ライブが好きだという東さんは、コロナ禍でオンラインでのライブも体験しましたが、やっぱり生の魅力にはかないません。オンラインと生では何が違うのか、マルチメディアの特性について学ぶ授業を通して考えています。将来についてはまだ検討中ですが、京都にたくさんある有形・無形の文化財を、情報技術によって保護していこうというゼミの取り組みにも興味を持っています。モンゴル語の歌を歌うのが趣味というユニークな先生の指導の下、日々研鑽しています。

03 対面で集まらないと、文化は生まれない??

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松川:サークルは?
 
東:入ってないです。中高と吹奏楽部でサックスを吹いてたので、大学でもやろうかなってちょっと考えたんですけど、いつ活動してるのかとか、よくわからなくて。
 
松川:コロナ禍だから、新入生の勧誘が上手にできなかったっていうことはあるかもしれませんね。私は「歴史学研究会」っていうサークルの顧問なんですけど、一時期は100人以上いて、京都の史跡めぐりとかやってたんですよ。でも今は2人しかいなくて、結局休部してます。
サークルをやってないとすると、趣味は? 私のことを先に言いますと、私はカラオケでモンゴルの歌を歌うのが趣味なんですよ。私、モンゴルの研究をしてるんです。でも日本のカラオケにはモンゴルの歌は入ってないので、東京とか大阪、名古屋にある専門店でしか歌えなくて、歌いたいときは遠征しないといけないんです。東さんは歌いますか?
 
東:いえ、歌いません!でも趣味は、ライブに行くことです。
 
松川:今、ライブもなかなか厳しい状況だと思うんですけど、オンラインのライブとかも経験しました?
 
東:はい。でもオンラインのライブは、普段発売されてるライブDVDとあんまり変わらなくて、やっぱり生の方が良いなと思いました。
松川:生の一体感っていうのがライブの一番の要だよね。ライブでは一体感があるのに、オンラインだと何がなくなるんだろうか。前期の授業でも、VRとかARの話をしましたけど、その辺の可能性は今後あると思いますか?ヴァーチャルでライブをして、盛り上がれると思う?
 
東:……どうですかね。自分が叫べるような環境じゃないと、ライブじゃないような気がするんで。
 
松川:Zoomなんかでもみんなで集まって飲み会やったり、なるべく同期をとるようにしてますよね。ヴァーチャルなコンサートなんかもやられていますけど、私なんかは絶対についていけない。対面で人が集まらないと文化は生まれないっていうのが私たち世代の基本的な考え方だと思うんですけど、私が大学で学生さんと授業をやっていて感じるのが、多分若い人たちは感覚が違うんだろうなってよく思うんです。そのあたりはどうですか?物心がつく時からスマホがあって、いつでもメッセージの交換ができて、やり取りは必ずしも対面じゃなくて良いっていう環境で育ってきた人たちにとって、対面じゃなくてもライブは成立すると思いますか?
東:私はやっぱり会った方が好きですね。
 
松川:なるほど。友達とはどうですか?
 
東:小学校の友達とかは、ラインだけでも、ずっと会わなくてもいい感じですね。
 
松川:その人たちとの距離感は近いですか?いつでもつながっていられるって感じですか?
 
東:そうですね。近いと思います。
 
松川:それはすごくうらやましいです。私たちの世代になると、同級生とはほとんど連絡がないんですよ。そういう人たちと集まるとしたら同窓会で、その時に「随分変わったな」って言い合うんです。ただ私はFacebookをやっているので、比較的かつての同級生とつながっているんですね。それからFacebookは外国でやってる人が多いので、私は特にモンゴルの人たちと日常的に連絡を取れていて、随分世界が縮まったなって思いますね。

PROFILEプロフィール

  • 松川 節

    社会学部 コミュニティデザイン学科 教授



    東京外国語大学外国語学部モンゴル語学科卒業、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。国立民族学博物館講師、大谷大学講師を経て、現在、大谷大学社会学部教授。2012年度より日本・モンゴル合同「エルデニゾー・プロジェクトⅡ」の日本側代表、2014年度より日本・モンゴル合同「モンゴル国カラコルム博物館における歴史研究を基軸とした情報化と国際協働の推進」プロジェクト日本側代表。2016年度より日本・モンゴル合同「ハン・ヘンティ・プロジェクト」の日本側代表。
    2022年度は、日本・モンゴル共同「モンゴルの山岳信仰調査プロジェクト(ハン・ヘンティ・プロジェクト)」を一層推進し、モンゴルの世界的文化遺産を歴史学・宗教学・考古学・文化保存科学・観光学の諸側面から研究し、それら有形・無形の文化遺産をマルチメディアを活用してデジタル化・データベース化し、電子媒体で提示する方法を追究する。研究において歴史学・文献学的手法と社会情報学的手法を融合させ、人文科学・社会科学における新たな研究スタイルを構築し、その成果を学生指導に生かしていきたいと考えている。



  • オープンキャンパスでコミュニティデザイン学科の説明や模擬授業を受けて興味を持ち、先生やキャンパスの雰囲気が気に入って大谷大学を受験した。入学後は授業やアルバイト、趣味のライブなど充実した大学生活を送っている。
    高校までとは違い、大学の授業では自分で考えることが増えたと実感。小学生の頃からパソコンを使うことが好きだったこともあり、地域政策学コースの中でも情報系へ進むことにした。京都にたくさんある有形・無形の文化財を情報技術によって保護していこうというゼミの取り組みにも興味を持っている。