宗教系の高校で充実した生活を送ってきた岡本君は、仏教への関心を深めたいと、迷わず仏教学科の門をくぐりました。仏教学科で史料や経典を読む際に必須となるサンスクリットやチベット語、漢文などに悩まされてはいるものの、授業はどれも面白いと言います。仏教を通して現代の問題を考え、弱い立場にある人たちのことを念頭において、学びを今後の生活に反映させていく。仏教の徒として、歴史と伝統を備えた場での学びが始まっています。

03 僧籍を取得して、仏教を学びに来た

OTANI'S VIEW

更新日:
戸次:岡本君に一番聞きたい質問なんですけど、大谷大学の仏教学科を選んだのは何でですか?
岡本:高校が真言宗の学校だったので、仏教について興味関心があったからです。生徒会活動で、御影供とか、高校が合同でやる花祭りに参加したりもしていたので。
 
戸次:いろいろな宗教系の高校が合同でやるんですか?
 
岡本:はい。浄土宗の東山高校とか、真宗の大谷高校も一緒でした。それに参加させていただいたりして、仏教っていいなと思って。
 
戸次:へえ、いろいろ経験してるんだね。寺院出身ではないということで、何かきっかけがあるんじゃないかなと思ったんだけど、そういう高校での活動が仏教学科入学の決め手になったんですね。他の学科とかは考えなかったですか?
 
岡本:考えなかったですね。父親が高野山とつながりがあって、勧めてもらって、高校の時に高野山で得度もさせていただいているんですよ。それで僧籍を持ってるんですけど、それも仏教学を選ぶきっかけになりました。
 
戸次:法名もある?
 
岡本:はい。希雲と言います。
 
戸次:なるほど、名前から一字取ってもらったんだね。じゃあ、仏教学を学ぶ際に、大谷大学にしようと思ったきっかけは何ですか?
 
岡本:10月ごろに一度オープンキャンパスに参加して、話を聞いていいなって思って。指定校制推薦で入学しました。
戸次:オープンキャンパスではどんな話を聞きましたか?
 
岡本:仏教学科には「現代仏教コース」があって、現代的な問題を仏教の観点から見るっていうことをやるって聞いて、そこが僕、一番やりたかったことなので、いいなと思って志望しました。
 
戸次:仏教系の大学は他にもありますけど、真言宗系の大学じゃなくて良かったんですね。
 
岡本:はい。あと、大谷大学が、仏教的な資料の貯蔵数が一番多かったのも決め手の1つです。歴史ある大学なのに、キャンパスがきれいなのも良い印象を受けました。

PROFILEプロフィール

  • 戸次 顕彰

    文学部仏教学科 講師



    1981年新潟県生まれ。2004年東洋大学文学部卒業、2009年大谷大学大学院文学研究科博士後期課程(仏教学専攻)満期退学。2011年博士(文学)。2009年大谷大学文学部任期制助教、2011年大谷大学非常勤講師ほか、2017年真宗大谷派親鸞仏教センター研究員を経て、2020年大谷大学文学部仏教学科講師着任。
    中国などの東アジア世界に伝わった仏教は、教義・修行のみならず、生活や対社会的なあり方など、さまざまな方面で変貌を遂げた。しかし一方では、それぞれの仏教者たちが、時代的課題を背負いつつ、変わらないものを保持して未来に教えを伝承していくことを志した。こうした仏道伝承の過程とその意義について考えている。特に現在は、中国における戒律文献の受容やそこに生じた律僧たちの問題意識に関して、南北朝時代から隋・唐代を中心に研究している。



  • 宗教系の高校で生徒会副会長を務め、生徒会活動の中でも仏教行事に参加してきた。既に僧籍を持っており、大学でも仏教への関心を深めたいと、迷わず仏教学科の門をくぐった。仏教学科で史料や経典を読む際に必須となるサンスクリットやチベット語、漢文などに悩まされてはいるものの、授業はどれも面白く感じている。
    仏教を通して現代の問題を考え、弱い立場にある人たちのことを念頭において、学びを今後の生活に反映させていく。仏教の徒として、歴史と伝統を備えた場での学びが始まっている。