受験生の方へ

大谷大学新聞社レポート
2023年3月19日オープンキャンパス

大谷大学新聞社からオープンキャンパスの取材記事が届きました!ぜひご覧ください。

花綻ぶ春晴のオープンキャンパス

春の穏やかな青空が広がった3月19日、大谷大学でオープンキャンパス(以下、OC)が開催された。今回は、2023年に入って初めてのOCであり、新しい試みや、今回だけの特別なイベントが開催され、多くの高校生や保護者で賑わった。 大谷大学新聞社は、OCに来ていただいた方に取材を行い、話を伺った。

ノートルダムは宗教施設か観光資源か?

講義を行う藤田先生
講義を行う藤田先生

慶聞館のK101教室にて、藤田義孝先生による学び紹介が行われた。

この学び紹介では、国際学部の学びを、ノートルダムを通して知ってもらうことをテーマとしている。始めに、フランス王権とキリスト教についての説明があった。フランク王国時代にクローヴィスの洗礼を受けて「王権とキリスト教」という形になり、キリスト教が各国で浸透していったが、時代が進むにつれ一神教から多神教的要素へと移り変わった。多神教的要素の例として、聖人崇拝と聖母マリア信仰が挙げられた。聖人崇拝は現在でもフランスで行われていて、全ての日に守護聖人がいるとされている。聖母マリア信仰は今回のテーマであるノートルダムに関わっていて、ノートルダム・ド・パリは「我らの貴き女性」という聖母マリアの信仰を元にした意味が込められている。

次に、ノートルダムの建築様式にふれた。ノートルダムはゴシック建築で、内部にはアーチ構造やステンドグラスなどがある。こうした歴史ある様式だけでなく、中世に歴史的価値を再評価されたことをうけ、修復作業とともに尖塔が建てられた。しかし、2019年4月15日の火災によりその尖塔をどのように修復するのかが議論されていて、国際コンペのデザインになるのか、元の状態になるのかはまだ分からないとされている。こうしたノートルダムの歴史を踏まえて、ノートルダムは宗教施設なのか観光資源なのか、誰のために作られたものなのかなど、より抽象的に考察するための様々な視点へと変えていくことで、国内外問わず文化についてふれていくことが国際学部の学びであると述べていた。最後に、参加した生徒にQRコードを用いて身近な宗教施設について公共的であるかどうかを問い、参加していた学生からの意見を取り入れた。

講義終了後、藤田先生に取材したところ、「ニュースで知っている事柄に対して、考察や手掛かりを考え、どうなっているのかが伝わればと思いこの講義内容にした。参加してくれた生徒が関心を持って聞いてくれてとても良かった。また、最後の問いかけでは、参加する人数がわからない中で、この学び紹介を通してどのように思っているのかを意見として聞くことができた。これからも、世界の情勢にアンテナを常に張り、情報が古くならないような授業ができるように努力したい」と述べていた。

学び紹介終了後、参加していた高校生に話を聞くことができた。将来英語の教師になりたいので教員の資格を取れる大学のOCを見学したいという理由で参加していた。この講義を受けて、これまでは国際といえば海外というイメージが強かったが、海外の文化から他視点を考えたり、日本の文化や仏教との結びつきなど、多角的な考え方があることを知ることができた。もし、大谷大学に入学できたら、海外の文化とともに色んな物事を大きく広い視点で見ることができるようになりたいと述べていた。

取材担当
河合 翔平(教育学部教育学科初等教育コース 第2学年)

