宗教系の高校で充実した生活を送ってきた岡本君は、仏教への関心を深めたいと、迷わず仏教学科の門をくぐりました。仏教学科で史料や経典を読む際に必須となるサンスクリットやチベット語、漢文などに悩まされてはいるものの、授業はどれも面白いと言います。仏教を通して現代の問題を考え、弱い立場にある人たちのことを念頭において、学びを今後の生活に反映させていく。仏教の徒として、歴史と伝統を備えた場での学びが始まっています。

01 何もわからない中で始まった大学生活

戸次:今年は何と言っても新型コロナウイルスのために、今までの生活の中では全く想像もつかない1年になってしまったわけですけど、そんな中で高校の友達と最後の集大成を迎えて大学での新しい生活を始めるということになって、岡本君はどんな風に過ごしていましたか?
 
岡本:大学の入学式がなかったのが残念でしたけど、高校の卒業式は順調に行えました。3月の頭に卒業式があったので、予定通りにできてありがたかったです。
戸次:卒業式ができたのは良かったですね。でもだんだん感染が拡大してきて、大学の入学式はできなくて、いきなりオンライン授業になったよね。新入生にとっては大学がどんなところなのかっていうのもわからずにオンラインになって、授業はどうでしたか?
 
岡本:慣れないっていうのが一番ですね。先生も学生も。
 
戸次:そうなんですよね。2年生、3年生だったら通常の授業の様子を知ってるけど、新入生のみんなは全く初めてだったわけですからね。やっぱり物足りなかったですか?でもオンライン授業にも、良い面と悪い面があるよね。オンラインになったからそれまで発言のなかった人でも質問できるようになったとか、自宅から受けられるのが良いとか。岡本君の場合はどうでした?
 
岡本:ありがたかった面は、やっぱり家なので、自分のペースで勉強ができるっていう点です。悪かった点は、オンラインなのでだらけてしまう面もあったってことですね。
 
戸次:ペースをつくるのが難しいってことですね。授業によっては、普通の授業の時間帯にやるものもあれば、いわゆるオンデマンド方式って言って、自分で都合の良い時間に見るっていう形のものもありましたね。そうなると、生活リズムが狂ってくるっていうことはありますよね。友達はできてます?
岡本:おかげさまで。オンライン授業だったら知り合えなかったので、対面授業になってありがたいです。
 
戸次:新しい友達ができる前からオンラインになっちゃったからね、本当にそれはかわいそうだと思います。大学の友達は、同じ学科の人たちが中心ですか?
 
岡本:はい。他の学科の人たちとは、まだあまり喋ったことがないですね。
 
戸次:大学生ですから、アルバイトしながら交友関係を広めていったりすることもあるんですけど、今はバイト先が休業になったりするところもありますしね。アルバイトはやっていますか?
 
岡本:いえ、やってないです。
 
戸次:私も最初はそうでした。大学に慣れるために、大学1年生の最初の頃はアルバイトはしてなかった。だんだん様子がわかってくるようになると、アルバイトからいろいろ広がっていくこともあるから、バイトをするのも良いんですけどね。ただやっぱり注意しなければいけないのが、勉強に支障をきたさないようにすることですね。学業が第一ですから。

PROFILEプロフィール

  • 戸次 顕彰

    文学部仏教学科 講師



    1981年新潟県生まれ。2004年東洋大学文学部卒業、2009年大谷大学大学院文学研究科博士後期課程(仏教学専攻)満期退学。2011年博士(文学)。2009年大谷大学文学部任期制助教、2011年大谷大学非常勤講師ほか、2017年真宗大谷派親鸞仏教センター研究員を経て、2020年大谷大学文学部仏教学科講師着任。
    中国などの東アジア世界に伝わった仏教は、教義・修行のみならず、生活や対社会的なあり方など、さまざまな方面で変貌を遂げた。しかし一方では、それぞれの仏教者たちが、時代的課題を背負いつつ、変わらないものを保持して未来に教えを伝承していくことを志した。こうした仏道伝承の過程とその意義について考えている。特に現在は、中国における戒律文献の受容やそこに生じた律僧たちの問題意識に関して、南北朝時代から隋・唐代を中心に研究している。



  • 宗教系の高校で生徒会副会長を務め、生徒会活動の中でも仏教行事に参加してきた。既に僧籍を持っており、大学でも仏教への関心を深めたいと、迷わず仏教学科の門をくぐった。仏教学科で史料や経典を読む際に必須となるサンスクリットやチベット語、漢文などに悩まされてはいるものの、授業はどれも面白く感じている。
    仏教を通して現代の問題を考え、弱い立場にある人たちのことを念頭において、学びを今後の生活に反映させていく。仏教の徒として、歴史と伝統を備えた場での学びが始まっている。