2026年度公立学校教員採用試験(滋賀県)に合格した文学部文学科第4学年の竹内涼緒さんに、中学校教員を目指したきっかけや教員採用試験合格に向けて取り組んだこと、学生生活を振り返って感じた自分自身の成長や変化について語っていただきました。
※プロフィール欄に表記の学年は取材当時(2025年度)のものです。 

中学校の教員を目指したきっかけ、また進学先として大谷大学を選んだ理由をお聞かせください。

憧れを力に—中学時代の出会いが導いた“教員への夢”

中学校の教員を目指したきっかけは、中学生の頃に出会った担任の先生や顧問の先生の姿に憧れたことでした。生徒を第一に考えて一人ひとりに真摯に向き合い、悩みに気づいて声をかけてくださる先生方で、進路や勉強のことを親身にサポートしていただいた経験が強く印象に残っています。特に部活動がつらかった時期に支えてくださったことが大きく、将来は私も生徒のことをよく見て、生徒一人ひとりを支えられるような教員になりたいと考えるようになりました。

一方で、私は幼い頃から前に出ることが得意ではなく、人前で発表することに苦手意識がありました。教員を目指すと周囲に伝えた際には「本当に先生になれるの?」という反応もあり、大谷大学に入学して初めての模擬授業でも緊張から声も小さくなりうまく話せず、今後に不安を感じました。それでも、中学校時代に憧れた先生方の姿を思い返しながら「自分もあんな先生になりたい」という思いだけは揺らぎませんでした。

進路に迷った時期はありましたが、中学校の先生に憧れた原点に立ち返り、また国語が好きでその学びを生かしたいという思いから、「やはり私は、中学校国語科の教員になる」と改めて決意しました。

大谷大学を選んだ理由は、学生サポート体制の充実に魅力を感じたからです。複数の大学の情報を比較する中で、大谷大学は履修カルテ(※)による定期的な振り返りや提出物の丁寧なチェックなど、学生一人ひとりを支える体制が整っている点に惹かれました。「この環境なら自分の夢を実現できる」と思えたことが決め手でした。大谷大学のWebサイトから伝わる学生の雰囲気やキャンパスの印象が良く「ここで頑張りたい」という気持ちが強くなりました。入学後も先輩方のインタビュー記事を読んで励まされ「自分も頑張ろう」とモチベーションを高めることができました。
※履修カルテ…教員免許の取得をめざす学生が、自身の単位修得状況を適切に把握するとともに、学修到達度に関する自己評価を行い、学習目標を立てながら主体的に学ぶことを目的として作成する。
大谷大学では、毎学期「履修カルテ記入・説明会」を実施し、また最終学年の学生には、教職実践演習の授業内で各自がこれまでの履修カルテに記載した内容を振り返り、学修の総まとめを行う機会を設けている。

教員採用試験合格に向けて、4年間の学生生活で力を入れて取り組んだことをお聞かせください。

毎日の積み重ねが自信に変わった、教員採用試験合格までの道のり

総合研究室で仲間と話し合う様子
総合研究室で仲間と話し合う様子

私はクラブやサークルには所属していなかったため、教員免許取得と教員採用試験合格を大学生活の最優先の目標として取り組みました。第1学年、第2学年の頃から履修カルテを活用しながら少しずつ学習を進め、第3学年からは本格的に教員採用試験の過去問に取り組みました。リニューアルされたばかりの総合研究室にこもって問題を解く時間を意識的に確保し、継続して勉強することを自分の習慣にしていきました。

日々の授業では特に模擬授業に力を入れ、「どのように伝えれば生徒の理解が深まるのか」を常に考えながら工夫を続けました。グループワークや発表にも積極的に参加し、人前で話す力や議論を進める力を鍛えることを意識しました。教育法の授業では、実際の学校を想定しながら授業を組み立て、意見交換を通して自分の課題を見つけ改善につなげていきました。

1次試験(筆記)に向けては、日常的に授業の空き時間を活用しながら継続的に勉強する習慣を身につけました。2次試験(面接)に向けては、友人との練習や教職支援センターに常駐されている教職アドバイザーの方々からの指導に加えて、アルバイトでの接客経験を通して初対面の相手と話す力を磨いたことも大きな助けになりました。

