網野町海浜漂着プラスチックの調査・清掃活動
プロジェクト概要
海を漂うプラスチックごみは、世界規模で進行する深刻な環境汚染問題として国際的に関心が高まるとともに、その除去の方策に向けた基礎研究が進められている。日本では、とくに日本海側の海岸において冬の季節風で掃き寄せられた大量のプラスチックごみが漂着し、大きな問題となっている。
京都府京丹後市網野町の海岸においても、大量のプラスチックごみが漂着するとともに、細粒化し海浜砂にまみれている。網野町には琴引浜という鳴砂の浜が広がっており、綺麗に磨かれた砂がキュッキュと音を立てる。しかしごみの混入で砂が汚染されると、鳴かなくなってしまうという。琴引浜は名勝地であり天然記念物に指定されているため、地元の人びとの努力で清掃が進められてきたが、それ以外の浜では大量のごみが放置されたままである。
細粒化したプラスチックは海へ戻って浮遊し、魚が飲み込む。プラスチックは有機系化合物を吸着しやすいため、生態系に影響を与え、ひいては人の体内に蓄積する可能性がある。これらの地域課題・環境問題を解決するにあたって、海岸の清掃活動を行うとともに基礎調査を実施し、課題解決に向けた具体的方策を検討することを目的とした。
京都府京丹後市網野町の海岸においても、大量のプラスチックごみが漂着するとともに、細粒化し海浜砂にまみれている。網野町には琴引浜という鳴砂の浜が広がっており、綺麗に磨かれた砂がキュッキュと音を立てる。しかしごみの混入で砂が汚染されると、鳴かなくなってしまうという。琴引浜は名勝地であり天然記念物に指定されているため、地元の人びとの努力で清掃が進められてきたが、それ以外の浜では大量のごみが放置されたままである。
細粒化したプラスチックは海へ戻って浮遊し、魚が飲み込む。プラスチックは有機系化合物を吸着しやすいため、生態系に影響を与え、ひいては人の体内に蓄積する可能性がある。これらの地域課題・環境問題を解決するにあたって、海岸の清掃活動を行うとともに基礎調査を実施し、課題解決に向けた具体的方策を検討することを目的とした。
2021年度 活動報告
2021年度は昨年度に引き続き新型コロナウィルスの蔓延に伴い、活動が制限される場面があった。しかし、昨年度と違い、新型コロナウィルスへの対処方針が示されたこと、緊急事態宣言の発出された期間の谷間が比較的長かったことから、日帰りではあったが比較的多くの日数活動することができた。京丹後市夢まち創り大学の補助を得ながら、浜詰の旅館粋月、網野町地域おこし協力隊(丹後エクスペリエンス)の八隅孝治氏、(株)ジオ研究開発の榎本 晋氏の協力も得て、現地で活動できたことにより、学生たちは実践的学びを深められた。
毎年実施している調査

- 小浜・マブ川河口における海浜漂着ごみの国由来調査
中国・韓国・日本のものでほぼ占められることが分かった。 - 海中浮遊マイクロプラスチックの調査
マイクロプラスチックはほとんど見つけられず、一部繊維状のものが見つかった。 - 水晶浜、琴引浜、小浜における海浜砂中のマイクロプラスチック調査
特に小浜の砂から多くの発泡スチロール片が見つかった。 - 網野町で釣れた魚の内臓中に含まれるマイクロプラスチックの調査
カサゴ2匹から長さ2mm〜数mmの繊維状マイクロプラスチックを検出した。
本年度新たに実施した調査

- 砂浜に散在するマイクロプラスチックを除去する方法の調査
小浜の砂の粒度が0.25〜0.5mmの範囲に集中することが明らかとなった。
0.5mm以下の粒子に目立ったマイクロプラスチックが見られなかったので、まずは0.5mmを境にそれより大きいマイクロプラスチックを回収し、0.5mm未満の砂を排出すれば、多くのマイクロプラスチックを除去できることが分かった。 - 漂着ごみの中でリサイクルして有効活用できるものの調査
八隅孝治氏の工房を訪れ、ポリプロピレンからなるペットボトルのキャップが加熱・整形の上、内装タイルなどに再使用可能であることを学んだ。
採択実績
京丹後市「夢まち創り大学」令和3年度採択事業
PROFILEプロフィール
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鈴木 寿志
社会学部コミュニティデザイン学科