文学部真宗学科を2003年度に卒業、大学院文学研究科(現 人文学研究科)真宗学専攻を2005年度に修了された山下孝裕さんに、在学中に学んだこと等について語っていただきました。
※このページに掲載されている内容は、取材当時(2024年9月)のものです。

相談対応をする山下さん
相談対応をする山下さん

大谷大学大学院修了後、他大学院の臨床心理学研究科に進学し、「仏教と心理療法」の研究をしました。仏教で語られる救済の思想が、現代で精神疾患等を抱えて苦悩している人々にも有効なのか、また、そうした人々への治療や支援に、新しい視点を提供できないかということを考えてきました。その後は、医療・教育分野でのカウンセラー、専門学校での臨床心理学講師として勤務し、今は臨床心理士・公認心理師として教育機関で働いています。
心理療法では、クライエントの心の状態を理解するために、様々な人格理論を準拠枠として見立てを行いますが、私はその準拠枠の一つとして仏教の人間理解・救済論を参考にしています。そのため、大谷大学での学びは、今の仕事に直結するものであり、仏教的視点をもってクライエントのプロセスに寄り添い、クライエント理解に繋げていけることが、自分の強みではないかと感じています。
仏教の学びは、一つの確固たる観点と価値観を教示してくれます。同時に、その観点に「問い」をもつ場面もあるのではないでしょうか。私にとって大谷大学での学びは、そのような「問い」を大切に、その「問い」と向きあい、親鸞聖人のような主体的な生き方を発見していくことでした。大学での学びが、豊かで大切な分岐点の一つになることを願っています。

PROFILEプロフィール

  • 山下 孝裕(やました たかひろ)

    文学部真宗学科 2003年度卒業、大学院文学研究科(現 人文学研究科)真宗学専攻修士課程 2005年度修了