の追求と小説の実践、それらを補強する理論の構築に取り組んだ点では共通する。時代と社会にきちんと対峙しえなかったとして、戦後、「四季」は厳しい批判にさらされる。だが、日本の伝統美と西欧の知性を融合させた「四季」の抒情は奥が深くて目が離せない。



  • 高校の先生の勧めで大谷大学を知り、創作できる場所もあるということに惹かれ、入学。1年生の時の対談以降、自らの執筆に生かすために、これまで手を出して来なかったジャンルの小説も読むようになった。
    入学当初からの目標だった卒業制作は、教員による事前審査に合格。リアリズムを基本にして書いていくことの難しさを痛感しながら、「書き手として一歩踏み出してほしい」という先生からのアドバイスを受け、卒業制作に向けて気を引き締めている。
    また、将来は出版社を中心に、自分の文章力が活かせる職業を希望している。