世界史の中の〈わたし〉を索めて
—この社会を生き抜くための歴史学—

歴史学の学びについて紹介する古川先生
歴史学の学びについて紹介する古川先生

慶聞館のK205教室で古川哲史先生による文学部歴史学科コースの学び紹介が行われた。

今回の内容は、歴史的かつ現在の自分の立ち位置を確かめ、自身の世界の見方や世界との関わりを知ることの重要性について講義していた。地球儀や逆さ日本地図を使った世界の見方についてや、世界史における「つながり」、自分の立ち位置について説明されていた。世界史における「つながり」については、古代から近現代の世界のつながりを科学技術や交通の発達と接触、交流の増加を例に出しながら、現在のつながりについて、ネットなどのヴァーチャル空間と現実空間を例に出しながら説明していた。また、この講義を通して古川先生は「つながりの重要性について意識をしてほしい」と主張していた。

講義終了後の古川先生に話を聞くことができた。今回の学び紹介でこのテーマを選んだ理由は「高校とは違う、大学の歴史学の講義をしたかった」と述べ、さらに「新型コロナやウクライナでの戦争などで何かと不透明、不安定なこの世界や社会を生きるため、生き抜くために役立つような歴史学を一緒に考えたかった。(講義レジュメより引用)」と述べていた。どうしてこのようなテーマにしたのかと質問すると「社会を生き抜くためには自分の立ち位置を確かめる必要がある。そのためには自分史を理解する必要があり、それを理解するためにも歴史学が必要であると感じている。また、周りの流れに振り回されず、自分の意志や思考を持つためにも歴史学は有意義な学問であると感じている」と述べていた。今回の講義に参加した方々が本学に進学した場合伝えたいことはあるか、と聞いたところ「歴史学を学ぶのであれば、自分の芯を中心に、周りとの繋がりを意識して欲しい。また、歴史学に関わらず、自分の関心を大事にしてほしい」と述べていた。

学び紹介終了後、参加していたO.Hさん(兵庫県伊丹市の高等学校)に話を聞くことができた。今回の講義を受けて「世界史を学んでいなかった分、今回の講義で触れることができて良かった。講義内容も興味深く、面白かった」と述べていた。また、大谷大学のオープンキャンパスに来た理由を尋ねると、「スタディサポートで大学を知り、興味が湧いて来た」と述べていた。現在興味のある学問について質問すると「歴史学の古代日本史に興味があるが、具体的なものはまだ見つけていない」と答えていた。

取材担当
藤原 尚子(文学部文学科 第2学年)

大谷大学生の1日

説明を行う松本さん
説明を行う松本さん

慶聞館の1階学生ロビーにて、OCで初めての取り組みとなる、「大谷大学生の1日」の紹介が行われた。

この取り組みは、大谷大学の学生がどのような日常生活を送っているのかを実際に学生が説明をして伝えることを目的にしている。2人の学生がパワーポイントを使って説明を行い、学生生活や実際のサークル活動などの紹介、時間割や授業の内容、所属しているゼミのことなどを話していた。また、大谷大学に入った理由や好きな所などを通じて、大谷大学の魅力も伝わる説明になっていた。

説明を行うフィギナさん
説明を行うフィギナさん

今回、学生の1日を紹介した、オープンキャンパススタッフの松本颯さんとフィギナ・ナデジダさんの2人に説明をしてみての感想を聞いた。松本さんは、「いつもプレゼンしている時よりも人数が多く、初めての取り組みだったこともありとても緊張した。まだまだ話したいことや話し方の工夫の仕方があったという反省もあるが、伝えたいと思っていたことは伝えることができたし、今後使うことが多くなるパワーポイントの勉強にもなったのでとてもいい経験だった」と述べていた。フィギナさんは、「今後の就活に必要な能力を鍛えるいい機会だった。パワーポイントの作り方や話す練習など、かなりの時間がかかったが、その分伝えたいことを伝えることができて良かった」と述べていた。

