受験生の方へ

2022年3月20日オープンキャンパス・大谷大学新聞社レポート

 大谷大学新聞社からオープンキャンパスの取材記事が届きました!ぜひご覧ください。
春風吹く!OC!!(大谷大学新聞社 2022年3月20日オープンキャンパス・レポート)

不安定な天気が続く中、3月20日(日)にオープンキャンパス(以下、OC)が滞りなく開催されました。例年とは違い午前の部と午後の部の2部制で行われ、キャンパス見学ツアーイベントも復活し、にぎわいを見せました。
大谷大学新聞社は参加してくれた方々に取材を行い、夢やこれからのことについて話を伺うことにしました。

恋するということ

哲学科 西尾先生
哲学科 西尾先生

哲学科のミニ講義が、西尾浩二講師により慶聞館2階K203教室で行われました。
哲学と聞くと難しいイメージを持たれがちですが、西尾講師は「当たり前と思われていることを問い直し、根本から考える学問」であると述べられていました。
例えば「幸せとは何か?」、「人間と動物はどこが違うのか?」、「不治の病になったら、安楽死をしてもいいのか?」などの身近な疑問を哲学することができ、また「恋」や「愛」といったものも哲学の研究テーマとなると話されていました。

今回は古代ギリシャの哲学者であるプラトンの『饗宴』を用いて、喜劇作家アリストパネスが語る「異性愛、同性愛についての物語」と、そしてソクラテスと巫女ディオティマの「恋する人は何を求めているのか?」の対話を題材にして、文献に見るそれぞれの恋に対する考え方が説明されました。
アリストパネスの物語であれば、「恋とは<全体>を求める欲望と追及である」こととなっており、ソクラテスと巫女ディオティマの対話であれば「恋する人は『善きものが永遠に自分のものになること』を(ゆえに不死をも)求めている」と述べられており、それぞれの説明を聞いたうえで、その考えに対して自分が何を思うかを記すなど、自分自身の考えを持つことに重点をおいた内容となっていました。
最後に哲学科での学びは「本を読む」、「他者と議論する」、「自分自身で考える」ことの3つを重視していると話されていました。

インタビューに応じてくれた吉川君と井上君
インタビューに応じてくれた吉川君と井上君

ミニ講義終了後、吉川雲市さん(北嵯峨高校2年生)と井上晴喜さん(北嵯峨高校2年生)にインタビューしました。 ミニ講義を受けたきっかけは学校説明会で興味を持ったことと、哲学がどういったものかを知りたかったからだと教えてくれました。 そして、「物語を読むことが好きなため、色々な考え方があることに気付けて面白い。授業は難しかったが考えることは大切であると気付かされた」といきいきと話してくれました。 大学生活では自分の興味のあることを学び、社会の役立てたいことと、やりたいことを見つけて様々なことに挑戦し、沢山の経験を積みたいと熱く語ってくれました。 2人が本日のミニ講義から刺激を受け、よく考えて自分自身が納得する進路を選び、充実した大学生活が過ごせることを願っています。

取材担当
宗圓 麻由(文学部哲学科 第3学年/京都府・京都翔英高校卒業)

自分史と歴史学

講義を行う古川教授
講義を行う古川教授

文学部歴史学科の古川哲史教授によるミニ講義が行われました。主題は「世界史の中のわたしを求めて」という題でした。生きていくために自分の歴史(自分史)を考える必要があるとし、時代感覚が分かれば自分がどうすれば良いかが分かる。と仰っていました。その後、講義内にて古川教授は、地図と地球儀を用いて、国際化とグローバル化の違いを述べられていました。過去を見て、今が分かり、未来にどうすれば良いかが分かるということを古川教授は「歩いていく」と表し、歩くために歴史学が必要だとされていました。国際化(international)はnationという言葉が表すように国規模で、グローバル化(global/globalization)は地球(globe)が表すように国境を越えた地球の範囲で物事を見ることだとも説明されました。

高校生もこの世界に生きている時点で「社会人」「世界人」であり、自分自身と家族や地域社会、日本やアジア、そして世界、時には宇宙まで繋がっていることの重要性と自分の存在が歴史的存在であり現実世界に生きていることの再確認する必要性があると述べられました。現在の不安定な世界を知りつつ、その流れに振り回されなければ歩むことができる。そのような力を獲得することが、大学の学問「歴史学」という学びの一つである。と話を締めくくられました。

取材に応じてくれた亀川君
取材に応じてくれた亀川君

ミニ講義終了後、京都府立園部高校在学の亀川智司さんに話を伺うことができました。ミニ講義を受けた後の感想を伺ったところ、自分という存在におもむきをおいている講義は高校では無く、新しい経験だったと話してくれました。このOCの体験が、自分に合った進路探しにお役に立てたら幸いです。

