ちょっと堅苦しいかもと思って入った仏教学科は、蓋を開けてみると、浅井さんにとってとても楽しいところでした。様々な仏教のエピソードも、そこに潜む本質を知るのが面白いと言います。仏教が長く伝えられてきたのは、世界各国でそこに見出された価値を言葉で表現した蓄積があるからだと教えられ、自分の言葉で語ることの重要さを噛み締めています。新たな世界に踏み出す勇気を持つことこそが努力することだと心に留め、一層勉強に励むつもりです。

01 学ぶにはちょうど良い規模の大学

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釆睪:大谷大学に入ったのはなんで?
 
浅井:父親の勧めがあったのと、大学の雰囲気が落ち着いていて学びやすい環境だなと思ってここにしました。
釆睪:お父さんは谷大の卒業生?
 
浅井:いえ、違います。でも僕は幼稚園がお寺関係のところだったってこともあって、普通の人よりは仏教に親しみがあったかと思います。
 
釆睪:じゃあ、お父さんが谷大を勧めたポイントは何ですかね?
 
浅井:ここは落ち着いた雰囲気で学べるということと、規模が小さい方が先生方との距離も近くて面倒見も良いっていうことですね。
釆睪:そうなんですか。何か学びたいことが明確に決まっている人はその分野が学べる大学に行けばいいんだけど、何かないかなあと思っている人には、この規模の大学はちょうど良いと思います。あまりに小さい大学だと世界が狭くなってしまうし、大きすぎる大学だと集団に埋もれてしまって何もしないままに4年間が過ぎてしまいます。ウチは先生方もお互いがどの分野のご専門かってことがわかってるから、学生さんが「こういうことを学びたい」って言えば「〇〇先生のところに行くといいよ」ってアドバイスしやすいっていうこともありますし。浅井さんはやりたいことは決まってないんですか?
 
浅井:はい、何となく漠然とした感じのままで。
 
釆睪:それで仏教学科を選んでもう半年が過ぎたわけですね。どうですか?
 
浅井:仏教って堅苦しいイメージがあったんですけど、実際に授業を受けてみると、仏陀がどういう風に人に思想を伝えていったのかっていうエピソードだとか、イメージとは違った授業が多くて、思ったよりも楽しんで大学生活を送れています。入学当初は、やっぱり他の学問とは違って仏教って特殊かなって思ってたんですけど、実際に受けてみるととても楽しくできています。
 
釆睪:ちょっと特殊って、どういうイメージだった?
 
浅井:大学って、自分の中では経済学部とか商学部っていう学部がメジャーな感じがしてて、仏教学はどこの大学にもあるわけではないという意味で特殊かなと。
 
釆睪:大谷大学の場合、真宗学科とは別に仏教学科を設けていて、仏教という学問をきちんと教える場があるから面白いですよね。特殊というのは、なんかイメージがわかないという感じだったのかな。オープンキャンパスでブースに座っていても、訪れた高校生から「どんな修行をするんですか」って聞かれたりすることもあります(笑)。

PROFILEプロフィール

  • 釆睪 晃

    文学部 仏教学科 教授



    1969年、大阪府生まれ、滋賀県育ち。安曇川高校卒業。明治大学文学部文学科、大谷大学文学部仏教学科を卒業。1999年、大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。2004年大谷大学文学部着任、2010年同大学准教授、2021年同大学教授、現在に至る。
    異国の宗教でしかなかった仏教が、中国においてどのように受容されていったのかに興味を持っている。特に、5世紀初頭に活躍した鳩摩羅什は、大乗仏教を初めて体系的に中国に伝えたという点で注目すべき人物である。鳩摩羅什自身はどのような思想を持っていたのか、また、その周囲にいた人物は鳩摩羅什からどのような影響を受けたのかを中心に研究を進める。



  • 父親に薦められたことと、大学の雰囲気や環境が自分に合ったことから、大谷大学を目指すことにした。入学して実際に授業を受けてみると、堅苦しいかもと思っていたイメージとは異なり、伝説が多い仏教のエピソードも、そこに潜む本質を知るのが面白いと感じている。
    学業以外では映画研究部に所属しており、大学生のうちにいろいろなことをやってみたいと思っている。将来の目標も最終的には父親の仕事を継ぎたいと考えているが、大学卒業後はまず社会に出て経験を積む予定。