高校卒業後は漠然と就職を考えていた小佐野さんですが、学ぶことの面白さを知り、自分で進路を選びたいと思って進学を決めました。大学は、大きなことを大きな視野で考えられる場所であり、機会であると話す先生からは、「学問をする」ことの大切さを教わります。歴史学科で根本を学ぶ学生だからこそ、何事にも自分なりの問いを立てられるというプライドを持つ小佐野さんは、過去を学びつつ、まっすぐに前を見つめています。

02 知識を得るのが楽しくて、大学に行こうと思った

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古川:どんな高校時代でしたか?
 
小佐野:真面目やったと思います。高校入学時は大学に進学するつもりじゃなかったんですよ。就職の気持ちが7割くらいで、勉強はほどほどに頑張ってた感じです。
 
古川:就職しようって思ってたのは、ご家庭を助けたいという気持ちで?それとも自分は大学に向いてないと思ってた?
 
小佐野:半分半分くらいです。そもそもやりたいことがあんまりなかったんですよ。したいことがないのにお金をかけてとりあえず大学に行くっていうのは違うかなって思いましたし。家に余裕があるわけでもないので、就職かなと思っていました。
 
古川:そこからなぜ大学に行こうと思ったんですか?
 
小佐野:勉強には興味がなかったんですけど、とりあえず勉強はしてたんです。それで、自分の学力的には余裕のある高校に入ったので、ちょっと知識を楽しめる余裕ができたんですね。授業も余裕を持って聞けてたので「勉強楽しいかもしれへんな」っていう気持ちが生まれて。そうやって過ごしてて、就職を考えるかってなったときに、高校から自分のイメージに合う就職先が提示されなかったんです。高卒で就職すると、決められたところから選ぶしかないんだってわかって。それで家族とか先生と話しながら、大学に行って勉強して、自分の興味の幅も調べてちゃんと自分で進路を選んだ方が良いって思えて、大学で勉強するのもありだなと思いました。4年間の余裕を作るというか。
古川:素晴らしいですね。知識が楽しいから大学に行こうっていうのは、最終的には生きることが楽しいと言うか、前向きに生きることにつながっていくと思うんです。ぜひ学ぶことを生きる力にしてほしいと思います。具体的に大谷大学を選んだ理由は?
 
小佐野:高校の時に日本史を専攻していて興味があったので、歴史を学びたいと思って、環境が整っていそうな京都の大学に行こうと思いました。そこからいくつかの大学のオープンキャンパスに行って、雰囲気とか設備とか、実際に受けた授業とかの直感で決めました。
 
古川:オープンキャンパスに来てくれたんだ?模擬授業も受けた?
 
小佐野:はい。去年の8月に来て、浅見先生の中国の木簡の授業を受けました。
 
古川:その時に、歴史学科のブースに行きました?
 
小佐野:行ってないんですよ。
 
古川:私はそこに1日中ずっと座ってたんですけどね(笑)。大谷大学の雰囲気はどう?
小佐野:いいなって思ったのは、慶聞館のガラス窓です。歴史学って机に向かって学ぶってイメージだったんですけど、教室が開けてるだけでそういうイメージが緩和されて、この環境は良いなと思って。外の雰囲気も良いし。
 
古川:開放感を感じてくれてるんですね。大きさはどう?
 
小佐野:私、大学はこじんまりしてた方がいいなって思う方で。広い大学は教室を移動するのも大変だと思うので、小さくて良いなと思ってました。
 
古川:私も本当にそう思うんですよ。キャンパス内の移動にバスを利用しないといけない大学もありますからね。

PROFILEプロフィール

  • 古川 哲史

    文学部 歴史学科 教授



    神戸市生まれ。広島大学総合科学部・総合科学科卒業。在学中、日本-アフリカ文化交流学院(在ケニア)に留学。その後、広島大学大学院社会科学研究科・イギリス地域研究講座、オハイオ大学国際事情研究所大学院・アフリカ研究講座(在アメリカ合衆国)、京都大学大学院人間・環境学研究科・共生文明論講座などで学ぶ。日本学術振興会特別研究員(史学・日本史)、京都大学総合人間学部研修員、国立民族学博物館共同研究員、明治学院大学国際学部在外研究員など。オハイオ大学、オハイオ州立刑務所、コロンバス日本語補習校、同志社女子大学、立命館大学、京都市立芸術大学、松下看護専門学校等で教える。2005年、大谷大学文学部・国際文化学科に赴任。2018年より歴史学科・世界史コースに所属、現在に至る。
    これまで、日本やアメリカ、アフリカの歴史と文化に関心を向けてきた。近現代の日本とアメリカやアフリカとの関係史にも取り組んでいる。



  • 高校卒業後は漠然と就職を考えていたが、学ぶことの面白さを知り進学を決めた。興味のあった歴史を学ぶため、京都の大学をめざすことにし、さらにオープンキャンパスに参加して雰囲気や設備などを確かめた結果、大谷大学を受験することにした。
    何事にも自分なりの問いを立てられるよう心掛けている。将来の夢はまだないが、大学4年間で、身近にある時事問題などに対して、1人の人間としてちゃんとした考えを持つことをいちばんの目標とし、まっすぐに前を見つめている。