勉強や模擬授業がうまくいかず気持ちが落ち込む時期もありましたが、大学のWebサイトに掲載されている教員採用試験合格者の声を繰り返し見て「自分も頑張らないと」と気持ちを奮い立たせることができました。焦りを前向きなエネルギーに変えながら、学習を途切れさせないことを意識して取り組み続けました。

教育実習は母校の中学校で行ったため、先生方の中には私を覚えてくださっている方もいました。私が憧れた当時の顧問の先生は、今は教育委員会で勤務されているのですが、実習期間中に顔を出してくださり、道徳の授業の指導案の考え方や発問の仕方、生徒との距離感について助言いただいたことが大きな学びとなりました。実習校の先生方からは、生徒との連絡帳のやり取りを通して丁寧に関係を築いていた点を評価していただきました。また、私は明るく盛り上げるタイプではありませんが、淡々と落ち着いて授業をすることで生徒が集中して取り組んでいたと言っていただけたことは大きな自信につながりました。

つらい時期もありましたが、支えてくださる教職支援センターの方々や教職アドバイザー、そして大学の先生方がいつでも相談に乗ってくださり、仲間と励まし合いながら頑張ることができたため、苦しさよりも楽しさのほうが大きかったと感じています。周囲の学生が努力する姿に刺激を受けながら、充実した4年間を過ごすことができました。

本学での4年間を振り返って、自身が成長した、変わったと感じることをお聞かせください。

苦手だった「人前で話すこと」が強みに

入学当初は、人前で発表することや自分の意見を伝えることに強い苦手意識がありました。授業中に発言したほうがよいと思っても、恥ずかしさや自信のなさから発言できず、模擬授業でも声の小ささや話し方に課題を感じていました。

しかし、4年間の学びを振り返ると、その苦手意識は大きく変わりました。発表やディスカッションの多い授業に積極的に参加し続けたことで、人前で話すことに慣れ自信が生まれました。周囲の学生の発表を観察しながら「伝わりやすい話し方」や「円滑なやり取り」を意識するようになったことも成長につながったと感じています。模擬授業を積み重ねたことで経験値が上がり、自ら行う授業そのものの質も向上したと実感しています。

また、大学生活を通して継続してきた接客のアルバイトも大きな影響を与えました。学童保育やホテルでの婚礼サービス、コンビニなど、さまざまな環境で働いた経験の中で、社会人としてのマナーや相手に合わせたコミュニケーション能力を自然と身につけることができました。初対面の相手との会話にも慣れ、授業内での発表やグループワークにも良い形で反映されました。

その結果大学生活の後半には、以前のように発言にためらうことがなくなり、教育実習では生徒へ指導する場面でも伝えるべきことをしっかり伝えられるようになりました。「話すことが苦手だった自分」を変えることができたことは、大学4年間で得た最も大きな成長だと感じています。
  • 仲間とディスカッションしている様子
    仲間とディスカッションしている様子
  • 資料を作成している様子
    資料を作成している様子

教員を目指す高校生に、メッセージをお願いします。

“なりたい自分”に近づける環境がここにある

響流館と慶聞館をつなぐブリッジで撮った写真
響流館と慶聞館をつなぐブリッジで撮った写真

高校生のみなさんに伝えたいのは、大谷大学には「一歩一歩、成長できる環境がそろっている」ということです。教員に相談しやすい雰囲気があり、模擬授業や発表の機会が多く、学ぶほどに自分の力を伸ばせる環境が整っています。授業を通して発信力や授業づくりの力が自然と身につくため、教員を目指す人にとって非常に大きな魅力がある大学だと感じています。

大学選びでは「どの大学に入学するか」だけに注目しがちですが、本当に大切なのは「どんな環境で自分の力を伸ばし、夢を実現していくか」だと思います。私は大谷大学で学んだからこそ自分の力を伸ばすことができ、ずっと描いていた夢である教員になることを実現できました。
また、困った時に相談できる人がいるという安心感が、挑戦する勇気につながりました。

これから進路を考える高校生のみなさんが、自分の夢を見つけ、その夢を叶えるための力を育てられる大学に出会えることを願っています。そして、大谷大学がその選択肢のひとつになれば嬉しいです。みなさんが夢に向かって進んでいけることを心から応援しています。

PROFILEプロフィール

  • 竹内 涼緒

    文学部 文学科 第4学年

    たけうち りお
    滋賀県立大津高等学校卒業
    2022年4月 大谷大学 文学部文学科 入学
    2026年4月 公立学校教員採用予定(滋賀県)