研究内容

今年度は、日本・モンゴル共同「モンゴルの山岳信仰調査プロジェクト(ハン・ヘンティ・プロジェクト)」を一層推進し、モンゴルの世界的文化遺産を歴史学・宗教学・考古学・文化保存科学・観光学の諸側面から研究し、それら有形・無形の文化遺産をマルチメディアを活用してデジタル化・データベース化し、電子媒体で提示する方法を追究します。研究において歴史学・文献学的手法と社会情報学的手法を融合させ、人文科学・社会科学における新たな研究スタイルを構築し、その成果を学生指導に生かしていきたいと考えています。

ゼミ紹介

地域に根ざした文化財情報をマルチメディアを活用しつつ発信する

伝統文化を有する京都という地域社会をマルチメディア的手法によって活性化しうる人物の創出をめざします。そのために、地域に根ざした情報発信を行うための歴史・文化的素養、コミュニケーション力、責任感、学生ならではの斬新な視点と実行力、マルチメディア編集・加工・発信のための即戦力(パソコン画像処理・動画編集・DTP・DTMソフトのマスター)などを指導します。具体的には、ゼミ生全員で、京都の伝統行事をテーマに企画・歴史考証・現地ロケを行い、撮影した動画を編集し、一つの「作品」に作り上げることを通して、文化財のデジタル化に必要な諸行程を理解します。一人一人が責任を持って作業する必要があります。そして、最終的には、分担していた役割を一人で全てこなせるようになる「ディレクター能力」の獲得をめざします。

主な担当授業科目

メディア社会学/コミュニティデザイン演習/プロジェクト研究/情報メディア概論/社会情報学概論

所属学会

日本モンゴル学会/国際モンゴル学会/内陸アジア史学会

経歴・活動歴

経歴

東京外国語大学外国語学部モンゴル語学科卒業、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。国立民族学博物館講師、大谷大学講師を経て、現在、大谷大学社会学部教授。

活動歴

2012年度より日本・モンゴル合同「エルデニゾー・プロジェクトⅡ」の日本側代表、2014年度より日本・モンゴル合同「モンゴル国カラコルム博物館における歴史研究を基軸とした情報化と国際協働の推進」プロジェクト日本側代表。2016年度より日本・モンゴル合同「ハン・ヘンティ・プロジェクト」の日本側代表。

主要著書・論文

単著

  • 『図説・モンゴル歴史紀行』(河出書房新社、1998年)
  • 『《誕化世傳》研究』(内蒙古人民出版社、2002年)

論文

  • 「『勅賜興元閣碑』モンゴル文面訳註」
  • 「新発現の蒙漢合璧少林寺聖旨碑」
  • 「モンゴル文字入門・モンゴル文語文法表・読本ローマ字転写・語彙集」
  • 「モンゴル国における契丹文字資料と研究状況(1)」
  • 「ヘンティ県遺跡状況調査  報告書」