取材に応じてくれた岩﨑さん
取材に応じてくれた岩﨑さん

説明の終了後、参加されていた、岩﨑遥菜さん(大阪府立日根野高等学校2年生)に話を聞くことができた。岩﨑さんは、高校で配布された大学案内表の中で歴史学科があり、将来高校で日本史の先生になりたいので教員の資格を取れる大学に進学したいという理由でOCに参加していた。「今回の説明を通して、大谷大学の学生生活を知ることが出来た。また、OC内の案内時に、楽しそうに優しく案内をしてもらったのでとても良かった。もし、大谷大学に入学したら将来の夢を叶えられるように怠けずに頑張りたい」と述べていた。

取材担当
河合 翔平(教育学部教育学科初等教育コース 第2学年)

大谷ほっとコーヒープロジェクト

試飲会の様子
試飲会の様子

今回、大学オリジナルコーヒー制作を趣旨とした「大谷ほっとコーヒープロジェクト」の一環として、OCに来ていただいた高校生や保護者の方に向けた試作品のコーヒー試飲会を行った。

このプロジェクトは、中央執行委員会、学園祭実行委員会、新入生歓迎実行委員会(以下、3委員会)を主体に、大谷大学から徒歩2分の場所にある「伊藤珈琲」のご協力の元で行っている。元々、2012年に、当時の新入生歓迎実行委員会と伊藤珈琲の共同制作で、大学オリジナルコーヒーとして「はるかぜ」と「Young Leaves」の2種類が商品化されていた。それから10年が経過した2022年、伊藤珈琲からの提案で、新しいオリジナルコーヒーの制作開始に至った。

取材に応じてくれた中野さん(左)と吉見さん(右)

試飲会を行っていた学生を代表して、学園祭実行委員会に所属している吉見菜摘さん(第2学年)と新入生歓迎実行委員会に所属している中野隆希さん(第2学年)にお話を伺った。吉見さんは、これまでコーヒーを飲まなかったが、プロジェクトをきっかけに飲めるようになったそうだ。一方、中野さんは、コーヒーはよく飲むが、その種類までは知らなかったとのこと。プロジェクトを通して、個人的に好きなブレンドを見つけることができたそうだ。吉見さんは、これまで3委員会で何かを行うことがなかったが、学生会が協力して1つのことを行うことができてよかったと述べていた。

実際に、コーヒーが好きな人や苦手な人、よく飲む人や飲まない人など、様々な人が集まり、意見を聞いて、偏りのない飲みやすいコーヒーを作ろうとしているとのことだ。中野さんは、学生や教職員の意見を反映しつつ、皆が満足できる味になっていると述べていた。

今後、オリジナルコーヒーは試作の最終調整を行い、4月に行われる新入生歓迎イベントの「若葉祭」にて、本学に在籍する学生や教職員全体を対象に行われる2種類のコーヒー試飲会と決選投票にて、完成品のブレンドコーヒーが決定する。それと同時に商品名の投票も行い、名前を決定するそうだ。ラベル制作も学生が行い、2023年7月に商品化される予定になっている。活動の様子は、本学のホームページや公式SNSにて発信されるので、興味のある方は是非確認してほしい。

中央執行委員会

学園祭実行委員会

新入生歓迎実行委員会

取材担当
濱田 彩希(文学部歴史学科 第2学年)

編集後記

今回のOCも、多くの方が訪れた。2022年9月までのOCから変わったことというと、参加している高校生が1、2年生だということだろう。これからの進路に向けて行動している皆さんに、大谷大学の魅力が伝わっていると嬉しい。
余談だが、3月17日に二条城にある標本木の桜が咲いたことで、京都市で桜の開花が宣言された。史上2番目に早い記録だそうだ。学内でもソメイヨシノが開花し、八重桜も少し遅れて咲き始め、3月末から4月上旬には見頃を迎えるだろう。もちろん、大学近辺にも桜の名所は多くある。賀茂川の河川敷や京都府立植物園、バスを使えば平野神社にも乗り換えなしで行くことができる。今年も、桜は多くの人を楽しませるはずだ。花粉症などの心配もあるが、短くも美しい桜の季節を楽しんでみてはいかがだろうか。 

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