聞き取りを通じた共生社会推進プロジェクト(左京)
プロジェクト概要

地域連携パートナーの京都市左京西部・東部いきいき市民活動センター(以下、いきセン)と共に、学生たちが聞き取りを中心とした社会調査(フィールドワーク)を行い、地域住民や出身者、関係者らが直面している問題や、共生社会をめざす上での地域社会の課題について考えます。調査先の地域では、アートやイベントを通じて多様な人々を結びつけるための、積極的な試みがなされています。いきセンは、市民サークル等への貸館事業を営みながら、地域住民や外国にルーツを持つ人々等への聞き取り活動を行い、また演劇・音楽・ダンスといったアート活動を通じて、人々の交流を促す仕掛けを実践しています。盆踊りや夏祭りといったイベントの企画・運営など、地域内外の若者や外国からの移住者も含め、バリエーションに富んだ人々の交流を生み出す機会を提供しています。学生たちは、いきセンの活動に自らも参加することで、地域の方々と交流し地域貢献をなしつつ、地域社会および市民活動の現状と課題についての理解を深めます。また他方で、自分たちで立案した社会調査を実践することで、調査倫理やコミュニケーション能力を含む応用的な調査スキルを身につけます。さらにそれを年度末の報告書へとまとめていく作業の中で、調査データをどう取り扱い、社会学的な見地からいかに考察していくかに関する実践的な理解を深めていきます。 調査結果をまとめた報告書は、いきセンおよび調査にご協力いただいた地域の方々にお渡しして、地域社会へのフィードバックがなされます。
2022年度 活動報告

本年度は新型コロナウイルスの感染防止に十分注意しながら、前後期ともほぼ例年通りのスケジュールで調査を実施することができました。4月にはいきセンの概要、地域の特徴、公営住宅建て替え事業の進行状況などについて東部いきセンで説明を受け、5月にはワークショップに参加、6-7月には公営住宅の建て替えと地域再開発についてシニア世代の地域住民への聞き取りを行いました。 後期は、同じテーマについて20-30歳代の比較的若い世代の地域住民および地域出身者への聞き取りを行うとともに、地域の現状及び課題、一連の公営住宅の建て替えと地域再開発のこれからについて、東西いきセンのセンター長にお話をうかがいました。これらの聞き取り調査の成果を12月以降に『探究フィールドワーク報告書』にまとめました。
PROFILEプロフィール
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渡邊 拓也(代表)
社会学部現代社会学科