ゲームでハマった刀に魅せられて、京都で歴史学を学びたいとやってきた中根さんのお気に入りは、古代の人びとの空想を絵にする授業です。資料を基に状況をイメージする力は、歴史学に欠かせません。歴史を学んだ人は、社会に出て働くようになっても、培った力を生かせるときが必ずやってきます。「歴史学は学問の王様だから」と魅力を語る先生の指導のもと、中根さんの探究が始まります。

06 大学生活を充実させるには、お金も欲しい

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大艸:バイトはしてる?
 
中根:はい。クリーニング屋さんの受付です。最初はサークルに入ろうと思ってたんですけど、一人暮らしが大変で、まずは生きていくのが先、と思って。結局そのままサークルには入らなくて。
 
大艸:まあサークルに入ってなくても友達はできるしな。僕も大学生の時はバイトばっかりしてたな。焼き鳥屋で焼いてたんやけど、それで焼き鳥大好きになった(笑)。じゃあ勉強には専念できる方じゃないですか?
中根:勉強ももちろんしますけど、私、生粋のアニメオタクなんです。映画も好きで。趣味にかけるお金は自分で稼げと言われてるんで、働かないと。
大艸:大学生活を充実させるためには結構お金がかかりますしね。
 
中根:外食すると一気にお金も飛んじゃいますしね。
 
大艸:勉強するのもお金かかるし。コピー代とかね。
 
中根:コピーに失敗すると、10円はすぐに飛んでいきますね(笑)。
 
大艸:ゼミ発表って、基本的には、自分の発表資料を全員分コピーするんですよ。僕は2年生の時に無茶苦茶厳しい授業があって。女の子は泣かされるし、再発表になるのは当たり前。資料集めをさせられるんですけど、自分の大学の資料だけで済ませたらアウト。近畿圏内の図書館の資料であれば取りに行きなさいって。
 
中根:じゃあ交通費もかかりますね。
 
大艸:そう。京都の図書館は大体行ったな。それでA3サイズの発表資料を20人分くらいコピーして。今となっては、無茶苦茶勉強になったなとは思います。二度と嫌やけどね(笑)。でも必死でやってると、ちょっと楽しんでる自分もいたな。こんな資料がここにあったんや、とかね。大体の人は3回か4回発表させられてて。僕は2回で済んだんです。今はコンプライアンスの問題もあってそこまではできないかもしれないですけど、自分でやるっていうことを叩き込まれたのは良かったと思います。卒業論文ってそういうもんですからね。自分で集めて自分で組み立てる。そういう風にして打ち込んでみると、勉強も楽しいって思えてくるんじゃないかと思いますよ。

PROFILEプロフィール

  • 大艸 啓

    文学部 歴史学科 講師



    1982年京都市生まれ。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。 同朋大学仏教文化研究所所員を経て、2018年大谷大学文学部歴史学科着任。
    日本古代の仏教史像を、様々な切り口から捉えなおすことを目指している。とくに正倉院文書を素材として、官人社会・都市社会の視角から仏教の展開を再構築することと、浄土信仰や太子信仰の黎明期の実態を明らかにすることに取り組んでいる。また、平安京の成立と展開についても関心があり、平安京以前の京都の歴史も視野に入れながら検討したいと考えている。



  • ゲームでハマった刀に魅せられて、京都で歴史学を学びたいと思い、大変だったAO入試のプレゼンもクリアし大谷大学へ入学。趣味にかけるお金はアルバイトで稼ぎつつ、もちろん勉強も大変だけど楽しくできている。お気に入りの授業は、古代の人びとの空想を絵にするもの。
    卒論のこと、めざす職業のこと、考えていかなければならないことはたくさんあるけれども、大学4年間で歴史学に浸って、将来に生かせる力をつけていこうと思っている。