2021年度公立学校教員採用試験に合格した教育学部教育学科初等教育コース第4学年の春末京香さんに小学校教諭を目指したきっかけ、今後の展望についてインタビューしました。
※プロフィール欄に表記の学年は取材当時(2021年度)のものです。

きっかけは自分自身の「辛い経験」だった

幼い頃は幼稚園の先生が大好きで憧れを抱いていて、いつかは自分も先生になるんだとぼんやりと思っていました。
しかし、コロナ禍での学生生活を送るなか、本当にしたいことはこの職なのかと迷う時期もありました。
思い起こせば、これまで一番学校に行くのが辛かったのは中学生の頃で、人間関係に大きく蹟き自分を見失っていました。
このことを思い出し、人の痛みの分かる教師になると決心したのが、この道に進むきっかけです。

思いやりが溢れ、自ら動き出せる子どもを社会へ

人間関係で辛い経験をする子どもが増えて欲しくないという気持ちは、人一倍強く持っています。年を重ね初心に戻るなら、このことが一番最初に思い浮かぶと思います。
心身ともに著しく成長する小学生の時期に、自分自身も周囲の人々も大切にできる心を養いたいと考えています。思いやりが溢れ、自ら動き出せる子どもたちを社会へ送り出したいという気持ちです。

人を惹きつける力「磁力(じりき)」

過去のノートをめくっていると、「人を惹きつける力、磁力(じりき)」 とメモしてありました。子どもが安心できる空間づくりのために、学習面と生活面のどちらにも思考を巡らせ、私の人間性で子どもたちを惹き付けられればと思っています。
また、真宗大谷派教師資格を取得する過程で、人権について考える様々な場に恵まれました。そして、「自分のものさし」で物事を量っていないか、と自己に問い、真剣に考える貴重な時間を送ることができました。教師となる以前に、一人の人間、一人の大人としてあるべき姿を探し、自分の当たり前が世の当たり前ではないことを知りました。
大谷大学では、人間性を培う時間が沢山あるため、ーコマーコマを無駄にせず、自分と向き合うことが何より大切なことだと実感しています。

教員採用試験に向けた「教職アドバイザー」による的確な指導

教職支援センター
教職支援センターに豊富に設置されている各種参考書

面接講座では、共に採用試験を受ける仲間が見ているなかで行われ、大変緊張しましたが、自分を客観視してくれる人がいることや、質問に対する仲間の答え方や態度等をみることで、面接のコツを掴め人前で受け答えをする度胸がつきました。
また、教職支援センターには教員をされていたアドバイザーの先生方がいらっしゃるので、試験直前は模擬授業や個人面接練習によく付き添っていただきました。

地元を離れ「京都」での学生生活は大きな財産

将来教員になることを目標に、教育活動が盛んで、歴史深い京都の地で日々学ぶなかで、4年も過ごすと当然ながら多種多様な人と出会います。
そして、「こうでなければならない」という固定観念にとらわれない大切さを教えてもらいました。物事を見る視点や考え方、これからの教育方法へのヒントとなる学びの種を見つけられたような感覚を持てたことは、私の財産です。

まだまだ知らない地元の良さを発見しながら、大谷大学と京都での学びの収穫と上手く合わせ、いつか教師として花を咲かせ実を結ぶことができるように頑張っていきたいです。

子どもと一緒に学び続け、お互いを認め合える温かな空間を

学校現場で子どもたちと関わると、それぞれが不安や悩みを抱え、日によっては今すぐ聞いて欲しい最新ニュースのような話題を持っていることが分かります。
自分の存在や思いに気付いて欲しいという子どもたちの気持ちが伝わってくると同時に、一人ひとりに接する教師の時間は非常に少なく限られていることも実感できました。

どのような状況下でも子どもを第一に考えることだけは頭から離れないようにしたいです。また、自分が先生方を好きでいた時のように、教師として「約束を守ること」「裏が無いこと」「笑顔でいること」を実践しようと思います。子どもと一緒に学び続け、お互いを認め合える温かな空間を作っていくこと、信頼し合える関係性を築くことを実現したいです。

PROFILEプロフィール

  • 春末 京香

    教育学部 教育学科 初等教育コース 第4学年

    はるすえ きょうか
    大分県立日田高等学校卒業
    2018年4月 大谷大学教育学部教育学科(初等教育コース)入学
    2022年4月 大分県教育委員会採用予定