Students'Voices
学生インタビュー2024年度#05

更新日:2025年1月29日

松田 倫夫さん

大谷大学で知った「問い続ける」楽しさ~堂々と立ち止まって、今の自分を問う~

文学部 哲学科 第4学年

松田 倫夫 さん

今秋リニューアルしたばかりの総合研究室をはじめ、大谷大学の充実した研究環境でさらに学びを深めたいという思いから、大谷大学大学院への進学が決まった文学部哲学科4年生の松田倫夫さん。4年間の学びを通し、「立ち止まって問う」そして「考え続ける」ことを身につけたという松田さんに、大谷大学で学ぶ魅力やアドバイスを伺いました。

※記事に記載している情報は、取材当時(2024年12月)のものです。

Students'Voices
学生インタビュー2024年度#04

更新日:2025年1月29日

文学部
哲学科 第4学年

松田 倫夫 さん

大谷大学で知った「問い続ける」楽しさ~堂々と立ち止まって、今の自分を問う~

今秋リニューアルしたばかりの総合研究室をはじめ、大谷大学の充実した研究環境でさらに学びを深めたいという思いから、大谷大学大学院への進学が決まった文学部哲学科4年生の松田倫夫さん。4年間の学びを通し、「立ち止まって問う」そして「考え続ける」ことを身につけたという松田さんに、大谷大学で学ぶ魅力やアドバイスを伺いました。

※記事に記載している情報は、取材当時(2024年12月)のものです。

立ち止まって問い、論理的に考える

哲学から得られた、
問いに対して自分の答えを出すメソッド

高校時代に大谷大学哲学科の先生方が運用されているブログと出会い、それがきっかけとなってこの大学を志しました。特に「故郷の在り処」について書かれた記事は古里を離れて新天地で学ぼうと決意した私の心の支えになっています。

哲学することを学びながら、身についた姿勢は「立ち止まって問い、論理的に考えることをやめない」ということです。つまりその場の雰囲気やネット等の情報に流されたり言葉を鵜呑みにしたりするのではなく、物事の法則性や構造を捉えようとする意識です。この意識のもと、自分と他者の主張を比較考量し、お互いの観点に立って批判的に物事を考えるようになりました。こうした態度をゼミや日常生活の中で常に実践することは容易ではありませんが、短絡的に結論を出して思考を放棄しないよう粘り強く問い続けていきたいです。

卒業研究のテーマは「ヒュームの信念論—『人間本性論』におけるfeelingを手がかりにして—」です。近世の哲学者デイヴィッド・ヒューム(1711-1776)の考え方をもとに、「信じることと信じないことの違いって何だろう」ということを探究しています。他国の紛争・戦争に限らず、身近な生活圏の中でも小さな対立は止まないですが、その原因として各人の信じる思想や感覚の不一致があると思います。一方が信じていることを他方が信じないために起こるこうした対立の原理的な究明を動機にして、「信念」という問題に取り組んでいます。

哲学科教員ブログ

資料を探す様子

アカデミックな学びの拠点として
大幅にパワーアップした総合研究室

総合研究室は今秋リニューアルされて、内装や備品も刷新されました。それに伴って居心地の良さや機能性、人々の流動性も向上しました。私自身、リニューアル前は月に1~2回ほどの利用でしたが、今では週に2~3回ほど利用しています。個人的に日々助かっているのは、重たい辞書や一次資料を持ち歩いたりしなくても、総合研究室に来れば必要な書籍をすぐに手に取れるところです。また、部屋中央に新しく設けられたワークショップルームはオープンな空間で誰でも気軽に利用できる場となっており、アカデミックな交流の起点になっています。

常駐されている助教の先生とも距離が近くなって、より相談しやすくなりました。また各学科・研究室から院生・学部生同士が集まってディスカッションやグループワークをしている様子もしばしば見られ、以前にも増して活気の溢れる空間になりました。コロナ禍を経て対人関係や大学での生活環境も疎遠な方へと変化を強いられてきましたが、リニューアルした総合研究室はお互いの顔が見えやすくなり、コロナ禍以前のように賑わう交流の場として再び機能し始めると思います。

読書の様子

教員との距離の近さは
大谷大学ならではの魅力のひとつ

卒業研究の執筆をきっかけにさらに哲学研究を深めたいと思い、4月からは大谷大学の大学院に進学します。大学院では、より広い分野にふれながら、今とは違うものの見方を自らのうちから掘り起こしたいです。他の大学の大学院も選択肢としてはありましたが、教員スタッフのみなさんによる親身な指導や相談体制に加えて、立地の良さ、リニューアルした総合研究室、図書館の資料の豊富さなど、充実した研究環境が整っているのも大谷大学に残る決め手になりました。

大学院進学後は、自分の考えを明確な形で伝えられるように、論理的な文章作成能力を鍛えることや先生方・院生との対話をとおして、思考するスキルを磨いていきたいです。その一環として、今は総合研究室を読書会やディスカッション、卒業研究の場として利用していますが、進学後も引き続き読書会などに携わりながら、身近な学問的交流の場として活用していきたいです。

身近といえば、大谷大学の魅力の1つが、教員と学生の距離の近さです。いろんな専門分野の先生と気軽に話せるからこそ、自分の哲学的関心も大きく広がりました。そんな会話の場として、例えば学習支援室(LEARNING SQUARE)があります。大学の勉強で困ったことなどをアドバイザーの先生方に相談したり一緒になって考えたりできます。私も語学の勉強などについてよく相談に乗ってもらい、新しい気づきを多く得ました。大学の先生方に短くても一つ二つ気になることを尋ねてみれば、より専門的で興味深い応答が聞けると思います。学びの幅を広げるこのような機会をぜひ使ってみてください。

総合研究室
院生エリア~助教エリア(総合研究室内)

院生エリア~助教エリア(総合研究室内)

ワークショップルーム(総合研究室内)

ワークショップルーム(総合研究室内)

大谷大学のカフェ

大学生活でのお気に入り

大谷大学のカフェで販売されているメンチカツサンド。友人に勧められて食してみたところ、メンチカツの肉汁がパンと溶け合い、メンチカツサンドの渾然一体さに圧倒されました。大谷大学カフェにお越しの際はぜひご賞味あれ!

大谷大学のカフェ

大学生活での必需品
付箋と鉛筆(加えて蛍光ペンも)

割と忘れっぽいので、哲学書を読むうえでは欠かせません。読んだ痕跡を残すことで、何が話されていたかを思い起こすきっかけになります。また、以前の自分がどう読んでいたかを知れるという点でも、読書を面白くするアイテムですね。

松田 倫夫さん

後輩たちへメッセージ

大学は、堂々と立ち止まって今の自分を問うことができる場所です。例えば、世の中は思惑通りにならないし、自分自身さえも意のままにならないけれども、腰を据えてその不条理さを考える自由が大学にはあります。学生同士や先生方らとの身近な対話から、芸術鑑賞や読書など時空間的に隔たった他者との対話まで、考える道はさまざまに用意されています。いろいろな分野・領域のリズムに浸り、生き生きとした違和感を体験してみてください!

プロフィール

松田 倫夫 さん

文学部 哲学科 第4学年
宮崎県・宮崎県立宮崎東高等学校卒業

大谷大学の哲学科教員によるブログから、本学で哲学を学びたいと志望を決める。4年間哲学を学び、4月からは大谷大学大学院へ進学予定。