地域連携

網野町海浜漂着プラスチックの調査・清掃活動

プロジェクト概要

海を漂うプラスチックゴミは、世界規模で進行する深刻な環境汚染問題として、国際的に関心が高まっている。日本では、例年冬の季節風で掃き寄せられた大量のプラスチックゴミが、とくに日本海側の海岸に漂着する。
京都府京丹後市網野町の海岸においても、大量のプラスチックゴミが漂着するとともに、細粒化し海浜砂にまみれている。網野町には琴引浜という鳴砂の浜が広がっており、綺麗に磨かれた砂がキュッキュと音を立てる。しかしゴミが混ざり砂が汚染されると、鳴かなくなってしまうという。そのため地元の人々は、以前から琴引浜の清掃活動に熱心に取り組んできた。
琴引浜は名勝地であり天然記念物に指定されているため人の手が入りやすいが、それ以外の浜では大量のゴミが放置されている。細粒化したプラスチックは海へ戻って浮遊し、魚が飲み込む。プラスチックは有機系化合物を吸着しやすいため、生態系に影響を与え、ひいては人の体内に蓄積する可能性がある。これらの地域課題・環境問題を解決するにあたって、海岸の清掃活動を行うとともに基礎調査を実施し、課題解決に向けた道筋をつけることを目的とした。
2020年度は新型コロナウィルスの蔓延に伴い、京丹後市の行政からは、人と接する活動を自粛して欲しいとの要請があった。そのため、宿泊をせずに日帰りで活動すること、極力地元住民と接しないことに留意して活動した。また活動前1週間の健康観察を各自行った。そのような制限下にあっても、網野町地域おこし協力隊の八隅孝治氏と(株)ジオ研究開発の榎本 晋氏の協力を得て、現地で活動できたことは、学生たちにとって大きな経験と学びの機会となった。

活動内容と成果

基礎研究として、次の調査を実施した。

(1)小浜における海浜漂着ゴミの由来調査
(2)海中浮遊マイクロプラスチックの調査
(3)琴引浜、小浜、八丁浜における海浜砂中のマイクロプラスチック調査
(4)魚内臓中に含まれるプラスチック類の調査。

その結果、ペットボトルなど国の由来が分かるゴミについては、日本、中国、韓国のものでほぼ占められること、日本由来のペットボトルは決して少なくなく、24%~47%に達することが明らかとなった。海中を漂うマイクロプラスチック片については、大きさ1mm 程度の微小プラスチック片、発泡スチロール片、漁具の網や糸くず片が採集された。また、海浜砂に含まれるマイクロプラスチックについては、ほぼ砂浜表面にとどまり、砂体深くには埋没していないことが分かった。そして遊漁港で釣った24尾の魚のうち、2尾の魚の内臓からプラスチック片が検出された。これらの基礎研究を通じて、網野町の海洋・海浜環境を改善する取り組みを具体的に考えていきたい。

参加者の感想

  • 私は網野町の海岸を訪れ、問題の深刻さを実感しました。プラスチックゴミの漂着問題というと、どうしても海外からのゴミに目がいきますが、日本のゴミも多く含まれていました。改善するためにはまず国内から変わらなければならないと思いました。
    社会学部コミュニティデザイン学科 第2学年
  • 私は綱野プロジェクトで趣味の魚釣りで得た経験や知識を活かすことができました。綱野の海に生息している魚からマイクロプラスチックを検出する実験では、現地で釣った魚を捌き内臓を採取する作業を担当しました。これは他のゼミ生から大いに感謝され、達成感を感じました。
    社会学部コミュニティデザイン学科 第1学年

本プロジェクトの関連学科