地域連携

中川学区の暮らし再発見プロジェクト

プロジェクト概要

本プロジェクトは、2014年から活動が始まり、2015年度からは中川社会福祉協議会との連携事業として進めています。

中川学区は、大学と同じ京都市北区にありながら京都市北部の山間地域に位置しています。学区は、中川・杉阪・真弓という3地区からなっています。川端康成の『古都』にも登場する歴史ある地域であり、古くから「北山杉」として知られる林業で栄えてきた町です。しかし今では、住宅建築様式の変化などにより、中心だった林業は衰退しています。さらに少子高齢化、人口減少が進み、商店や金融などは撤退。最寄りの病院やスーパーまでは、山道を車で30分以上かけて行かねばなりません。公共交通機関であるバスは中川集落にのみ停留所があり、杉阪と真弓の集落にはバスは通っていません。自家用車中心の生活であるため、車が運転できない人によっては外出が困難な状況となっています。

 

一見すると「暮らしていくのは大変そう…」ととらえがちですが、決して大変なだけではなく、そこにはかけがえのない地域の人たちが紡いできた自然の風土や文化、地域行事などへの思い、住民同士の助け合う風土など、これまで作りあげてきた歴史や暮らしの文化があります。

本学では、このプロジェクトを通して、地域に暮らす人々の思いを大切に、地域の抱えている課題や、地域のこれからのことを共に考えていきたいと思っています。また、地域に残る伝統や文化の積極的な発信、地域の資源を活用した新たな生活文化を創造するきっかけづくりなどにも取り組んでいきたいと思って活動をしています。山間の地域での暮らしのお話は驚くこともたくさんあります。何度も地域を訪ね、お話を伺い、さまざまな活動を共有する中で、暮らしを知り、そしてともに考えるという経験につながっていると感じています。

  • 北山杉の磨き丸太の説明を受ける参加学生

活動内容

これまで継続して行っている福祉サロン「健康ふれあいクラブ」への参加、 地域活動の様子や四季折々の地域の風景などの写真や動画をSNSで発信する活動、生活実態の調査(2015年~2017年)、夏祭りなどの地域行事への参加などを進めてきました。今年度は原点に立ち返り、中川の暮らしとまんま茶についての知識を深め、それを住民の方々に共有できるよう、魅力を再発見することを目的として活動しました。新型コロナウイルス感染やインフルエンザの影響による活動停止の懸念は、完全に払拭されたわけではありませんが、活動としてはコロナ禍前の状況に戻り本格的に交流を再開しています。
 
●健康ふれあいクラブ(福祉サロン)
中川社会福祉協議会が毎月1回実施している「健康ふれあいクラブ」に学生が参加しています。参加者である学区の高齢者、さらにはサロンを実施する中川社会福祉協議会のメンバーの方、区社協など関係諸機関の方々との交流を通じて中川の暮らしの実態を多角的に把握できるよう活動を行っています。学生は年に数回学生企画として、その場の仕切りを任され、主体的に交流の場づくりも行っています。
 
●中川産茶葉の活用
真弓地区で行う「and house.」の活動では、地元住民有志の方が進めてこられた地元で昔から栽培されてきたお茶の復活プロジェクトに参加。社会福祉法人菊鉾会の醸造部門ヒーローズと連携し、中川産茶葉を使用したクラフトビール「京都・中川まんまビーア!」の製造販売にも取り組みました(2019年~2023年度)。茶葉収穫の機会など学生は現地での活動を通じて地域の理解を深める機会となっています。

採択実績

  • 公益財団法人 大学コンソーシアム京都 令和5年度「学まちコラボ事業」認定事業
  • 公益財団法人 大学コンソーシアム京都 令和4年度「学まちコラボ事業」認定事業
  • 公益財団法人 大学コンソーシアム京都 令和3年度「学まちコラボ事業」認定事業

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