こだわっている古着のことについて、語りだしたら止まらないほどの熱情を持っている青山君は、卒論でも古着について取り組みます。自分の足でデータを集めに行ったり、自主的に気になることをまとめたりして卒論に備える一方で、純粋に古着を楽しみたいから、仕事にはしたくないと、将来の希望もはっきりしています。1年生の時にも対談した先生に温かく見守ってもらいながら、好きなことをとことん追求しています。

05 大学では、ハマることに専念する

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青山:僕最近、ヨーロッパで作られてるピンバッジにハマってるんですよ。ヨーロッパの人って、個性を出すためにピンを使うと思うんですけど、1つ1つ違うんです。
 
脇中:この頃はSDGsとかピンクリボンのバッジをつけてる人もいますよね。私は犯罪のことをあつかってるので、弁護士バッジをよく見ますけどね。大谷大学のバッジもあるの知ってる?あれには興味ないの?
 
青山:ないです(笑)。デザインが良くて、ちょっとくすんでるぐらいのものがいいんですよ。普通に色が出てるのはアンティーク感がなくて。
 
脇中:じゃあその辺で売ってるご当地バッジじゃだめなんだ。
 
青山:そうですね。ピンバッジもフリーマーケットに探しに行ったりします。
 
脇中:自分で探しに行くんだね。卒論用のデータも集めてる?
 
青山:自分の気になったことについてはデータ集めはしてます。古着屋に電話をして、店長さんに話を聞いたりとか。
脇中:現地へ調査に行ったりするフィールドワークの授業は取った?
 
青山:1年生のときの授業は取りました。3年生のフィールドワークはめっちゃ大変って聞いて、取ってないです。同じ2単位とは思えないくらいだって。
 
脇中:そうか。お年寄りに話を聞きに行くっていうのもあるからね。好きな人は好きで、面白いと思うらしいけど。卒論のデータ集めは体当たりでかき集める感じ?
 
青山:そうです。とりあえずメーカーの歴史を深掘りしたり、年代物でどういうのが流行ったりとかをまとめたり。
 
脇中:古着を社会学的に考えると、廃棄の問題があるよね。
 
青山:はい。アフリカで服が必要だからって言って、日本も含めていろんな国が送るんですけど、実は廃棄される量がすごく多くて、社会問題になってますよね。大量の古着がごみの山みたいに積まれてて。送ってくれるのは嬉しいけど、ありがた迷惑というか。
 
脇中:あるブランドでは、売れ残りは燃やしてるっていう話もあるけどね。そういう社会問題系を扱うのかと思ったら、青山君は好きな方に突っ走ってるよね。それはそれでいいかと思ってるけど。大学も遠いのに通い続けてくれて、しかも楽しそうにしてるから。
 
青山:そうですね。大学に入ってやることができたっていうのはデカいですね。古着の知識を今のうちにいっぱい身につけておくことができるのは、大学に入って良かったことだと思います。

PROFILEプロフィール

  • 脇中 洋

    社会学部 現代社会学科 教授



    1959年東京生まれ。京都大学農学部を経て、1996年立命館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。1999年花園大学講師、2002年同助教授、2006年教授。2008年より大谷大学教授、現在に至る。臨床心理士、保育士。
    「コミュニケーションの発達的変容」を研究テーマとして、以下の個別課題に取り組んでいる。「乳児の初期コミュニケーションの生成と変容」「発達障害児や聾児の対人コミュニケーション」「取調べにおける供述分析」「高次脳機能障害者のピアサポートによる自己の再構築」「犯罪加害者の更生」。いずれの課題も、「ヒトはどこまで変わりうるのか」の探求を目指している。



  • 1年生の対談時に脇中先生から、研究は「できることではなく、好きなことから始める」とのアドバイスを受けたとおり、卒論の研究テーマは、語り出したら止まらないほどの熱情を持っている古着について。自分の足でデータを集めに行ったり、自主的に気になることをまとめたりして卒論に備える。
    その一方で、純粋に古着を楽しみたいから仕事にはしたくない、とワークライフバランスの視点で考え、最近興味を持ち始めたIT関係で、特に企画や開発に関わる仕事を希望している。早期選考を狙って、就職活動も既に始めている。