地域連携

網野町海浜漂着プラスチックの調査・清掃活動

プロジェクト概要

海を漂うプラスチックごみは、世界規模で進行する深刻な環境汚染問題として、国際的に関心が高まるとともに、その除去の方策に向けた基礎研究が進められています。日本では、とくに日本海側の海岸において冬の季節風で掃き寄せられた大量のプラスチックごみが漂着し、大きな問題になっています。京都府京丹後市網野町の海岸においても、大量のプラスチックごみが漂着し、波に洗われることで細粒化し海浜砂にまみれています。網野町には琴引浜という鳴砂の浜が広がっており、綺麗に磨かれた砂がキュッキュと音を立てます。しかしごみの混入で砂が汚染されると、鳴かなくなってしまったといいます。琴引浜は名勝地であり天然記念物に指定されているため、地元の人びとの努力で積極的に清掃が進められてきました。しかし、それ以外の浜では大量のごみが放置されたままです。細粒化したプラスチックは海へ戻って浮遊し、魚が飲み込みます。プラスチックは有機化合物を吸着しやすいため、生態系に影響を与え、魚を食べた人の体内にも蓄積する可能性があります。これらの地域課題・環境問題を解決するにあたって、海岸の清掃活動を行うとともに基礎調査を実施し、課題解決に向けた具体的方策を検討することを目的としています。

2022年度 活動報告

2022年度は昨年度に引き続き、新型コロナウィルスの罹患対策を実施した上で、日帰りでの活動となりました。京丹後市夢まち創り大学の補助を得ながら、網野町地域おこし協力隊の八隅孝治氏と(株)ジオ研究開発の榎本 晋氏の協力もいただき、現地で活動することができました。また11月にはNHK京都放送局の取材に際し、現地活動を1回追加することができました。これら現地での活動経験は、学生たちにとって実践的な学びの機会となりました。

採択実績

京丹後市「夢まち創り大学」令和4年度採択事業
京丹後市「夢まち創り大学」令和3年度採択事業

学生の声

社会学部コミュニティデザイン学科 第4学年 K.Y

網野町は私の祖父母が住む故郷で、幼い頃に海岸を訪れた際もごみがあったのを記憶しています。大学生になって実際に活動すると、砂にマイクロプラスチックが多く含まれることが分かりました。卒業研究で海水を汲んだ簡易水槽にごみを浮かべて、マイクロプラスチックを除去する装置を考案し、稼動させました。うまくいかず改良を重ねて試行錯誤を繰り返したことは、卒業研究の醍醐味でもありました。

社会学部コミュニティデザイン学科 第3学年 R.T

私は、海浜砂を掻きあげて砂にまみれているマイクロプラスチックを除去する装置の開発に取り組みました。最初はそのような装置を自分たちで作ることは到底無理だと思っていましたが、それなりに装置ができたこと、また装置の開発と試運転の様子がNHKのニュース番組で取り上げられたことは、良い経験となりました。

PROFILEプロフィール