ちょっと立ち止まって

体重が少し減った。代わりに一日の平均歩数がちょっと増えた。気づかないうちに散歩コースが決まっていた。「猫」はそれほど嫌なものではないことを知った。

最近の自分について考えてみた。すると、いろいろな変化に気づいた。

体重が減ったのは健康診断での医師の問診がきっかけだ。その言われようがあまりにひどかったので、ちょっとムカッとなって、食事と運動に気をつけるようになった。そのせいか、ここ3ヶ月で体重が5kgほど減った。散歩も問診の影響だ。時間があると散歩するようになった。図書室~神社~駅前のお店~洋菓子屋さんのコースを歩く。図書室やお店でうろうろする時間を入れても1時間30分もあれば余裕で戻ってこられる。その結果、一日の平均歩数も増えた。

そして、一番大きな変化は「猫」だ。あのツンケンとした感じがずっと苦手だった。けれども、いきなり我が家へやってきた黒くて小さな物体は、そんなことお構いなしに、ゴロゴロ(ではなく、ぶひぶひと聞こえる)喉を鳴らしながら、体をすり寄せたり、あちこち咬みにきたりする。おかげで、こちらは小さな傷が絶えない。これを書いている今も、獲物を狙う姿勢で小さなお尻をふりふり、こちらの出方をうかがっている(数秒後、彼はPCの上で暴れ回ることになる)。けれども、そんな「猫」にすっかりやられてしまっている。

ちょっと立ち止まって考えると、いろいろな自分が見えてくる。そして、自分はひとりではなく、いろいろな存在に支えられていることに気づく。それは遠慮なく、ずけずけ指摘する医師かもしれないし、勝手気ままに振る舞う「猫」かもしれない。予想不可能なことが起こる世界のなかで、私たちはいろいろな存在に支えられながら生きている。

 

PROFILEプロフィール

  • 中川 眞二 教授

    【専門分野】
    和歌文学/近世国文学/国語教育

    【研究領域・テーマ】
    近世国文学/仮名草子/国語教育