文学科での勉強に加え、アルバイトにサークル活動、さらには教職課程の勉強もこなす山本さんは、常に多忙です。大学生活にかかる費用を自分で賄うためのバイトはキツイものの、学ぶことも多くあり、時間のやりくりの能力も磨かれています。学生の多くが苦手とする国文法に関する授業を面白く感じ、将来は高校の国語の先生になることを希望しています。日々、古典嫌いの学生に悩まされている先生も、山本さんには大きな期待を寄せています。

02 忙しいけれど学ぶことの多い生活

OTANI'S VIEW

更新日:
佐藤:じゃあ家でゆっくりする時間はほとんどないんだね。
 
山本:そうですね。今は家でご飯食べるのも週に1回くらいです。ご飯は大体バイト先で自分で作って食べてます。
 
佐藤:えらいな!抵抗なかった?
 
山本:最初は難しかったです。料理はバイトを始めて覚えました。自分で食べるだけだったら切って炒めるだけなんですけど、お客さんに出すものはやっぱりそれとは全然違うので。困ったのは、切ったことないものを突然「これ切って」って言われたことですね。
 
佐藤:何を切れって?
 
山本:「サーモンスライスしておいて」って。やったことないな……って焦りました。
佐藤:あれ、ギコギコしたらダメなんだよね?
 
山本:そうなんです。だからその時は先輩に「どうやって切ってるんですか?一回見せてもらって良いですか?」って聞いて、こんな感じでっていうのを見せてもらいました。まあ見せてもらってもすぐにはできなかったんですけど(笑)。
 
佐藤:そうだよね。でもちゃんと栄養が取れてるっていうのはいいよね。料理のスキルが身につくって思えば、バイト代ももらえて一石二鳥なのかな。
 
山本:そうですね。それに、たまたまバイト先にも大谷大学の先輩がいて仲良くなれましたし。交友関係も広がりますね。
 
佐藤:それは良かったね!お昼は学食?
 
山本:はい。今はコロナ禍で利用時間が限られてますけど、カフェのところで売ってるお弁当とかもあるんで困ってないですね。
 
佐藤:料理ができるようになったって言っても、さすがにお弁当作ってる余裕はないもんね。睡眠時間は確保できてる?
 
山本:まあ、なんとか。
 
佐藤:空き時間とか、自由な時間もある?
 
山本:そんなにないです。朝はできるだけ寝てたいですし、大学が終わったらバイトに行くって感じで極力詰めてスケジュールを組んでるので。
 
佐藤:空き時間にラウンジとかでフラフラするみたいなのが大学生の醍醐味でもあるんだけどね……。でもそれは立派だな。山本君は忙しすぎるのかもと思ってたけど、サークルもやってて、先輩との付き合いもあって、大学生活を楽しむ部分もあって良かったです。

PROFILEプロフィール

  • 佐藤 愛弓

    文学部 文学科 准教授



    2000年 名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。2003年 名古屋大学文学研究科COE研究員。2004年 日本学術振興会特別研究員(PD)。2007年 大谷大学文学部任期制助教。2013年 天理大学文学部准教授。2020年大谷大学文学部准教授。
    高校生の時に芥川龍之介の『羅生門』を読み、大学生になってからその元になった『今昔物語集』の説話を読んだ。当初は、「芥川の主張が魅力的だなあ」と思っていたが、そのうちふと『今昔』の簡潔な表現がもたらす強い印象が気になりはじめた。以来、説話の持つ、簡潔な文体と、はやい物語展開に興味を持ち、それがどのような場で醸成されたのかを追求している。その場の一つとして寺院に注目し、資料調査を行っている。



  • 高校時代に仲の良かった先輩のすすめで大谷大学を受験した。人と話したり人の話を聞いたりする中で、特に表現方法としての言葉に興味があり、多くの学生が苦手とする国文法に関する授業も面白いと感じている。
    将来は、高校の国語の先生になることが目標。アルバイトにサークル活動、さらには教職課程の勉強もこなす多忙な毎日は疲れるが、うまく切り替えながら、忙しい生活からもさまざまなことを学んでいる。