面白かった数学の授業をきっかけに、子どもたちがワクワクするような授業ができる先生になりたいと希望している村上さんは、授業ではいつも一番前に座って話を聞いています。先生になろうと志して授業を受けると、教わるすべてのことが先生になるために必要なことだと思えるようになってきました。模擬授業を通して、生徒の気持ちも先生の気持ちも理解でき、どうしたら良い授業ができるかと、常に考えを巡らせる毎日を過ごしています。

01 大学の授業を受けて、先生の教え方も気になってきた

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江森:どうして大谷大学に?
 
村上:私は高校ではずっとバスケをしていたんですけど、最後の高校総体がコロナ禍のために開催されなくなったって分かったときに、もう勉強に切り替えようと思って部活を引退したんです。でもやっぱり最後までやり切れなかったっていう思いがあって、勉強にもあんまり身が入らなくて。高3の夏休みになって本格的に勉強をするようになっても行きたい大学も決まってなかったんです。国公立大学を目指すクラスに入っていたんですけど、私立も見てみようってなったときに、何となく京都に行きたいって思って。
 
そうして大学を調べてて気になったのが大谷です。オープンキャンパスに来た時に、キャンパスがすごくきれいで、こんなところで勉強できるんだったら受験も頑張れるかもしれないって思って。それまでは国公立大学のオープンキャンパスに行っていたんですが、ほとんどのキャンパスは古くて綺麗じゃなかったんですよ(笑)。私の思い描いていた大学生活とは全然違って。その上で見た大谷大学だったので、余計に「ここしかない」って思って。教育学部は新しいっていうのもわかったし、ここなら頑張れるかもしれないと思って決めました。
 
江森:教育学部っていうのは早い段階から決めてたんですか?
 
村上:はい。中学校のときに1週間の職業体験をする機会があって、それまでは保育士になりたいと思っていたので保育園に行ったんですけど、結構大変で。子どもは好きだけどこんなにしんどいのは辛いと思ってしまって(笑)。
それでどうしようかなって思ったときに、中3の数学の先生を思い出したんです。数学は苦手だったんですけどその先生の授業は面白くて。学校の先生になったら、苦手な教科でも好きだって思ってもらえるようにできるんやっていうのを感じて、そこから学校の先生っていいなって思うようになって、先生になりたいっていう夢が決まりました。「この教科を教えたい」っていうはっきりした希望はなかったので、いろんな学年を見ることで楽しいって感じられるんじゃないかなって思って、小学校の先生になろうと教育学部に決めました。
 
江森:実際に大谷大学に入ってどんな感じでした?
村上:大学に入って一番びっくりしたのが、私が模擬授業をやるときとか前に立って話すときに、みんなと目が合うんですよ。みんな先生を目指してるからちゃんと話を聞くんですけど、さすがやなって思いました。高校までは、将来の夢が一緒の子ってあまりいないじゃないですか。でも大学では、みんな先生を目指してるから、誰かが模擬授業をしてる時も、この子はこういうやり方なんやなって思ったり、自分やったらこうするなって思ったり、授業中に考えることも、将来のためになってるんやなって感じられるようになりました。高校では進学するためだけの勉強ばっかりやったんですけど、大学だと、教育心理学とか、教科の授業も小学生に教えるための授業をやっていて、どの授業もめっちゃためになってるなって感じています。
 
江森:大学の授業を受けて、高校までの授業とは思いが変わったんですね。
 
村上:先生1人ひとりで教え方が違うんやなって感じています。同じ授業をする先生って本当にいないんですよね。高校までは意識してなかったけど、この先生の授業は真似したいとか、もっとこうしたらいいのに、とか、授業の内容を聞くだけじゃなくて、先生の教え方も気にするようになってきたかなと思います。

PROFILEプロフィール

  • 江森 英世

    教育学部 教育学科 教授



    1959年東京都生まれ。1994年筑波大学大学院博士課程教育学研究科単位取得満期退学。博士(教育学)。1994年関東学院大学工学部専任講師、1997年関東学院大学工学部助教授、2000年宇都宮大学教育学部助教授、2004年タイ王国コンケン大学客員教授(現在に至る)、2005年群馬大学教育学部助教授、2007年群馬大学教育学部准教授、2009年群馬大学教育学部教授、2011年群馬大学教育学部附属小学校校長(兼任)、2018年群馬大学名誉教授、2018年大谷大学教育学部教授。
    学習者にとって自然な思考にそう授業では、最初わからなかったことが、授業の進行を通して、だんだんわかってくるようになってくる。そして、そんな授業では、子どもたちから自然に、「なるほど、なるほど」という相槌が聞こえてくるようになる。「なるほど、なるほど、先生、だんだんわかってきたよ」という子どものつぶやきがでる授業を目指して、私たちの授業力・教師力を高めるために何ができるのかを考えている。



  • 保育士になりたいという思いから中学生の時に保育園で職業体験をするも、保育士の大変さを身をもって知ることとなった。その後、中3の時に数学の先生と出会ったことがきっかけで、小学校の先生を志す決意をした。
    大学での学びは、例えば模擬授業を通して生徒の気持ちも先生の気持ちも理解できるなど、教わるすべてのことが先生になるために必要なことだと思えるようになってきた。子どもたちがワクワクするような授業ができる先生になりたいと希望しており、どうしたら良い授業ができるかと、常に考えを巡らせる毎日を過ごしている。