2026年度公立学校教員採用試験(京都府)に合格した教育学部教育学科初等教育コース第4学年の鋸﨑透哉さんに、小学校教員を目指したきっかけや教員採用試験合格に向けて取り組んだこと、学生生活を振り返って感じた自分自身の成長や変化について語っていただきました。
※プロフィール欄に表記の学年は取材当時(2025年度)のものです。

小学校の先生を目指したきっかけ、また進学先として大谷大学を選んだ理由をお聞かせください。

教える喜びに気づいた瞬間と、大谷大学での学び

私が小学校教員を目指すようになったきっかけは、当時中学生だった私が小学生の妹に勉強を教えた経験です。「わかった!」と笑顔を見せてくれたことがとても嬉しく、教えることの楽しさを心から感じました。自分が教えたことで理解してくれたという喜びが強く心に残り、この経験が小学校教員を目指すきっかけとなりました。

大谷大学を選んだ理由は2つあります。1つは少人数で学べる点です。1クラス15人ほどの少人数体制であり、模擬授業を担当する機会が多く、他大学と比べて、実践的に学べる環境が整っていると感じます。また、人数が少ない分、自然と意見を述べる場面が増えるため、積極性が身につきました。

2つ目は学びのサポートが充実している点です。豊富な現場経験を持つ先生方や教職アドバイザーの存在、多くの模擬教室など教員を目指す学生にとって心強い環境が揃っていました。少人数だからこそ一人ひとりが手厚いサポートを受けることができるのも大谷大学の魅力の1つです。私自身も教員採用試験に向けて、これらのサポートを大いに活用しました。

その後、大谷大学へ進学し、小学校での学校ボランティア(※1)や京都府教師力養成講座(※2)など実際に教育現場で子どもたちと関わる中で、児童の成長を身近に支えることのできる小学校教員という仕事に大きなやりがいを感じ、教員になりたいという思いがより一層強くなりました。
※1 学校ボランティア…教育現場において担当教員のもとで授業のサポートや部活動の指導補助を行う活動。教壇に立つ前に実際の教育現場を体験できる貴重な機会であり、児童・生徒への指導方法や関わり方を実践的に学ぶことができる。教育学部では第1学年に実践体験活動演習の授業の一環として参加するほか、自己開拓や教職アドバイザーの紹介を通じて参加します。

※2 京都府教師力養成講座…京都府が実施する、教員志望者向けの実践的プログラムです。講義や演習を通して指導力や基礎知識を身につけられ、条件を満たせば教員採用試験で小論文以外の筆記試験が免除されます。受講までに京都府による選考も行われるため、大谷大学では希望者に小論文や面接の対策サポートも行っています。

教員採用試験合格に向けて、4年間の学生生活で力を入れて取り組んだことをお聞かせください。

実践経験を重ねて得た教職への確かな自信

教師力養成講座で授業をした時の様子
教師力養成講座で授業をした時の様子

私が4年間で特に力を入れたのは、学校ボランティアや介護等体験、そして京都府教師力養成講座を通した実践的な学びです。

学校ボランティアには第1学年の春から参加し、その後も同じ小学校で継続して活動しました。早い段階から現場に入る経験はとても貴重で、授業だけでは得られない学びがたくさんありました。第3学年では特別支援学校や老人ホームでの介護等体験を行い、子どもだけではなく地域の幅広い方々と関わる経験を積むことができました。

さらに、2025年2月から5月には京都府教師力養成講座を受講しました。「夢・未来」講座や「教育実践演習」を通して20回以上小学校に通い、向日市や宇治市など京都府内の学校でも活動しました。地域によって子どもの雰囲気や学校文化が大きく違うことを実感し、京都市だけでなく京都府全体を視野に入れて教員採用試験を考えるようになりました。

