子どもと一緒に学び続ける教師になりたいという思いを持って勉強を続ける渡邉さんは、コロナ禍での自宅学習期間を通して、社会が変わっていく様子を実感したと言います。直接会えなくても、授業の内容を「自分事」として捉えることができれば、歴史上の出来事も身近なこととして実感できます。技術を駆使し、工夫を重ね、「教えるだけ」の授業から発展させて、未来につながる学びを表現したいと、志を高く持っています。

01 先生という職業の魅力

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谷:前回お話を聞いてから2年が経ちましたが、いま一番考えていることは何ですか?
 
渡邉:そうですね、教師になりたいという気持ちと、本当に教師で良いのかっていう気持ちで葛藤したりするってことですかね。
 
谷:なるほど。きっと心の中で揺れて、いろいろなことを考える気持ちが大きくなったり、それが友達としゃべっているとまた違ってきたり、今はそういうものに包まれているような時間なんじゃないかと思います。教員以外になることを考えたことは?
 
渡邉:はっきりとは……。塾の先生になることも考えてみたんですけど、やっぱり違うなと思って。児童相談施設とか貧困の問題とか、介護を必要としている人とか、困っている人に寄り添うことができるような職業をやってみたいなと思った時期もありました。本当は介護等体験にも行く予定だったんですけど、コロナ禍のためにできないってことになって、実際の現場には行けていないですね。
谷:学校ボランティアには行きましたか?
 
渡邉:はい。緊急事態宣言が明けてからは、基本的に週1で行っていました。私が一番衝撃を受けたのは、お昼ご飯の時にみんな前を向いて食べていることですね。今までは班で向き合って食べたりしていたんですけど、今はしゃべると感染防止のために注意されたりして。学校って、友達と話すのが楽しいっていうことが大きいのに、そこに制限がかかってしまっているというのが、とても心苦しいなと思います。
 
谷:全国の小学校でそういう景色が見られたよね……。そういう中でも感じる先生という職業の魅力って?
 
渡邉:いま学校ボランティアに参加させていただいて特に感じるのは、子どもたちの成長に身近で携われるというところに魅力があるのかなと思います。
谷:渡邉さんは小学校だけじゃなくて、中・高の教員免許も取るんだよね?それはどうしてですか?
 
渡邉:やっぱり小学校だけで子どもを捉えてしまうと、その先がわからないということがあると思うので。私は社会の免許を取ろうと考えているんですけど、自分の好きな専門分野は、授業を通してもう少し未来につながる学びを表現することができたらいいなと思うので、自分の知識としても子どもたちと接する上でも、そこは少し努力しておきたいなと思っています。
 
谷:社会科でもいろいろな分野があるけど?
 
渡邉:私は地理が好きです。
 
谷:地理から子ども達が見える世界をひろげるということは楽しみですね。

PROFILEプロフィール

  • 谷 哲弥

    教育学部 教育学科 講師



    1981年3月 京都教育大学教育学部理学科卒業。1981年4月 京都府長岡京市・向日市・乙訓郡大山崎町にて小学校教員として勤務(~2018年3月)。2018年3月 京都教育大学大学院教育学研究科教科教育専攻理科教育専修(修士課程)修了。教育学修士。2018年4月 大谷大学教育学部着任。
    研究内容については、次の2つ。
    (1)小学校理科において、好奇心いっぱいの児童が持つ能動性を引き出すために必要な指導や教材開発について研究を進める。また、主体的対話的な学びとは何かを問いつつ、科学的な物の見方や考え方を養うことを目指す授業づくりについて研究を進める。
    (2)現職教員や教員養成段階の学生に対して、集団的省察活動を試み、教員としての資質・能力の熟達化を図る取組とその検証について研究を進める。



  • 1年生の時は1人で勉強することが多かった。最近はゼミの仲間と勉強をすることが多くなり、その中で新たな気づきがあることや、一緒に頑張れる仲間の存在が大事だと痛感している。
    時には「本当に教師で良いのか」と自問自答することもあるが、志は高く、子どもと一緒に学び続ける教師になりたいという思いを持って、勉強を続けている。