コミュニティデザイン学科
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更新日:2023年11月14日
社会学部 コミュニティデザイン学科
社会学を専門とし、現在、社会保障制度の間(はざま)にいるケアラー(家族をケアする人など)支援の研究にも力を入れている大原先生。「地域に出て地域から学ぶ」をキーワードに、時には導き、時には見守りながら、学生たちとまちの居場所づくりに尽力しています。地域連携活動に取り組む大原先生に、そのリアルを語っていただきました。
更新日:2023年11月14日
社会学部
コミュニティデザイン学科
社会学を専門とし、現在、社会保障制度の間(はざま)にいるケアラー(家族をケアする人など)支援の研究にも力を入れている大原先生。「地域に出て地域から学ぶ」をキーワードに、時には導き、時には見守りながら、学生たちとまちの居場所づくりに尽力しています。地域連携活動に取り組む大原先生に、そのリアルを語っていただきました。
—フィールドワークでは、どのようなことを学べますか。
地域に出て人々の生活の場に入ると、五感を使って学ぶことができるため、生活体験が乏しい現代の学生たちにとって重要な学びになります。
ただ、事前に授業で学習をしてからでないと、せっかく行ってもただの体験で終わって何も得られない。そして、現場に出て終わりにせずしっかり言語化して振り返り、次へ繋げていくことも大切です。
私が担当している授業では、フィールドワークをメインとしながらも、必ずセットで通常の講義や演習、ゼミがあり、事前学習→現場→振り返りの一連の流れで、授業を構成しています。
基本的に、事前準備や振り返りを学生主導で進めてもらうようにして、学生たちの様子を見守っています。だから、身につく力として、まずはプロジェクトをマネジメントしていく力。そして、グループワークが基本なので、協調性や周りの様子を見ながら今何が必要かを判断して自ら行動する力。あと、学内で完結する取り組みではないので、社会の厳しさも感じながら、その中で他者とひとつの物事を進めていく力も身につくと思います。
それらは社会に出てからも大事な力ですね。
—大原先生も携わっている、地域連携室(コミュ・ラボ)の取り組みについてお聞かせください。
地域連携室(コミュ・ラボ)は大学と地域を結ぶ地域の窓口として、授業内外の様々な地域連携プロジェクトをサポートしています。もともと社会学部設置準備室と連携して立ち上がった経緯もあり、現状は社会学部コミュニティデザイン学科の教員の関わりが大きいですが、社会学部が開設されて地域との関係構築もできてきた今、他学部・他学科の先生や学生と一緒に、学びの場を全学に広げていくことが次のステップです。
大谷大学では、学部・学科横断型、学年横断型で取り組むプロジェクトがいくつも用意されています。あまり大きくない規模だからこそ繋がりを作りやすいというのが本学の特色だと思います。
また、4年間という時限付きではなく、その後どうしていくのかが大事なので、コミュニティデザイン学科独自のキャリア支援として、卒業生たちが社会に出て地域連携プロジェクトをどう繋げているかを知る、座談会・カフェ形式の「コミュ・ラボカフェ」も始めました。福祉現場に就職したある卒業生が、福祉を「人が幸せに暮らすこと」と話してくれたのが、心に残っています。
—地域の中で学ぶにあたり、意識すべきことはありますか。
新しいことをどんどん打ち出すよりも、地域の人たちと一緒に目の前のことに向き合い続けていくことを大切にしています。大きなイベントを打ち上げて終わってしまうと、一過性のものでしかありません。地域の課題は「これをやれば解決できる」というものでもなく、また簡単に「地域を変える」こともできません。
でも、実際の暮らしの中でどのような問題を抱えているかは、やはり現場から声を上げていくしかないのです。地域の暮らしの中で学ばせてもらう私たちも、その地域で今、何が起こっていて、何をしなければいけないのかということを、一緒に考えて、その時必要なことを一緒にやっていく、そんな存在になれたらと思いながら時間をかけて関係を築いています。
「まちの居場所づくり」をテーマとする「プロジェクト研究実践」の取り組みの一つ、高齢者の福祉施設と協働した子ども食堂「原谷子どもカフェ」 まちの居場所
大原先生の推薦図書
ブレイディみかこ/著
イギリスで生活する中で、息子さんの様子や成長を母の目線で書かれているのですが、社会を見る視点がすごい面白いんです。世の中で今起こっている出来事が、遠い世界の話ではなくいかに自分の暮らしとも関わっているのかと、“自分ごと”で考えてみる視点を与えてくれる本です。
プロフィール
社会学部 コミュニティデザイン学科
2016年、大谷大学に着任。2018年より、まちの居場所と題して「子ども食堂」などの地域連携プロジェクトを実施。