取材担当
吉村 和滋(文学部哲学科 第3学年/大阪府・北かわち皐が丘高校卒業)

ディズニーを通して考えるアメリカ社会

国際学部 学部説明の様子
国際学部 学部説明の様子

国際学部の学部説明会とミニ講義が慶聞館1階のK101教室で行われました。
学部説明会では国際学部長の藤田義孝教授が、グローバル社会で寄り添うことのできる人の養成を目指すことや、2年時に進むコースについて話されました。

国際文化学科ミニ講義の様子
国際文化学科ミニ講義の様子

次に三浦誉史加准教授の「ディズニーを通して考えるアメリカ社会」をテーマにしたミニ講義では、実際の映像を取り入れて講義が分かりやすく進められました。
『白雪姫』や『美女と野獣』などの誰もが知っている有名なディズニー映画に登場するヒロインと悪役の比較を通して、悪役の戦い方や登場人物の気質の変化などを考えさせるものでした。
例えば『白雪姫』に登場する悪役の魔女であれば、単独で白雪姫を殺害しようとするが、『美女と野獣』の悪役であるガストンは野獣を悪者とし、暴走した町の人々の集団心理を利用して殺害しようとするなどの変化が見受けられました。
またディズニー映画が作られた年代と、その時代に起こったアメリカの歴史の紹介では、美女と野獣が公開された1970年代には女性解放運動が盛んになった時代であったことなど、その時代背景を知ることで物語を観る視点が変わるとの説明がありました。講義に参加された方々は真剣に取り組んでいる様子でした。

ミニ講義が終了した後、北嵯峨高校のO.Kさんと桂高校出身のI.Nさんに感想を伺いました。
身近な題材で興味を持たせるような授業形式で面白かったと話してくれました。また将来の夢をお伺いすると、韓国留学をしたいことや目標をしっかり決めてからこれからのことを決めたいと教えてくれました。
新聞社一同、それぞれの目標に向かって頑張っていってほしいと願います。

取材担当
松本 颯(国際学部国際文化学科 第1学年/京都府・京都両洋高校卒業)

キャンパス見学ツアー

キャンパス見学ツアーの様子
キャンパス見学ツアーの様子

2年ぶりとなるキャンパス見学ツアーが行われました。開催にあたり、午前・午後で各2回ずつの計4回に分けて、ソーシャルディスタンスを保つなど、新型コロナウイルス感染症対策も徹底されていました。

開催時刻となり高校生や保護者の希望者が慶聞館1階ロビーに集合すると、在校生のオープンキャンパススタップが先頭となり、ツアーが開始されました。慶聞館ロビーから順にグローバルスクエア、響流館3階総合研究室、図書館、講堂棟地下1階の食堂・コンビニ、尋源館、博綜館が案内され、各施設の説明が行われました。その際、図書館には現在88万冊の蔵書があり、全冊読破するには1日1冊読んだとしても2400年以上かかってしまうということや、尋源館が三島由紀夫の著作『金閣寺』にて描写されていることといった、参加者の興味を引くような豆知識も紹介されました。

施設を見学中、参加された方々がオープンキャンパススタッフの解説に興味深げに頷く姿も見られ、ツアーは和やかに進行されました。中でも、尋源館が大正2年に建設され、内部の階段が着物での移動を想定して低めに設計されていることが説明された際には、思わずといった様子で頷く方もおられました。また、最後尾のスタッフに高校生が質問を投げかける姿や、大学生活や受験についての会話がされる姿も見られました。

見学を終えて慶聞館ロビーに戻ってくると、4・5号館の紹介を最後に、その場で解散となりました。

キャンパス見学ツアーは、30分という短い時間ながら、参加者に校舎の全体像を知っていただける充実した時間となりました。

取材担当
齊城 諄美(社会学部現代社会学科 第3学年/京都府・京都教育大学附属高校卒業)

編集後記

今年度最後となる今回のOCは、盛況のうちに終わりました。初の取り組みである午前・午後の2部制は、ソーシャルディスタンスなどの感染症対策を徹底するために取り入れられました。また新型コロナウイルス感染症の影響で一時は中止していたキャンパスツアーを再開するなど、大学としても挑戦の多いOCだったのではないでしょうか。そんなOCが、受験生となる高校生にとっての挑戦の第一歩となることを願わずにはいられません。その背中を押す役割を果たせるよう、大谷大学新聞社は今後も「情報発信」という形での挑戦を続けていきます。

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