こだわっている古着のことについて、語りだしたら止まらないほどの熱情を持っている青山君は、卒論でも古着について取り組みます。自分の足でデータを集めに行ったり、自主的に気になることをまとめたりして卒論に備える一方で、純粋に古着を楽しみたいから、仕事にはしたくないと、将来の希望もはっきりしています。1年生の時にも対談した先生に温かく見守ってもらいながら、好きなことをとことん追求しています。

02 面接では、自分を見てもらうために話す

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脇中:就活で大変なことは?
 
青山:リモートの面接は、それ用に練習もしないといけないし、それなりに大変です。目の前に人がいるのといないのとでは全然違うんですよね。画面越しだと場の空気も掴めないし。
 
脇中:面接は1対1?
 
青山:それもありますし、1対3とかもあります。
 
脇中:他の学生さんがいないのはいいよね。目の前で比較されるのは嫌だし。それにしてもすごい長期戦だね。足掛け2年就活するってことか。
 
青山:そうですね。早期選考で受かりたかったので、その場合は早め早めに動けって聞いてたので。
 
脇中:なんで早いのが良いの?
 
青山:卒論があるので。就活してると、なかなか卒論の時間が取れないと思って。
 
脇中:そうか。だいたい現代社会学科の学生さんって3年生の前期までに概ね卒業に必要な単位を取って、あとはゼミってくらいにしておいてから就活をする人が多いんだよね。でも、4年生の夏から動いたのに、あっという間に決まるっていう人もいるよね。ああいう人は、何でだと思う?
青山:そうですね……、人材業界とかベンチャーって、内定が決まるのが早いんですよ。そういうところを選ぶと、2週間で内定っていう人もいるって聞きます。
 
脇中:そういうところでは、どこを見られてるの?
 
青山:やっぱり個性ですかね。だから僕も面接では、自分が思うことはしゃべろうと思ってます。
 
脇中:早く決まる人って、マッチングもうまくいってると思うんだよね。企業が欲しい人とぴったり合うというか。そう言えば、「ガクチカ」ってあるでしょ。「学生時代に力を入れたこと」。あれは何を?
 
青山:僕は趣味のエレクトーンです。
 
脇中:卒論のテーマにした古着のことは言わないの?
 
青山:それは卒論の欄に書いてます。書く欄が違うんですよ。卒論とガクチカと特徴、3つ書くところがあるんで、僕は古着、エレクトーン、バイトって書いてます。
 
脇中:その3本の矢で押していくのか。

PROFILEプロフィール

  • 脇中 洋

    社会学部 現代社会学科 教授



    1959年東京生まれ。京都大学農学部を経て、1996年立命館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。1999年花園大学講師、2002年同助教授、2006年教授。2008年より大谷大学教授、現在に至る。臨床心理士、保育士。
    「コミュニケーションの発達的変容」を研究テーマとして、以下の個別課題に取り組んでいる。「乳児の初期コミュニケーションの生成と変容」「発達障害児や聾児の対人コミュニケーション」「取調べにおける供述分析」「高次脳機能障害者のピアサポートによる自己の再構築」「犯罪加害者の更生」。いずれの課題も、「ヒトはどこまで変わりうるのか」の探求を目指している。



  • 1年生の対談時に脇中先生から、研究は「できることではなく、好きなことから始める」とのアドバイスを受けたとおり、卒論の研究テーマは、語り出したら止まらないほどの熱情を持っている古着について。自分の足でデータを集めに行ったり、自主的に気になることをまとめたりして卒論に備える。
    その一方で、純粋に古着を楽しみたいから仕事にはしたくない、とワークライフバランスの視点で考え、最近興味を持ち始めたIT関係で、特に企画や開発に関わる仕事を希望している。早期選考を狙って、就職活動も既に始めている。