文学部真宗学科を2022年度に卒業された有村 優さんに、在学中に学んだこと等について語っていただきました。
※このページに掲載されている内容は、取材当時(2026年5月)のものです。

現在、私は滋賀県にあるテレビ局・びわ湖放送に勤務しています。大谷大学卒業後に入社し、入社後3年間営業部で勤務した後、現在はメディア編成部に所属しています。
営業部では、多くのクライアントと関わる中で、相手の立場に立って考えることや、信頼関係を築くことの大切さを学びました。企業によって求人募集や知名度向上など求める内容が異なるため、それぞれのニーズに合わせた提案を行う必要があり、相手に応じて柔軟に対応する力も身についたと感じています。
また、私は社会で生きていく上で、仏教の教えや考え方は欠かせないものだと感じています。現在の仕事は、私自身これまであまり縁のなかった業界ではありますが、大学で仏教を学んだからこそ、さまざまな出来事を前向きに受け止め、受け入れられるようになったと思います。
社会人になると、学生時代とは違い、一人前の大人として求められ、責任も伴ってきます。学生の皆さんは、この文章だけ見るととてもプレッシャーに感じ、不安になると思いますが、必ず自分の成長に繋がるものだと確信しています。それぞれの知見を活かしながら、さらに学びを深め、高めていっていただければ嬉しいです。

あの一言が、滋賀を伝える仕事へ私を動かした

卒業式時の写真
卒業式時の写真

学生時代の私は、自分が将来どのような仕事に就きたいのか、はっきりと答えることができませんでした。そんな中、他府県出身の友人と話していた際に、「滋賀県って琵琶湖以外に何があるの?」と言われたことがありました。
幼い頃から滋賀県で育ち、この土地が大好きだった私にとって、その言葉は少し悔しく、寂しさを感じるものでした。しかし同時に、「自分の大好きな滋賀県には、まだまだ知られていない魅力がたくさんある」と改めて気づくきっかけにもなりました。
滋賀県には、豊かな自然や歴史、文化、人の温かさ、美味しい食べ物など、誇れるものが数多くあります。それにもかかわらず、その魅力が十分に伝わっていないのではないかと感じるようになりました。
そこから、「滋賀県の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい」「県内だけでなく、県外や世界にも発信していきたい」という思いが芽生え、その思いを形にできる仕事として、滋賀県のテレビ局で働く道を選びました。

現在、仕事を通して多くの県民の方々と出会う中で、改めて滋賀県の魅力や、人と人とのつながりの大切さを実感しています。また、自分の言葉や発信が、誰かに地域の魅力を知ってもらうきっかけになっていると感じられることに、大きなやりがいを感じています。
今振り返ると、当時は少し複雑な気持ちになった友人の言葉でしたが、その一言があったからこそ、自分自身と向き合い、進みたい道を見つけることができました。今では、自分の原動力となるきっかけを与えてくれたことに感謝しています。

困難を糧に

入社してからの3年間は、営業職として勤務していました。しかし、営業の仕事では何度もお断りを受け、思うように結果につながらず、悩む時期もありました。
そんな時に思い出したのが、大学で学んだ「煩悩の氷解けて功徳の水と成る」という教えでした。この教えは簡潔にまとめると、一見マイナスに思える経験も無駄ではなく、成長につながるという意味です。

その教えを思い返してからは、物事の捉え方が少しずつ変わっていきました。ただ結果を求めるのではなく、自分自身のお客様との向き合い方を見直し、相手の立場に立って考え、信頼関係を築くことの大切さを改めて意識するようになりました。
その結果、少しずつ成約にもつながるようになり、失敗や悩みも含めて、自分を成長させる大切な経験だったと実感しています。

現在はメディア編成部に所属し、業務の一つとしてSNS運営も担当しています。学生時代から「滋賀県の魅力を県外へ発信したい」という思いを持っていたため、現在その第一歩として、SNSを通して滋賀県の魅力を発信できていることに大きなやりがいを感じています。
まだ試行錯誤の日々ではありますが、「どうすれば滋賀県の魅力をより多くの方に分かりやすく、そして興味を持っていただけるのか」を常に考えながら取り組んでいます。今後はさらに発信力を高め、日本国内だけでなく、世界にも滋賀県の魅力を届けられるように工夫し、追求していきたいです。

人として生きるとは

職場で撮影した写真
職場で撮影した写真

現在、私は仕事をしながら平凡な日々を過ごしているように思います。しかし、その「当たり前」の日常は、これまでずっと支え続けてくれた家族や友人、先生方の存在があってこそ成り立っているのだと実感しています。
また、社会人となった今も、環境が変わった先で、会社の上司や同期の方々に支えていただきながら毎日を過ごしています。
人は、思わず日常や周囲の支えを当たり前のものとして捉えてしまいがちです。しかし、人は決して一人では生きていくことはできません。誰かに支えられ、誰かと関わりながら生きているからこそ、今の自分があるのだと思います。

生きるということは決して当たり前ではなく、かけがえのない毎日の積み重ねです。だからこそ、周囲の方々への感謝の気持ちを忘れず、これからも一日一日を大切に過ごしていきたいと考えています。
仏教の教えは日々の生活とかけ離れている存在ではなく、日々の出来事や人とのつながりの中に息づいているものだと思います。
今後も多くの人との出会いや関わりを通して、「人間として生きること」の意味を、これからも問い続けていきたいと思っています。

PROFILEプロフィール

  • 有村 優(ありむら ゆう)

    文学部真宗学科 2022年度卒業