仏教学科
学生インタビュー
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文学部仏教学科を2011年度に卒業された江崎直香さんに、在学中に学んだこと等について語っていただきました。
※このページに掲載されている内容は、取材当時(2025年5月)のものです。
現在は会社員として働く傍ら、休日には正派若柳流の師範として日本舞踊の指導にあたっています。
大学卒業後は、コールセンターの運営会社に勤務し、その後は建設会社やコンクリート製品メーカーで事務の仕事に携わってきました。
学生時代には仏教を学び、物事の捉え方は自分の心の持ちよう次第であるという大切な考え方を得ました。もちろん、分かっていても思い通りにいかないことはありますが、それでも「他の捉え方もあるのでは?」と自問できる土台を築くことができました。
学生時代に学んだ分野が、将来の職業に直結するとは限りません。それでも、興味を持ったことを学ぶことは決して無駄にはならず、大学に入ったからこそ出会えた人や経験は、確実に自分自身の糧になります。
ぜひ、自分がより興味を持てることや夢中になれることを見つけて、学生生活を楽しんでください。
読んでいた文献の中で、「袋を動物と思って蹴ること」と「動物を袋と思って蹴ること」について、仏教的には前者のほうが心の持ちようとしてより問題があるという趣旨の話に出会ったときのことを、今でも鮮明に覚えています。まるで雷に打たれたような衝撃を受け、「そんな考え方があるのか」と心を揺さぶられました。
極端な例ではありますが、仏教の物事の捉え方を象徴するような、非常に分かりやすいエピソードだと感じています。自分の考え方の幅を広げてくれる仏教を学んで、本当に良かったと思っています。
また、大学で身につけた文献を探すスキルは、現在、日本舞踊の演目について理解を深めたいときの資料収集において大いに役立っています。インターネットのワード検索で大抵のことは出てくる時代ですが、やはり専門的で出典が明確な情報を必要とするときには、大学で培ったスキルが欠かせないと感じています。
授業の一環で触れた古典インド舞踊は、授業が終わった後も有志で集まり、さまざまな場所で踊りを披露していました。授業やアルバイト、サークル活動の合間を縫って振り付けを教え合い、自分たちで小道具を作り、メイクも行い、オープンキャンパスやホームカミングデー、学園祭、学会、老人ホーム、お寺など、さまざまな場で踊る機会を得ました。最終的には、インドでオーダーメイドの衣装を作るほど、夢中になっていました。
大学入学と同時に日本舞踊からは1度離れ、もう踊ることはないかもしれないと思っていました。しかし、まさか大学で古典インド舞踊に出会い、再び踊りに惹かれるとは思ってもいませんでした。「どうやら私は、踊ることそのものが好きらしい」と改めて気づかされました。
そして3年生のときに日本舞踊の稽古を再開したことが、現在の師範取得へとつながっています。
江崎 直香(えさき なおか)
文学部仏教学科 2011年度卒業