他大学を辞めて哲学科に入り直してきた黒川さんは、先生との距離が近い環境で念願だった哲学を学べていることをとても喜んでいます。ゼミでの問いに頭を悩ませ、友人の発言に刺激を受け、考えを深める過程を楽しいと感じています。関心の赴くままに新しいことに挑戦しながら、自分を見つめる過程で見えてくるものと、頑張らなくても自分の中に残っていくものを大切にして、学びの4年間を丁寧に過ごしています。

01 他大学を辞めて、谷大に哲学を学びに来た

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脇坂:1年目も終わりに近づいてきてるけど、ここまで過ごしてみてどうですか?
 
黒川:私は昨年まで違う大学に行ってたんですけど、前の学校はすごく大きくて、先生との距離も遠かったんですよ。でもここは全然違って、興味ある分野の勉強ができているので楽しいです。
脇坂:前の大学を辞めたのはなんで?
 
黒川:元々哲学をしたかったんですけど、受験で落ちてしまって。とりあえず滑り止めで受けてた大学に進んだんです。一般教養で哲学の授業を取って、3年生で別の大学の哲学科に編入しようって考えてたんですけど、私が取った哲学の授業が日常生活に即したもので、授業後に質問してもあんまり答えてもらえなくて。このまま3年時で編入しても、1年生から哲学をやって来た人との差は大きいなって思ったり、そこの勉強にもあんまり興味が持てなくて。
 
脇坂:そっか。それで選び直したときに、大谷大学を選んだのはどうして?
 
黒川:偏差値だけじゃなくて、ちゃんと大学を見て選ぼうと思ったんです。前の大学は、初めてキャンパスに行ったのが入学式の時で、よく知らないで入ったのが大きな間違いだったなって思ったので、大谷大学はオープンキャンパスに来ました。私は心理学にも興味があるんですけど、前の大学はお金を払わないと他学部の聴講ができなかったのに、谷大はできることとか、先生方と話してみて、ここがいいなって思いました。
脇坂:そっかそっか。他学部の人が来たことはないけど、大谷の哲学科のゼミは卒業生が来ることはあるよ(笑)。
 
黒川:自分自身が学びたいっていう姿勢があるからってこともあると思うんですけど、先生に質問したらお時間を作ってくださったり、授業後とかも積極的に答えてくださるんで、先生との距離も近いなって思います。
 
脇坂:「公共哲学」の授業の時に、黒川さんが「全然哲学の本を読んだことないから、どんな本を読んだらいいですか?」とか「授業の中で出てくる基礎知識がないから、なんか良い本ないですか?」って聞いてきたよね。よく覚えてます。そういう時に紹介してもらった本って、読みますか?
 
黒川:そうですね。図書館に行って多少は読んだりします。授業で紹介してもらった本も読みたいんですけど、なかなか忙しくて。
 
脇坂:どんなことで忙しいの?
 
黒川:最初はバイトが忙しかったです。この大学に入る前に、空いてた期間でバイトをやってて、その流れで大学生になっちゃったんで、週5とかでバイトが入ってて。このままじゃまずいなと思って辞めた後は、外部で演劇をやってて、台本を読み込んだりするので忙しいです。
 
脇坂:私のゼミって、毎年必ず演劇やってる人がいるんだよね。あなたも演劇の人だったんですね。

PROFILEプロフィール

  • 脇坂 真弥

    文学部 哲学科 准教授



    1964年広島県生まれ。1996年京都大学大学院文学研究科博士後期課程宗教学専攻満期退学。2000年博士(文学)。2003年より東京理科大学理工学部教養教員を経て、2014年より大谷大学文学部准教授。
    倫理は善悪や正不正に関わる規範の問題である。こうした規範は単なる主観的なものではなく、そこには何らかの普遍的基準がある。この基準を知り、それに自ら従う自律(自由)、逆にそこから逸れてしまうこと(悪)などの問題を、カントやヴェイユの宗教哲学から考えている。



  • 他大学を辞めて、オープンキャンパスで知った大谷大学が自分に合っていると思い、入り直した。先生との距離が近い環境で念願だった哲学を学べていることが今の喜び。ゼミでの問いに頭を悩ませ、友人の発言に刺激を受け、考えを深める過程を楽しいと感じている。
    関心の赴くままに新しいことに挑戦しながら、自分を見つめる過程で見えてくるものと、頑張らなくても自分の中に残っていくものを大切にして、学びの4年間を丁寧に過ごしている。