教育実践演習では授業の担当に加え、朝の会や給食指導、掃除、宿題の丸付けなど担任業務も幅広く経験しました。年度末や卒業式、入学式といった貴重な時期に関われたこと、現場の先生から直接アドバイスをいただけたことは大きな学びでした。また、現場で働いている教員のお話や保護者の方々との対話を通じて、教育の現状も深く理解することが出来ました。

こうした実践経験のおかげで、教員採用試験には自信をもって臨むことができ、第4学年での教育実習も不安が少なく、充実したものになりました。

本学での4年間を振り返って、自身が成長した、変わったと感じることをお聞かせください。

主体的な学びを通して築いた計画力とコミュニケーション力

大学生活を振り返って、特に成長したと感じる点は2つあります。
1つ目は計画力です。入学前は将来の見通しをあまり持たず「教員になれたらいい」という漠然とした思いでした。しかし、授業を通して教員の責任の重さを実感し、教員採用試験合格を明確な目標に据えてからは、1年間のスケジュールを月単位で細かく計画し、自分の行動を整理しながら進める習慣が身につきました。この積み重ねが合格につながったと感じています。

2つ目は、人前で話す力です。入学前は大勢の前で話すことが苦手でしたが、新入生歓迎実行委員会でリーダーを務めた経験や、模擬授業を重ねる中で苦手意識が徐々に薄れていき、今では人前で話すことが得意だと言えるようになりました。少人数制の環境で発表の機会が多かったことが、この成長を支えてくれたと感じています。

さまざまな活動の中でうまくいかず悩むこともありましたが、仲間や先生方が身近にいて相談しやすい環境だったことが支えになりました。振り返ると、つらいこと以上に学びや喜びが多く、充実した4年間だったと思います。

  • クラス最後の授業日に撮った写真
    クラス最後の授業日に撮った写真
  • 大学の模擬授業の様子
    大学の模擬授業の様子
  • おおたにキッズキャンパスに参加した時の様子
    おおたにキッズキャンパスに参加した時の様子

教員を目指す高校生に、メッセージをお願いします。

行動した分だけ成長できる。挑戦が未来を切り拓く

教員になるために必要なことを書いたメモリーツリー
教員になるために必要なことを書いたメモリーツリー

大学生活は、自分がどのように行動するかによって充実度が大きく変わると思います。私自身、京都府教師力養成講座を受けていなければ教員採用試験に合格できていなかったかもしれませんし、来年4月から教壇に立つことが決まっている今も、不安を抱えたままだったかもしれません。そう考えると、早い段階から経験を積めたことは本当に良かったと思っています。だからこそ、高校生の皆さんには、興味を持ったことには前向きに、積極的に挑戦してほしいと伝えたいです。挑戦を重ねることで人とのつながりが広がり、将来の選択肢も大きく広がるはずです。

また、小学校教員を目指す方にとって、大谷大学はとても学びやすい環境が整っていると感じています。小学校教員は全教科を教えるため、授業づくりや苦手教科の克服など大変なことも多くあります。しかし、その一方で小学校時代を思い出しながら、子どもとは違う視点で学び直せる面白さもあります。忙しさはありますが、その中に大きなやりがいや成長の機会があるので、ぜひ前向きに取り組んでほしいと思います。

私自身、小学校教員になるという夢は実現できましたが、合格までには多くの失敗や挫折を経験しました。高校生の皆さんも学校生活の中で悩むことや、うまくいかないことがあるかもしれません。しかし、あきらめずに挑戦を続ければ、必ず自分の力になります。

高校生の皆さんには、ぜひ積極的に行動し、多くの経験を積みながら充実した学校生活を送ってほしいと思います。皆さんの未来が実りあるものになることを心から願っています。

PROFILEプロフィール

  • 鋸﨑 透哉

    教育学部 教育学科 初等教育コース 第4学年

    のこざき とおや
    京都府立北嵯峨高等学校卒業
    2022年4月 大谷大学 教育学部教育学科 初等教育コース入学
    2026年4月 公立学校教員採用予定(京都府)