2025年度公立学校教員採用試験(中学国語)に合格した文学部文学科第4学年の吉田郁未さんに、中学校教員を目指したきっかけや教員採用試験合格に向けて取り組んだこと、学生生活を振り返って感じた自分自身の成長や変化について語っていただきました。
※プロフィール欄に表記の学年は取材当時(2024年度)のものです。

中学校の先生を目指したきっかけ、また進学先として大谷大学を選んだ理由をお聞かせください。

中学・高校時代に出会った憧れの先生

幼い頃から教員という職業に関心があり、中学・高校時代に「こんな先生になりたい」と思える先生と出会ったことが、教員を志す決め手になりました。
 
中学時代に憧れた先生は、生徒思いで親身に寄りそって指導してくれる先生でした。当時、生徒会の副会長を務めていた私が、卒業式の準備に奔走する中、その先生は一緒に考え支えてくださいました。また、高校時代に出会った国語科の先生は、専門知識が豊富で芯の通った頼りがいのある、生徒から慕われる存在でした。私も進路や受験で悩んだ際、多くのアドバイスをいただきました。2人の先生との出会いを通じて、教員への思いを強くし、小学1年生から続けている書道を教えたいという思いもあり、国語科教員の道を志しました。
 
第一志望の大学は合格にいたらず、担任の先生の勧めで大谷大学に進学しました。しかし大谷大学を選んで本当に良かったと感じています。文学科の授業と教職課程の履修は大変でしたが、文学だけでなく心理学やジェンダー、手話など幅広い学びを得ることができ、視野が広がり成長につながりました。 

教員採用試験合格に向けて、4年間の学生生活で力を入れて取り組んだことをお聞かせください。

学校ボランティアで子どもと接する経験を積み、教員採用試験に向けた準備に力を注いだ

1~2年生の頃は、授業のない空きコマを活用して京都の中学校で学校ボランティア(※1)に参加しました。また、地元で小学生対象のスポーツや料理体験プログラムにも参加し、子どもたちと関わる機会を増やすことを心掛けました。

教員採用試験に向けた筆記試験対策として、大学で開講される公務員試験対策講習や数学対策講習、教員採用試験対策講習を受講し、3年生のときには滋賀県の「教師塾(※2)」にも通い、実践力を養いました。ここでは教育委員会の方や現役教員から直接指導を受けて論文の書き方や授業の進め方を学び、5日間の学校実地体験にも参加することで、実践的な経験を積むことができました。また、情報収集の重要性も実感しました。通学時間や空きコマを有効に活用し、授業や採用試験に関する情報を積極的に集め、友人と互いに協力しながら採用試験や教育実習を乗り越えました。中でも、面接や模擬授業の対策には特に力を入れて取り組みました。大学での対策に加え、憧れの先生が高校での教育実習担当となり、模擬授業や面接練習にも協力いただいたおかげで、自信を持って教員採用試験に臨むことができました。

※1 学校ボランティア…教育現場において担当教員のもとで授業のサポートや部活動の指導補助を行う活動。教壇に立つ前に実際の教育現場を体験できる貴重な機会であり、児童・生徒への指導方法や関わり方を実践的に学ぶことができる。

※2 教師塾…各自治体の教育委員会等が主催する、教員を目指す学生や社会人のための研修・育成プログラム。現役教員による講座、論文指導に加え、学校現場での実地体験などが行われ、教職についての理解を深め、実践的な経験を積むことができる。

本学での4年間を振り返って、自分自身が成長した、変わったと感じることをお聞かせください。

コミュニケーション能力が向上、自分を客観的に見つめ直したり、多様な分野の学びを深めることができた

大学生活を通じて、最も成長したと感じるのはコミュニケーション能力です。コンビニのアルバイトや学生ボランティア、教育実習などを通じて、さまざまな年代の人と関わる機会が増えました。もともと人と話すことがあまり得意ではなかったのですが、教員を目指す上で積極的にコミュニケーションを取ることが重要だと考え、意識的に取り組みました。

教員採用試験の対策を通じて、自分の長所や短所、理想の教員像を深く考える機会が増えました。特に教育実習では、授業や生徒対応について課題を痛感しました。また、多様な価値観を持つ友人との交流を通じて、自分を客観的に見つめ直す機会も得ました。大学4年間で自分自身をより深く理解し、改善点に向き合う力がついたと感じます。

教員を目指すにあたり、学びへの向上心もさらに強くなりました。大学では単位を取得するだけでなく、自ら進んで多様な分野を学ぶことを大切にしました。「教員は一生学び続ける職業」ですので、私自身も生徒と共に学び成長し続ける教員になりたいと考えています。 
  • 教育実習の様子
    教育実習の様子
  • サークル活動(ジャズ研究会)でのライブ
    サークル活動(ジャズ研究会)でのライブ

大谷大学をめざす高校生に、メッセージをお願いします。

すべての経験が人生の財産。時間を大切にし、充実した日々を過ごしてください。

大谷大学は、学校生活、教職課程、就職や進学の支援体制が非常に充実しており、在学中だけでなく卒業後も相談しやすい環境が整っています。自分のやりたいことに真剣に向き合い、充実した大学生活を送ることができる大学でした。

大学生活は楽しいことばかりではありませんが、すべての経験が人生の財産になります。時間を大切にし、充実した日々を過ごしてください。どんな人生を歩むかは自分次第です。受験勉強で忙しい時期かと思いますが、体調に気をつけながら、夢に向かって努力を続けてください。皆さんの健闘を心から応援しています!

PROFILEプロフィール

  • 吉田 郁未

    文学部 文学科 第4学年

    よしだ いくみ
    滋賀学園高等学校卒業
    2021年4月 大谷大学文学部文学科入学
    2025年4月 滋賀県教育委員会採用予定