研究内容

庶民の文学享受が研究課題です。江戸時代になり、庶民が文化の担い手となり、庶民文化が花開きます。そのなかで、庶民を対象とした仮名草子を主な研究対象です。特に浄土真宗の僧でもあった浅井了意や禅宗の僧であった鈴木正三は数多くの著作を残しています。現在は、その著作の文学性や庶民教化の姿勢、その背景にあるものについて考えています。特に、仏教や儒教の思想がどのような役割を果たしているのかといったことに関心を持っています。

ゼミ紹介

近世の怪談を読む

ゼミでは、主に江戸時代の文学作品を読んでいます。その中でも、特に江戸時代初期に武士や貴族、僧侶などの知識人によって著された「仮名草子」と呼ばれる作品群を対象としています。本年度は、昨年度に続いて、百物語怪談集の先駆けであるとともに、諸国物としての性格を持つ『諸国百物語』を読み進めていきます。怪談集や諸国物は江戸時代に盛んに出版されます。その両方の性格を有する『諸国百物語』を読み進めることで、『諸国百物語』のような書物が生まれた背景、江戸時代の庶民たちが文学に求めたものについて考えます。

主な担当授業科目

【院】仏教文化研究/国文学概論/文学科演習/国語科教育法

所属学会

日本近世文学会/全国大学国語国文学会/全国大学国語教育学会/日本文学協会

経歴・活動歴

大谷大学大学院文学研究科博士後期課程退学。文学修士。大谷中高等学校常勤講師、専任講師を経て、2012年大谷大学文学部専任講師に着任。2014年同大学准教授、2020年同大学教授。

主要著書・論文

共著

  • 『魚太平記-校本と研究-』(勉誠社、1995年)
  • 『明義進行集 影印・翻刻』(法蔵館、2001年)

論文

  • 「『因果物語』の位相 — 平仮名本と片仮名本の編集意図について —」
  • 浅井了意『勧信念仏集』の成立 — 平仮名本による女人教化の試み —
  • 『沙石集』「先生の父の雉になりたるを殺したる事」を読む —「言語文化」の授業について考える—